ラスベガスで開催中の年次イベント「AWS re:Invent 2025」から、開発者の働き方を根本から変えるかもしれない注目の発表が飛び込んできました。AWSは、開発チームの一員として機能する自律型AIエージェント、「Kiro autonomous agent」を発表しました。
これまでもAIによるコーディング支援ツールは存在しましたが、Kiroは一線を画します。従来のツールが「人間が書くコードを補完する」ものだとすれば、Kiroは「タスクを丸ごと任せられる新人エンジニア」のような存在です。例えば、JiraのチケットやSlackでの会話からタスクの内容を理解し、GitHub上の複数のリポジトリを横断してコードを修正、テストの実行までを自律的に行います。
特筆すべきは、Kiroが持つ「学習能力」です。これまでのAIはセッションが終われば記憶がリセットされていましたが、Kiroは「永続的記憶」を持っています。もしプルリクエストのレビューで、人間の先輩エンジニアから「このプロジェクトではこのエラー処理パターンを使ってね」と指摘された場合、Kiroはそのフィードバックを記憶します。そして、次回のタスクからは言われなくてもそのルールを守るようになるのです。
AWSのマット・ガーマンCEOは「Agents are the new cloud(エージェントこそが新しいクラウドだ)」と宣言し、Kiroだけでなく、セキュリティ監視を行う「AWS Security Agent」や、障害対応を行う「AWS DevOps Agent」も同時に発表しました。これらは「Frontier Agents」と呼ばれ、人間が寝ている間もシステムを守り、育て続ける新たな労働力として定義されています。
開発者は今後、コードを一行一行書く作業から、これら優秀なエージェントたちに指示を出し、その成果物を監督する「マネージャー」のような役割へとシフトしていくのかもしれません。
情報
- 番組
- 頻度アップデート:毎週
- 配信日2025年12月3日 22:00 UTC
- 長さ3分
- シーズン1
- エピソード744
- 制限指定不適切な内容を含まない
