漫画家ためになるラジオ マンガスクリプトDr.ごとう
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マンガってどうやって作るの?漫画制作の裏側に興味がある人へ、プロがストーリーを作る時のちょっとした工夫など、知るとより深くマンガを楽しめる「ためになる気づき」をお届けしています!
語り手・ごとう隼平(マンガスクリプトDr.)/元漫画家・東京ネームタンク代表・コルクスタジオ編集長・京都芸術大学准教授 @goto_junpei
聞き手・ヨシキ/Web編集者 @moriri_nyo
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漫画を読んで感じるモヤモヤは「期待」が満たされていないから? 欲求のサンドイッチ問題 #58
漫画家にとって漫画編集者の役割とは、漫画家の作品を世に届けること、そして漫画の最初の読者として「こう伝わった」というシンプルなフィードバックをしてあげること。
作品を初めて読んだ際に覚えた違和感やモヤモヤに対し、
・「もっとこう直したい」という、自分の外の世界(作品)に変化を与えたい欲求
・「もっとちゃんと知りたい」という、自分の外の世界(作品)から手に入れたい欲求
の2つの欲求を同時に抱きながら、的確なフィードバックをおこなうことを漫画編集者は心がけています。
前者を伝えるのは簡単ですが、伝え方によっては漫画家のヤル気を削ぐだけなので、気をつけないといけません。
後者は心の中に一瞬よぎった感情を巻き戻し、読み手として何を欲しているかを漫画家にきちんと伝える必要があるため、非常にハイレベルなスキルが要求されることになります。
でもそれでいて、後者だけでは雑な仕事しかしていないと思われる危険もあるのが編集者という職業。
そんなわけで今回は、いろいろある編集者の仕事の中で、特に漫画家のためになりそうな部分に特化してお話していきます。 -
「情報」ではなく「人」を探せ! 元小学館編集長から学んだ漫画の取材のポイント #57
自分が知らない分野の話やより深い話を描くためには、やっぱり取材はしておきたい!
でも、編集者が同行してくれるような正式な取材でないと、アポ取りや居住地の関係などで難しい場合も多そう……?
ヤル気はあっても、題材やテーマによっては自力でおこなうのは難しいのが「取材」かもしれません。
もちろんできる範囲で自分で足を運ぶことは非常に大切ですが、書籍や映像からでも得られるものは沢山あります。
さらに元・小学館でIKKIの編集長だった江上英樹さんが教えてくれた取材のポイント、それは
・取材とは「情報」を探すのではなく、「人」を探すこと
・「その分野に詳しい人」ではなく、「その分野のことを楽しく話せる人」の話を聞く(読む)こと
漫画は結局「人」を描くからこそ、情報より魅力的な人を見つけ出すことが重要であり、それは書籍や映像、そして現在はSNSなんかからでも探すことができるようになったわけです。
そんな感じで今回は、居住地や立場など関係なく、面白い漫画を描くためにおこないたい「取材」の考え方と取り組み方を紹介していきます! -
「AIに描かせるな!使え!」自分の漫画力を圧倒的スピードで成長させるAIの真の活用法 #56
「いつになったら自分の画力は上達するのか、このまま何年も伸びなかったらどうしよう…」
漫画家志望の人なら誰もが悩むであろう永遠のテーマに対し、ついに解決法を発見。その答えこそが、AIの活用でした!
もちろんポイントは「AI に出力させて描かせる」のではなく、「AIを活用して、自分の画力を素早く上達させる」こと。
自分にとって最適なお手本を、無限に・即時に出力し続けてくれるのは、まさにAIからしか得られない最高のサポートです。
AIのおかげで圧倒的な練習量を確保できるようになったことで、これまででは考えられない速度で画力を上達させられる時代が、ついに到来したのかもしれません。
なにかと話題になる「漫画家とAIの共存」について、ポジティブな側面を語っていきます。
*今回は本題に入るまでがいつになく長いので、タイトルの内容が気になる方は、21:28あたりからお聞きください・・・! -
自分の画力ではまだ描けないから温めている最高の企画、いつから描くべき? 今でしょ! #55
「この企画はマジで最高! 大ヒット間違いないし、描きたくてたまらない!」
「でも、自分の画力ではまだ描かないほうがいいのでは… もっと技術が上達してからでないと、せっかくのアイデアが勿体ないことになりそう…」
自分の画力や技術の問題から、本当に描きたい最高の企画を「セルフボツ」にしている経験はありませんか?
いつか納得するスキルを得られたら…と、執筆を先延ばしにするのも漫画家として大事な戦略ですが、描きたい気持ちを抑えてまで別の企画を描いているのは勿体ない!
もちろんイメージどおりの表現ができないことで挫折を感じてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、そこで諦めてしまわないための対策を、マンガスクリプトDr.ごとうが伝授!
・セルフリメイクで何度も描く
・まずは短い話、ちょっとしたエピソードから描く
・サイドストーリーや日常回から描く
などなど、初心者からでもすぐに取り組める「段階設計」について解説していきます! -
自分の「評価」を客観視! 複数担当者への持ち込みメリット、連載に対する編集部の考え方 #54
漫画家が複数の担当者に自分の企画を持ち込むのは、ある意味当たり前のこと。自分の企画を高く評価してくるところとやるのが一番です。
もちろん担当者と一緒につくった企画を他所に持ち込むのはダメですが、自分でつくった企画なら、いろいろな編集部に評価を聞いて回って、良かった点・悪かった点を書き出してみるのもいいでしょう。
きっといいブラッシュアップになるはずです。
また、特典つけて漫画を売り上げを伸ばす作品(作家)に対しては、抵抗感や嫌悪感を持つ人もいるかもしれません。
でもそれは、特典をつける方法で売り出すほど編集部に評価されている作品(作家)かどうか、という見方もできます。
作品としての性質や作風の違いはもちろんありますが、どうしたって連載陣の中で序列のようなものはありますし、編集者や出版社側のリソースは有限です。
自身の売り出し方について交渉のテーブルに立つには、やはりどれだけ評価されているか、がポイントになってしまいます。
今回はそんな連載前・連載後の「評価」に関するお悩みにお答えしていきます。 -
「自分の描きたい作品」と「編集者からのアドバイス」が噛み合わない時の3つの対策 #53
「新人漫画家だからわからないと思うけど、こうすると売れるんだよ」
そんな編集者からの提案・アドバイスと、自分の描きたい方向が明らかに異なる場合、どこまで自分の意見を言っても大丈夫なのか?
マンガスクリプトDr.のごとうが、自身の実体験を踏まえながら「こう言えば良かったのではないか」を振り返ります。
作品は作家のものですが、世に出す上ではパートナーである編集者との交渉、そして納得も必要。
なお結論として、相手に伝えるべきは「原因をしっかり考えた上での代替案」と「自身の描きたい気持ち」、そして「作品のウリとなるポイント」ではないか、という話となっています。