今回ゲストにお招きしたのは、東京大学FoundXディレクターの馬田隆明さん。馬田さんにはデサイロが主催した「防衛テックの倫理」イベントに登壇してもらったり、馬田さんが主催した「スタートアップをとりまく思想」をテーマとしたイベントで岡田がモデレーターをしたりと、ご一緒する機会がここ数ヶ月で増えてきました。馬田さんといえば、著書『逆説のスタートアップ思考』や各種ブログなどを通じて、Yコンビネーターやピーター・ティールの考え方/方法論を日本に取り入れてきたことで知られています。そんな馬田さんはいまなぜ「思想」について考えているのか? 一連のイベントを振り返りながら、シリコンバレーを相対化し、日本のスタートアップ思想を構築するとはどういうことか?について議論しました。(岡田)
ゲストは、東京大学FoundXディレクター・馬田隆明さん/「防衛テックの倫理」と「スタートアップをとりまく思想」イベントの振り返り/『逆説のスタートアップ思考』から約10年/振り子のように変わるシリコンバレーと国家の距離感/BtoCアプリからBtoB・SaaS、ハードウェア・ディープテックへ/カルチャーと金融が重なった2010年代、「自己表現の延長としての起業?」/アベノミクス期の効率化主義と新自由主義へのバックラッシュ/「価値観」について話す場所がない/縮小する日本で「何を残すのか」という問い/シリコンバレーOSを一度ダウンロードした日本は、どう相対化できるのか/投資と起業を駆動するキリスト教的OS──カルヴァン主義、フロンティア精神、終末論/日本はシリコンバレーのOSを輸入したのか?/イノベーションの受け手がどれくらいいるのか?/イエス・キリストという「創業者」への強烈な共感とバイラル性/大きなお金は、大きな物語を求める/日本独自の問い──エネルギー・食料の自立性、災害からのレジリエンス、平和の実装/戦略17分野と「国策を追うか、国策を作るか」/スタートアップは「社会のR&D」/国のアジェンダに乗りすぎると、執行になってしまう/「複雑な課題を解くことが楽しい」という起業家たちのモチベーション/インフレ時代の機会損失と東大生の起業観の変化/建設・住居、介護、交通・物流にもっとアテンションを/意図的な参入にはレッドラインを、意図せざる参入には検知能力を/a16zは「テックエシックス」を敵だと考えている/10年で価値を最大化するベンチャーキャピタルと、防衛産業の相性の悪さ/イスラエルのユニコーン輩出率と8200部隊の結束/「生き死にがかかっている人たちと、儲けたい人たちのタッグ」/危機のナラティブに回収されない、感情移入できる「平和のビジョン」を
▼「2020s-twenty-twenties-」とは
2020年代を形づくる思想やアイデアとは何か?
テックから哲学、カルチャーまでを横断し、「思想がリアルポリティクスを動かす時代」に迫っていくPodcast番組。AIや防衛産業が立ち上がる米国テクノロジー業界の世界観や価値観を検証し、その戦略に「巻き込まれざるを得ない私たち」にはどのような選択肢や可能性があるのか? 哲学者の柳澤田実と、デサイロ代表の岡田弘太郎が、時にはゲストを招きつつ率直に話し合います。
▼ゲスト
馬田隆明
日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。東京大学では本郷テックガレージの立ち上げと運営を行い、2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。スタートアップ向けのスライド、ブログなどで情報提供を行っている。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』『解像度を上げる』『仮説行動』。https://x.com/tumada
▼出演
柳澤田実
1973年ニューヨーク生まれ。関西学院大学神学部准教授。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、宗教を中心に文化的背景とマインドセットについて研究している。最近の関心テーマは米国テックの右傾化、若者のキリスト教回帰と少子化の関係。
https://x.com/tami_yanagisawa
岡田弘太郎
1994年東京生まれ。人文・社会科学分野の研究者と協働し、イノベーション創出や新たなる社会制度の提案を行う一般社団法人デサイロ代表理事。最近の関心は、エディターとしては「いま最も重要なテーマを提示すること」。デサイロ代表としては「持続可能な知のエコシステムを構築すること」。個人的には「東京という都市をもっと面白くすること」。
https://x.com/ktrokd
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▼参考文献
馬田隆明『逆説のスタートアップ思考』中央公論新社、2017 年 3 月
馬田隆明『未来を実装する──テクノロジーで社会を変革する4つの原則』英治出版、2021 年 1 月
ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ(関美和訳)『ゼロ・トゥ・ワン──君はゼロから何を生み出せるか』NHK出版、2014 年 9 月
マックス・ヴェーバー(大塚久雄訳)『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫、1989 年 1 月
サミュエル・シェフラー(森村進訳)『死と後世』ちくま学芸文庫、2023 年 6 月
エズラ・クライン、デレク・トンプソン(土方奈美訳)『アバンダンス:「豊かな時代」を呼びさませ』NewsPicksパブリッシング、2025 年 12 月
▼参考URL
馬田隆明「スタートアップをとりまく思想」🐴(馬)、2026 年 7 月 5 日
https://blog.takaumada.com/entry/startup-thought-2026
馬田隆明「平和を実装する」🐴(馬)、2026 年 6 月 22 日
https://blog.takaumada.com/entry/peace-enabling-startup
馬田隆明「国策を追うか、国策を作るか」🐴(馬)、2026 年 8 月 6 日
https://blog.takaumada.com/entry/following-national-policy
馬田隆明「日本の Defense Tech / 防衛テックを考える(1)(2026 年 6 月版)」🐴(馬)、2026 年 6 月 29 日
https://blog.takaumada.com/entry/defense-tech-2026-1
馬田隆明「Defense Tech の倫理 - 日本の Defense Tech / 防衛テックを考える(4)」🐴(馬)、2026 年 6 月 29 日
https://blog.takaumada.com/entry/defense-tech-2026-4
馬田隆明「『日本の 6 つの高齢化』に挑むスタートアップを考える ―― 人、インフラ、産業、非営利、制度、思想」🐴(馬)、2026 年 1 月 3 日
https://blog.takaumada.com/entry/rfs-for-aging-society
Marc Andreessen「The Techno-Optimist Manifesto」a16z、2023 年 10 月 16 日
https://a16z.com/the-techno-optimist-manifesto/
「マクロスコープ:防衛新興に熱視線(上)官民で先端技術取り込み 開発スピード魅力」
ロイター、2026 年 7 月 28 日
https://jp.reuters.com/world/japan/G55LVXVUHFK5PNE237W3UEFWZY-2026-07-28/
「再送-〔マクロスコープ〕防衛新興に熱視線(下)起業の壁なお厚く 資金調達は難路」
ロイター、2026 年 7 月 28 日
https://jp.reuters.com/world/japan/JW5KJXEZOFIRTMJ3547QPTNUPU-2026-07-28/
▼クレジット
イラスト:髙橋あゆみ
ロゴデザイン:畑ユリエ
企画・制作:一般社団法人デサイロ
収録:Unknown Unknown
情報
- 番組
- 頻度アップデート:月2回
- 配信日2026年8月20日 13:06 UTC
- 長さ1時間16分
- 制限指定不適切な内容を含まない
