第3回 SPARC Japan セミナー2014 「「オープン世代」のScience」 National Institute of Informatics
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本セミナーでは,米SPARCによる今年のオープンアクセスウィークのテーマ「Generation Open(オープン世代)」に合わせ,日本国内における「オープン世代」の様々な取り組みを紹介する。 「オープン世代」は現在研究者になったばかりの,あるいはこれから研究者になろうという若手の世代であり,オープンを旨とするウェブ文化の中で育ってきた。一方で伝統的な学術コミュニケーションを担う立場に立ってきた学術機関とその図書館,学会は,従来オープンアクセス発信について取り組み,アウトリーチ活動を行ってきた。両者を結び付けることで,世界中で様々なアプローチで展開するオープンアクセスの潮流をさらに推し進め,学術機関やその図書館等が行っている発信の活動,リソースの共有・再利用等のサービスについて検討する契機としたい。
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Alternativeな生命探究の場としてのバイオメディアアート
生命科学は「生命とは何か」を問う学問領域であるが,この問いは古来芸術の主題でもあった。オープンソース化の流れ,構成的なアプローチ,社会的課題・文化的含意への隣接,これらを通じ,生命科学は一部でバイオメディア・アートなどと呼ばれる現代芸術における生命探究の試みと共振するようになっている。DIYバイオ,FabLab,バイオアートといったオープンソースの精神を重視する活動の交錯が模索されている現状と,その課題について議論してみたい。
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「若手アカデミー」というプラットフォーム
グローバル化し複雑になった現代社会において情報は氾濫し,その多様性は歴史的にも類を見ない状況になってきている。ガジェットは多様化してどこにいてもオンラインとなり,まさにユビキタスな時代となってきている。しかし一方でコミュニケーションの形態は断片化し,思考が深まらないという声も散見される。時代の流れは後戻りできない。まもなくネットネイティブ世代が学術の中心的役割を果たすようになる。来る次世代を踏まえてこれからの学術ネットワークやプラットフォームについて考えてみたい。
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アカデミア外における知のオープンアクセスがもたらす未来
近年,急速にオープンアクセスの概念がアカデミアの中で広まりつつある。そしてアカデミアの外に目を向けると,生物学のジャンルではいわゆる「バイオハッカー」もその存在感を増しつつある。バイオハッカーたちの世界では,情報をオープンにし,知を共有するのが当たり前という風潮が強い。本発表では,このようなアカデミアのオルタナティブとなるような知的活動が,生物学や科学の前進にどのように寄与するのかを考察する。
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コンテンツとしてオープンに発表される研究活動について - ニコニコ学会βなどを通じて
WebやSNS,投稿サイトなどが日常になる中で,研究活動の発表のかたちも大きく変わってきました。大学図書館に勤務する中で,学術論文に一般に伝わるような面白さや有用性が高いことを感じ,時事性に合わせてTwitter上で論文を紹介する「論文ったー」(@ronbuntter)を作りました。「論文ったー」は現在6000人以上からフォローされており,論文の面白さが広く受け入れられるものであることを感じました。知己の若い研究者たちの中には,自分の研究をブログやSNS,動画投稿サイトやUstreamなどでオープンに発表し,コメントなどをやりとりすることも日常となってきています。そうした活動は大学の研究者に限らず,学生や企業のエンジニア,プログラマー,芸術家,小説家,サラリーマン,主婦などさまざまな立場の人が参加しています。それらの記事や動画を見ている人々はどこにでもいる普通の人々です。現在のWebでは,研究はアニメや音楽と同じような,一つのコンテンツとして自然に受け入れられています。こうした研究活動を発表している人々をもっと広く知ってもらい,また増やしていくために,2011年よりニコニコ学会βというイベントの実行委員をしています。今回は大学図書館員の立場から動画投稿サイトなどでの研究活動のオープン化を見てきた一人として,ニコニコ学会βのこれまでの活動や自分の経験などをご紹介したいと思います。
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国内発の国際的総合科学学術誌Science Postprint, SPARCから始まりSPARCに至り…
国際的総合科学学術誌Science Postprint(SPP)は,国内では珍しい学会以外の商用出版社が運営する査読付きのオープンアクセス学術誌である。「学会ができないことをやろう」をモットーとし,医学・生命科学・環境学を中心に総合科学全般の研究分野の論文発表の場として2013年10月より論文出版を行なっている。査読編集委員は2013年5月から公募を開始し,現在は約600人が登録されている。論文投稿数は2014年9月時点で110報を超え,アクセプト率は26%となっている。SPPの企画は,2012年のSPARCセミナーを聴講したときに感銘を受け,プロジェクトとしてスタートした。2013年に出版を開始,そして2014年には1周年を迎え,SPARCで発表する機会をいただき,心より御礼を申し上げる。