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『白ブリーフ通信‪』‬ 現代詩朗読ポッドキャスト BOOL

    • Böcker

僕の真っ白いブリーフを買ってくれたのは
16歳の女子高生だった
喫茶店で僕は紙袋に包んだ、
白ブリーフを渡した
彼女は袋の中を覗き込み、
僕の方を見て頷く
そして一万円5枚の入った封筒を僕に手渡した
世の中にはいろんな人がいることぐらい
28年間生きていれば大体分かったつもりでいた
しかし、 こんな物好きがいたなんて・・・
僕の白ブリーフを買ってくれる人はいませんか
とネットの呟きサービスに書き込んでみたところ
すぐに興味ありますと返信があった
それからしばらく
やり取りをしたのちこうして
直接合うことになり
売買が成立したのだ
僕のどうみても冗談でしかない
書き込みに本気で反応
してくる人物がいるなんてまさに
ネットは広大だ

僕はそんな彼女に興味を持ち、
売買成立後も
喫茶店でそのまま話こんだ
まず、彼女は、大きなつけまつげに、
濃いメーク茶髪に緩いパーマと
いわゆるギャルのような見た目であった
一言でいうと僕のタイプではないが、
世間から見れば十分可愛い
そしてそんな見た目から想像できないくらい
彼女は頭が良かった
都内の進学校に通い成績も優秀だと語る
小説はもちろん、医学、心理学、物理学など
の専門的な洋書を原文の
まま読むことが好きらしい。
そして彼女の親は経営者で、
とても過保護に育てられたことを話してくれた。
お金には全く困っていないし、
夜遊びをしてもまったく親にしかられない
学校も退屈らしい
一時期はネットの生放送に
顔を出して出演したりして
それなりの人気を得たよう
だが、男達のイヤラシい発言にウンザリして、
そういった活動はやめたらしい

彼女は大学を出た後には親の会社を継ぐことが
決まっているらしく
圧倒的な安定を手にした
彼女はどこか冷めていた
定まらない未来に対する不安は、
同時に可能性という希望も提示する。
そのことを奪われたことにたいする歪みは、
確かに生じているのだ
そして経営者の娘らしく、
圧倒的な自尊心とプライドの高さが目についた
僕はこのタイプのこの年頃の少女に対する免疫がないので、
ここまで聞いてもなぜ彼女が、
僕の白ブリーフをほしがったのか理解できなかった。
ぼくはとうとう直接的な質問をした 即ち
なぜ僕の白ブリーフが欲しかったのかを
彼女は口を開く
女子高生
「その前に、なんであなたは白ブリーフを売ろうと思ったの」

「いや、ほんの冗談のつもりで書き込んだんだよ、
面白いかなと思って」
女子高生
「それなら、わたしの理由も同じかな 
白ブリーフ買ったら面白いかなと思って」
見知らぬ男の白ブリーフを5万円で
買うということを面白いと思う心理は
アートに片足を突っ込んだことのある
僕は少しだけ理解は出来たが、
彼女のそれは、
もっとどす黒い闇が渦巻いているように思えた。

もう一歩、もう一歩踏み出す必要がある、
彼女の核心にふれるには
僕「その、君は 今彼氏とかいるのかい?」
女子高生「いるけど、4人」
そうだ、彼女には当然彼氏もそれくらいいるだろう
彼女はすべてを手に入れてる
そしてこれからも自らが、
望んだものを手にいれられる頭のよさも持っている
僕「その白ブリーフ、彼氏に見つかったら怒られないの?」
女子高生「怒る人もいるかもね 
でもその人とは、それまでかな」
 
 僕は負けた 結局彼

僕の真っ白いブリーフを買ってくれたのは
16歳の女子高生だった
喫茶店で僕は紙袋に包んだ、
白ブリーフを渡した
彼女は袋の中を覗き込み、
僕の方を見て頷く
そして一万円5枚の入った封筒を僕に手渡した
世の中にはいろんな人がいることぐらい
28年間生きていれば大体分かったつもりでいた
しかし、 こんな物好きがいたなんて・・・
僕の白ブリーフを買ってくれる人はいませんか
とネットの呟きサービスに書き込んでみたところ
すぐに興味ありますと返信があった
それからしばらく
やり取りをしたのちこうして
直接合うことになり
売買が成立したのだ
僕のどうみても冗談でしかない
書き込みに本気で反応
してくる人物がいるなんてまさに
ネットは広大だ

僕はそんな彼女に興味を持ち、
売買成立後も
喫茶店でそのまま話こんだ
まず、彼女は、大きなつけまつげに、
濃いメーク茶髪に緩いパーマと
いわゆるギャルのような見た目であった
一言でいうと僕のタイプではないが、
世間から見れば十分可愛い
そしてそんな見た目から想像できないくらい
彼女は頭が良かった
都内の進学校に通い成績も優秀だと語る
小説はもちろん、医学、心理学、物理学など
の専門的な洋書を原文の
まま読むことが好きらしい。
そして彼女の親は経営者で、
とても過保護に育てられたことを話してくれた。
お金には全く困っていないし、
夜遊びをしてもまったく親にしかられない
学校も退屈らしい
一時期はネットの生放送に
顔を出して出演したりして
それなりの人気を得たよう
だが、男達のイヤラシい発言にウンザリして、
そういった活動はやめたらしい

彼女は大学を出た後には親の会社を継ぐことが
決まっているらしく
圧倒的な安定を手にした
彼女はどこか冷めていた
定まらない未来に対する不安は、
同時に可能性という希望も提示する。
そのことを奪われたことにたいする歪みは、
確かに生じているのだ
そして経営者の娘らしく、
圧倒的な自尊心とプライドの高さが目についた
僕はこのタイプのこの年頃の少女に対する免疫がないので、
ここまで聞いてもなぜ彼女が、
僕の白ブリーフをほしがったのか理解できなかった。
ぼくはとうとう直接的な質問をした 即ち
なぜ僕の白ブリーフが欲しかったのかを
彼女は口を開く
女子高生
「その前に、なんであなたは白ブリーフを売ろうと思ったの」

「いや、ほんの冗談のつもりで書き込んだんだよ、
面白いかなと思って」
女子高生
「それなら、わたしの理由も同じかな 
白ブリーフ買ったら面白いかなと思って」
見知らぬ男の白ブリーフを5万円で
買うということを面白いと思う心理は
アートに片足を突っ込んだことのある
僕は少しだけ理解は出来たが、
彼女のそれは、
もっとどす黒い闇が渦巻いているように思えた。

もう一歩、もう一歩踏み出す必要がある、
彼女の核心にふれるには
僕「その、君は 今彼氏とかいるのかい?」
女子高生「いるけど、4人」
そうだ、彼女には当然彼氏もそれくらいいるだろう
彼女はすべてを手に入れてる
そしてこれからも自らが、
望んだものを手にいれられる頭のよさも持っている
僕「その白ブリーフ、彼氏に見つかったら怒られないの?」
女子高生「怒る人もいるかもね 
でもその人とは、それまでかな」
 
 僕は負けた 結局彼

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