漫画家ためになるラジオ マンガスクリプトDr.ごとう
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マンガってどうやって作るの?漫画制作の裏側に興味がある人へ、プロがストーリーを作る時のちょっとした工夫など、知るとより深くマンガを楽しめる「ためになる気づき」をお届けしています!
語り手・ごとう隼平(マンガスクリプトDr.)/元漫画家・東京ネームタンク代表・コルクスタジオ編集長・京都芸術大学准教授 @goto_junpei
聞き手・ヨシキ/Web編集者 @moriri_nyo
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「わかりやすい」こそ超大事! 「個性」は勝手に溢れ出るから、薄いと思うぐらいでちょうど良い説 #63
「わかりやすさ」を意識しすぎるあまり、何も個性がない漫画になってしまっているのでは…?
編集者のアドバイスを聞いて描き直しを続けるうちに、そんな気持ちに囚われてしまう漫画家もいるかもしれません。
もっと「自分らしさ」や「個人的な萌え」を強く出さないといけないのでは…? と不安を感じることもあるでしょう。
しかし、漫画家が心の内に秘めた狂気のようなものは、隠し切れるものではありません。
むしろ、消そうとしても消しきれないそれこそが、本当の「個性」であり、読者はそこに最大の魅力を感じるのではないでしょうか?
今回は、そんな「個性」と「わかりやすさ」について、GWボケを引きずったままの2人が考えていきます!
※なお、本編は37:03 からになります! そこまでは、ただただ2人がGWに見た映画やドラマについて話をしているだけのグダグダが続くのでご注意ください! -
ネームの描き直し地獄で見失う「本当に描きたかったこと」 真に大切となる“ログライン”とは #62
漫画家自身の癖(へき)が滲み出るような作品こそ、読者に「扉を開く」「何かに目覚めさせる」ような体験を与えるのではないでしょうか。
そんな元漫画家の編集長・ごとうが、作品作りにおいて大切にしたいと考えているのが「ネーム」ではなく「企画」そして「ログライン」です。
今回はコルクスタジオ編集部としての制作体制や現状&展望をしっかりと紹介しつつ、5月24日(金)19時半より開催の『マンガ家交流会』についても案内させていただきます。
250名ものマンガ家が集合&ご飯も豪華なリアル交流会イベント、ぜひお見逃しなく!
※特にこのラジオを聴いてくださってる貴方のご参加を、心よりお待ちしております! -
キャラの台詞の難しさ、何が原因? 説明しなくちゃいけない・でも説明的すぎてはダメな世界 #61
自分の漫画のキャラの台詞に対し「不自然ではないか」「説明的すぎる」などの指摘を受けたことはありませんか。
とはいえ漫画のキャラの台詞は、そもそも説明のために喋らせている場面が多く、台詞を避けて絵で表現しようとすると、かえって間伸びやテンポが悪くなってしまうケースも。
台詞が不自然さだと感じたら、説明過多になってしまっているかどうかではなく、まずは「キャラの思考の流れが、読者からみたら飛んでしまっているかもしれない」と疑ってみましょう。
文章自体がどれだけ自然でも、違和感や気持ち悪さを覚えてしまうのは、読者が感情・思考の設計についていけないせいかもしれませんよ。 -
「どうしたら相手が紹介したくなるか?」自分で宣伝を頑張るより大事なプロモーションのマインド #60
「販促もっと頑張らないと!」「SNSでどんどん宣伝しないと!」と、書き手である漫画家自身が、作品ではなくアピールのことばかり考えてしまうケースも多くなってきたのではないでしょうか。
しかし、漫画家が個人でいくら頑張ったとしても、その効果には限界があります。
それよりも、売ってくれる人・広めてくれる人に効率的にアプローチするほうが、結果として多くの読者に作品が届くようになるはず。
今回はマンガスクリプトDr.ごとうが、珍しく自身の「営業」に関するエピソードなどを振り返りながら、上手な仕掛け・売り方について考えていきます! -
キャラを深掘りするため一番最初にやるべきこと! 「自分とは何者なのか」から考える重要性 #59
漫画のキャラは、 企画段階では「まだそこに存在していない人物」であり、そんな人物の過去や深い背景などわからないのが当たり前です。
それゆえ、キャラづくりの過程では、「こういう人がいたら嬉しい」「こんな人であってほしい」という観点が必要となり、そこには作者であるあなた自身の「価値観」が深く反映されていくはずです。
だからこそ、キャラの掘り下げが浅いと思ってしまうようなときは、まず自分自身を掘ることを先にやってみましょう。
自分の中にないものをキャラに反映させるのではなく、自分の中にあるもののうちの一部を分けていくことで、きっと大事なものが見つかるはず。
今回はそんな思考の深め方について考えてきます! -
漫画を読んで感じるモヤモヤは「期待」が満たされていないから? 欲求のサンドイッチ問題 #58
漫画家にとって漫画編集者の役割とは、漫画家の作品を世に届けること、そして漫画の最初の読者として「こう伝わった」というシンプルなフィードバックをしてあげること。
作品を初めて読んだ際に覚えた違和感やモヤモヤに対し、
・「もっとこう直したい」という、自分の外の世界(作品)に変化を与えたい欲求
・「もっとちゃんと知りたい」という、自分の外の世界(作品)から手に入れたい欲求
の2つの欲求を同時に抱きながら、的確なフィードバックをおこなうことを漫画編集者は心がけています。
前者を伝えるのは簡単ですが、伝え方によっては漫画家のヤル気を削ぐだけなので、気をつけないといけません。
後者は心の中に一瞬よぎった感情を巻き戻し、読み手として何を欲しているかを漫画家にきちんと伝える必要があるため、非常にハイレベルなスキルが要求されることになります。
でもそれでいて、後者だけでは雑な仕事しかしていないと思われる危険もあるのが編集者という職業。
そんなわけで今回は、いろいろある編集者の仕事の中で、特に漫画家のためになりそうな部分に特化してお話していきます。