21本のエピソード

現代は「映画の晩年」という定義のもとで、そもそも「映画は何を描いて来たのか」もしくは「映画でしか表現できないものは何なのか」について、あまり語られることが少ない作品をセレクトし語っていくポッドキャスト。

Cinéma de Canard〜映画の晩年〜:THE PODCAST CiS CREACTIVE

    • テレビ番組/映画
    • 5.0 • 1件の評価

現代は「映画の晩年」という定義のもとで、そもそも「映画は何を描いて来たのか」もしくは「映画でしか表現できないものは何なのか」について、あまり語られることが少ない作品をセレクトし語っていくポッドキャスト。

    S1Fin -E12:本多猪四郎監督「ゴジラ」〜かつての「戦後」と新しい戦前を生きる〜

    S1Fin -E12:本多猪四郎監督「ゴジラ」〜かつての「戦後」と新しい戦前を生きる〜

    2023年最後の配信を目指していたのですが、大変申し訳ございません、少しだけ遅くなってしまいました。あけましておめでとうございます。

    というわけで、ずっと更新が滞っていた昨年の前半から、怒涛の更新ラッシュとなった後半と躁鬱感の強い当番組のシーズン1のラスト・エピソードとなります。

    今回は前回の山崎貴監督の「ゴジラ−1.0」からの続きで、1954年に製作された本多猪四郎監督の「ゴジラ」を取り上げます。

    前回のトークで村上君が述べていた通り、本質的な意味で「パブリック」な意味を持つのは「戦争」であったり「原水爆の脅威」を、ある意味でポップに語る触媒として有用性があるのが「ゴジラ」というキャラクター・アイコンであるという視点。

    2023年のこの日本の状況に対して、前回のエピソードで語った「実体のない戦争映画と個人」というものが、1954年の日本では「戦争」について「個人」についても、確実な実在感をもって描かれているのが本作です。

    何より「映画」の役割や機能として、これらの生々しい個人や社会の問題を観客に問うているということが本作には満ちているという驚きと、怪獣映画というジャンル性の中にかなりの多くの部分を「ロマンス」によって表現されているという本多監督の特異性。

    などなど本編でも僕が述べている通り「ゴジラこそ映画そのもの」というエピソードになっています。

    2024年からの「シーズン2」への橋渡しとして、社会のことと我々それぞれのバックグラウンドについて、映画を通して「語っていく」という当番組の骨子に立ち返ったエピソードになったと思います。

    そして、次回予告で述べていた、2023年の最終エピソードは、残念なことに村上君が急病の為延期、あるいは中止となってしまいました。楽しみにされていた方には本当に申し訳ございません。(教授)



    CAST/ 教授、村上、ちょり
    STAFF/  
    DIRECTOR & EDITER:Prof M
    THUMBNAIL DESIGN:Prof M
    ILLUSTRATION:CHORI SOUND STICKER:Prof M 



    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓ 

    cinemadecanard@gmail.com

    • 1 時間28分
    S 1-E11:山崎貴監督「ゴジラ−1.0」〜かつての「戦後」と新しい「戦前」の時代を生きる〜

    S 1-E11:山崎貴監督「ゴジラ−1.0」〜かつての「戦後」と新しい「戦前」の時代を生きる〜

    2023年ももうすぐ終わり。当番組が本格的に始動してのシーズン1は今回と次回の2エピソードで終了となります。
    基本的にはタイムリーな「新作」を扱うことはほとんどない番組なのですが、年の瀬ということもあり、前回の「パルプ・フィクション」回で予告していた通りキャスト各々で持ち寄った2023年公開の課題作品の中から1本をセレクトした結果、現在日本だけでなく北米でも大ヒットしている超話題作山崎貴監督「ゴジラ−1.0」について語ります。
    トーク中でも触れていますが、まずはお詫びです。前回サイコロの出目で課題作品を決めようと、某ラジオ番組の企画を拝借して決めたのですが、出目を見間違えてしまったことが収録後に判明しました。本来は森達也監督「福田村事件」を扱うはずだったのですが、協議の結果、番組で宣言した通り今回は「ゴジラ−1.0」を取り扱うことになりました。
    というわけで、今回はキャストの評価が全員一致で酷評という展開に。当然と言えば当然と我々は感じる内容ではありますが、それに反してもはや「世界的なヒット作品」となっている現状は恐ろしくもあり、興味深い現象でもあります。
    且つ、大変な話題作でもあり、現状「賛否」は大きく呼んでいる作品でもあり、当番組と同様に多くの人が常に語り倒している作品の為、新味のない議論になっている側面もありますが、次回エピソードも合わせて、近年言われる「新しい戦前」という時代には不可避なテーマとして語る価値の高い作品だと思っています。
    とかく、当番組では「戦争」というキーワードと、それを巡る「作家論」というテーマが顕著で出てくる傾向が強く、今回のエピソードも多くがそのテーマに関わっている点も、偶然と必然も加味して興味深いと思っています。(教授)

    CAST/ 教授、村上、ちょり
    STAFF/  DIRECTOR & EDITER:Prof M
    THUMBNAIL DESIGN:Prof M
    ILLUSTRATION:CHORI SOUND STICKER:Prof M
    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓
    cinemadecanard@gmail.com

    • 2 時間3分
    S 1-E10:クエンティン・タランティーノ監督「パルプ・フィクション」~映画の晩年から顧みる90年代の映画革命~

    S 1-E10:クエンティン・タランティーノ監督「パルプ・フィクション」~映画の晩年から顧みる90年代の映画革命~

    今回のエピソードはメンバーのちょりさんの「最近の映画観ていてポリコレ(注:通称ポリコレ。政治的正しさと訳される)の主張が強くて煩わしい」という指摘があり、映画離れの兆しがあり、番組存続危機を回避するためのエピソードです。

    映画ファンには大変人気の高い本作。それ故に語られ尽くした感も強く、また強固なファンダムに支えられた…つまり下手なことを言うと顰蹙を買ってしまう可能性の高い超有名作品です。

    本作品の公開後、まさに時代が変わったと言えるほど、多くのフォロワーが存在し「映画ファン」という存在にとっては大きな賛否もありつつ、その賛否についてより語りづらさがより顕著な、面倒くさい作品でもあります。

    個人的には「映画ファン」という存在に対してうまく言語化できない、というのが僕にとっての「映画探究」の動機でもあり、本作を過剰に「ありがたがる」という風潮は作品の評価とはまた別軸で苦手意識もありつつ、世代的にはまさに「ドンピシャ」でもあり大きな影響を受けてもいるというパラレルがより語りづらさを増していていつもよりも歯切れの悪いトークになっています。

    一方で、これまでのエピソードで「偏向的」な独自の視点を披露してくれる村上君についてはリアルタイム世代ではない視点での批評眼を提示してくれつつ、ちょりさんに至っては毎度のフラットさで三者三様の語り口で語ってみました。

    今回のエピソードは、作品の情報量に対して「語り尽くした」感はないことは認めざるを得ないことですが、本作を語るということが、2023年の映画語りの地平としては大変難しいところにあるというのはしっかり伝わるエピソードになっていると思います。

    (教授)



    CAST/ 教授、村上、ちょり

    STAFF/  DIRECTOR & EDITER:Prof M

    THUMBNAIL DESIGN:Prof M

    ILLUSTRATION:CHORI SOUND STICKER:Prof M

    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓

    cinemadecanard@gmail.com

    • 1 時間51分
    S 1-E9:【特集・ジャン=リュック・ゴダール④】ジャン=リュック・ゴダール監督『小さな兵隊』~新しい戦前とかつての戦後を巡る批評と闘争~

    S 1-E9:【特集・ジャン=リュック・ゴダール④】ジャン=リュック・ゴダール監督『小さな兵隊』~新しい戦前とかつての戦後を巡る批評と闘争~

    今回のエピソードの収録は、「エピソードの8.5」と同日の2023年8月30日。オープニング用に長めに雑談を収録した手前、今回はいきなり本編から始まります。



    今回取り上げる「小さな兵隊」に関しては、なかなか取り上げられる機会の少ない作品だと思います。デビュー作「勝手にしやがれ」で時代の寵児となったゴダールの華々しさから比べると、きっと「佳作」としてひっそり位置付けられている気もしますが、個人的にも、トーク本編でも語られている通り、まず「娯楽映画」としての面白さがまず際立っています。

    この佳作、といった風合いは、トークの本編では言及し損ねましたが、作家・村上龍の「限りなく透明に近いブルー」からの2作目「海の向こうで戦争がはじまる」とも呼応するかのような、つまりは村上龍はその辺りを意図して作品を発表したというような、文化的影響がやはり当時のゴダールにはあったことを細やかに示すものだと思います。

    いわゆる「実録スパイ映画」のテイストに、本特集の肝ともなる「ゴダールのお家芸」となるメタ的な「男女の恋愛」もより「実録感」のある生々しさが同居している作品になっていて大変興味深いところです。それは、なんと言ってもアンナ・カリーナとの出会いに尽きるものです。



    ゴダール作品を語る上で、政治という題材は欠かすことができないですし、2作目にしていきなり「政治闘争としての映画」という今後の創作姿勢を伺わせるような、実は重要な作品でありつつ、まるでそれを邪魔するかのような、恋に没頭し、公私混同して行くゴダールの「可愛さ」こそが、ゴダール映画をエンターテイメントとして楽しむ鍵だと思うのですが、トーク中でも、その表層の部分で「どう語って良いものか」に四苦八苦する様が僕らにも如実に出ています。

    それが終盤になり、本作を「楽しく語ろう」と一転する展開に変わっていく辺り、というのがこのエピソードの録れ高として狂喜する瞬間でした。

    そういった「ナマモノ」としてのトークを楽しんで頂ければ幸いです。(教授)



    CAST/ 教授、村上、ちょり

    STAFF/  DIRECTOR & EDITER:Prof M

    THUMBNAIL DESIGN:Prof M

    ILLUSTRATION:CHORI SOUND STICKER:Prof M

    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓

    cinemadecanard@gmail.com

    • 1 時間47分
    S 1-E8.5:収録前の蔵出し雑談トーク 2023年、夏。

    S 1-E8.5:収録前の蔵出し雑談トーク 2023年、夏。

    今回のエピソードは、ジャン=リュック・ゴダール特集の4回目「小さな兵隊」のトークを収録前のオープニング用に長めに収録した雑談の内容です。

    収録したのは2023年8月30日。猛暑の夏の、またまた久しぶりに会った教授、村上、ちょりの「声出し」を兼ねて話しているエピソード・トークです。

    村上君はデヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」と再上映について、はたまたちょりさんについては、僕の勘違いで話を振った「カセットテープ・ダイヤリーズ」とブルース・スプリングスティーンの話から、当番組では語ることの少ない音楽についてなど、はたまた私、教授の最近映画館で寝ちゃう問題からの、映画疲れからの「ワイルド・スピード」シリーズや「トランスフォーマー」シリーズに逃避している近況についてのトークです。

    雑談回の長所は、まさに雑談から生まれてくる生活感。

    配信開始から1年を経過しての、関係性の変化楽しめるリラックスしたエピソードになっています。

    (教授)



    CAST/ 教授、村上、ちょり

    STAFF/  DIRECTOR & EDITER:Prof M

    THUMBNAIL DESIGN:Prof M

    SOUND STICKER:Prof M

    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓

    cinemadecanard@gmail.com

    • 44分
    S1-E8:【特集・ジャン=リュック・ゴダール③】大島渚監督『無理心中 日本の夏』~新しい戦前とかつての戦後を巡る批評と闘争〜

    S1-E8:【特集・ジャン=リュック・ゴダール③】大島渚監督『無理心中 日本の夏』~新しい戦前とかつての戦後を巡る批評と闘争〜

    本エピソードはもうずいぶん前に収録されました。公開が遅くなりまして大変申し訳ありません。

    収録日は2023年3月24日なのですが、ひとつは企画当初にあった「ゴダール特集」に対しての「ビビり」から、よりわかりやすく語るためのアイデアとして「サブテキスト」を用意、別の作品を語ることで、ジャン=リュック・ゴダールを読み解くというアプローチを考えていました。

    前回と特に今回はそのアプローチが功を奏しているところもあり、わかりやすく「比較」できるものとして機能しているのですが、今後の特集を組むにあたっては、個々の作品について語ることと、ゴダール作品に結びつけてのトークがなかなか合致しないという課題にハタと気付いてしまったというのがあります。

    加えて、没後間もなくのタイミングでは、主にストリーミングで視聴可能であったゴダール作品が、軒並み消えていく事態が発生しているというのもあり、我々の制作スピードと映画鑑賞(視聴)の環境の世間的な変化というものにまんまと翻弄もされているという背景もあります。

    映画というカルチャーをアーカイブする。これが想像以上に大変であること。映画だけでなく芸術史においても重要なジャン=リュック・ゴダールであれ、作品を気軽に鑑賞しづらいという状況が現実的にこんなに難しいとは…と途方に暮れてしまっている状態です。



    とはいえ、ひとまずはでき得る限り作品を取り上げ、今後も拙いなりにゴダール作品だけに限らず、映画というものを語っていくことはやめない、という意思のもと、本エピソードもお送り致します。

    ゴダール同様、大島渚監督についても、作品を中々取り上げて語られる機会は多くはないと思います。

    ましてや「戦場のメリークリスマス」あるいは「愛のコリーダ」についてはまだ4Kリマスター公開などがされている状態でありますが、本作をはじめとしてフィルモグラフィーを追って取り上げる為にはなかなか言及されにくいというには残念なことだと思います。

    観ることができるだけ、昔よりも良いということも言えなくはないですが、現状もU -NEXTのみで視聴可能ということで、映画史的な大島監督の位置としては、確実に「ぞんざい」であると言えると思います。



    そんな義憤も加えつつ「新しい戦前」と言われる現在の世界情勢の中で、歴史的な敗戦を迎えた日本の「戦後」を描いた本作について語るのは、なかなか意義深いトライアルだと思います。

    (教授)



    CAST/ 教授、村上、ちょり

    STAFF/  DIRECTOR & EDITER:Prof M

    THUMBNAIL DESIGN:Prof M

    ILLUSTRATION:CHORI SOUND STICKER:Prof M

    番組に対するご意見、ご要望、苦情などはこちら↓

    cinemadecanard@gmail.com

    • 1 時間35分

カスタマーレビュー

5.0/5
1件の評価

1件の評価

テレビ番組/映画のトップPodcast

町山智浩の『アメリカ流れ者』
TBS RADIO
OH! CINEMA PARADISE
J-WAVE
聴くと映画が観たくなる! CINEMORE
CINEMORE
映画ラジオ【寝ずの映画番】
【映画批評ラジオ】ジャガモンド斉藤/大島育宙
もっと、光る君へ NHKラジオ「ラジオ深夜便」
NHK (Japan Broadcasting Corporation)
PARAKEET CINEMA CLASS
POPEYE Web