第1回 SPARC Japanセミナー2012 -学術評価を考える- National Institute of Informatics
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研究活動を取り巻く環境の変化,とりわけ学術情報流通の劇的変化や研究の学際化により,従来の評価基準・方法では学術評価を行うことが難しくなってきています。ある研究機関における特定研究分野の優位性などを正しく評価しておくことは,研究戦略の立案や資金配分の最適化・効率化,共同研究の促進,さらには国際競争力の強化を図ることを可能にします。今回は国内外の「学術評価」にスポットを当て,学術評価のあり方や手法に関して検討してみます。多くのみなさまのご来場をお待ちします。
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InCitesを用いた研究成果分析の手法―機関分析から個人評価まで
ひと口に「学術評価」と言っても,この世に発信されているあらゆる分野の研究成果を,ひとつの手法で評価・分析するといった夢のような世界は実現不可能である。限られたデータソースを一定のルールで切り取り,できるだけ条件をそろえて同じ土俵の上で比較分析をするという極めて地味な作業を継続して行う,これが基本である。大学同士の比較,学内の部局や分野ごとの分析,研究者個人の評価,いずれもデータの規模は異なるが,基本的にはベンチマーキングにより研究の強みを特定し,内外にアピールするという所がポイントとなる。また,裏側にあるデータの特性,何ができて何ができないかなどの正しい理解も不可欠である。本講演では,分析ツールを活用する上で重要な視点を共有するとともに,トムソン・ロイターが提供する研究評価・分析ツール InCitesTM を用いた成果分析の手法を,マクロからミクロまで角度を変えたかたちで紹介する。
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スライド資料:Innovative approach to measuring research performance
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ビブリオメトリックスを活用した研究評価の現状と展望
1980年代以降,研究評価の重要性が増し,客観的評価のための指標への要望が世界的に高まっている。そうした要望に応えるものとして近年注目されているのが,ビブリオメトリックスで提案された諸指標である。ビブリオメトリックスは,図書館学・情報科学の一下位分野として始まったが,過去40年の間に徐々に,科学政策・研究マネジメントへと応用領域を広げてきた。そうした研究では,論文の書誌情報をもとに考案された一連の指標が活用されている。現在,ビブリオメトリックスの手法を研究評価に活用する方法を研究するためのセンターや評価室が,世界の多くの国々において創設されている。本講では,研究評価のツールとしてのビブリオメトリックスと研究評価の現状について概説する。ビブリオメトリックスの手法は有益なものではあるが,それを用いるだけですべての問題が解決するほど,研究評価の問題は単純なものではない。研究評価の今後の展望についても改めて考えてみたい。
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研究活動分析における革新的な取り組み ― Discovery, Collaboration, Evaluation 機関の意思決定を支援
書誌計量学に基づく分析手法を主に使用した,学術研究評価の概要をご紹介します。まず,トップ20カ国の研究発表を質・量・最新性の面で比較します。
次に日本が強みを持つ研究領域に注目した後,共同研究の現状について日本を例にご説明します。さらに,英国のビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)と弊社の共同研究から得られた研究者の頭脳循環(brain circulation)についての知見をご報告します。