岡大徳のポッドキャスト

岡大徳

人を尊重して話を聞かせていただく「アクティブリスニング」エバンジェリスト『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』著者赤羽雄二氏公認|『アクションリーディング』読書会開催|仲間と一緒に成長できる「親子のクオリティタイム」「最速ロールプレイング」「A4メモ書き」などのグループ運営|株式会社miiboのmiibo Designer|一般社団法人 遠隔健康医療相談適正推進機構 正会員 【配信内容】 配信URL;https://www.daitoku0110.news 3つの内容を配信中 1. 岡大徳 アクティブリスニングなどについて配信しています。 ブログなどの内容はこちら ・https://daitoku0110.com ・https://daitoku0110.jp ・https://daitoku.site/ 2. miiboDesigner 株式会社miiboのmiiboDesignerの岡大徳がmiiboについての新しい情報や気になった情報、ノウハウなど話していきます。 miiboデザイナーとは、miiboの会話の精度があがるように設計をしていく人のことです。 ・プロフィールサイト:https://daitoku0110.net/ ・miiboガイド(初めての人はこちらから):https://daitoku0110.net/miibo/ ・miibo情報:https://daitoku0110.net/miibo-information/ ・スライド共有サービスドクセル:https://www.docswell.com/tag/miibo 3. ナレッジマネジメント 岡大徳のNotesをもとにナレッジマネジメントの一環として配信しています。 岡大徳のNotes:https://daitoku0110.wiki 【Clubhouse】 https://www.clubhouse.com/@daitoku0110 ・『アクションリーディング』行動が変わり人生が変わる読書会 https://bit.ly/38uMBJP ・親子のクオリティタイム https://bit.ly/3Rf8X6z 【Peatix】 https://peatix.com/user/1425712/ ・実践『アクションリーディング』自分を変える行動読書 https://action-reading.peatix.com/ 【Facebook】 https://ms-my.facebook.com/oka.hironori.1 グループ ・実践『アクションリーディング』自分を変える行動読書:https://www.facebook.com/groups/practiceactionreading ・実践 最速ロールプレイング:https://www.facebook.com/groups/551556716178832 ・実践『ゼロ秒思考』A4メモ書き:https://www.facebook.com/groups/notewriting 【Unstoppable Domains】 https://ud.me/daitoku0110.x 【ドクセル】 https://www.docswell.com/user/daitoku0110 www.daitoku0110.news

  1. 令和8年度診療報酬改定に向けた中長期的検討課題3選:持参薬・重症度評価・包括医療の見直しポイント

    4小时前

    令和8年度診療報酬改定に向けた中長期的検討課題3選:持参薬・重症度評価・包括医療の見直しポイント

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会では、次期診療報酬改定に向けた評価・分析を進める中で、データ解析の技術的限界や委員間の見解相違により即座に結論を出せない課題が明らかになりました。中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織である同分科会は、これらの課題について中長期的な検討が必要と判断しました。本稿では、来年度以降に実施される実態調査や厚生労働科学研究等での検討が求められる3つの重要課題の内容を説明します。 中長期的検討が必要な課題は、持参薬ルールの明確化、重症度・医療・看護必要度の在り方の整理、包括期入院医療における患者別評価の実現の3つです。持参薬ルールについては、DPC/PDPSでの公平な支払いを実現するため、医療機関間で大きなばらつきがある持参薬使用割合の統一的運用に向けた検討が必要です。重症度・医療・看護必要度については、平成20年度の導入から約20年が経過し、入院患者の高齢化や医療環境の変化に伴う指標の妥当性検証が求められています。包括期入院医療における患者別評価については、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟において、疾患・ADL・診療行為等に応じた適切な評価の実現が課題となっています。 持参薬ルールの明確化が求められる背景 持参薬ルールの明確化が必要となった背景には、DPC/PDPSにおける公平な支払いの実現という課題があります。DPCデータによると、入院中の持参薬使用割合は医療機関間で大きなばらつきが認められており、統一的な運用が行われていない実態が明らかになりました。 統一的な運用を推進するための持参薬ルールの明確化には、医療安全を確保する観点、病棟における持参薬の確認業務の負担の観点、患者が薬剤を持参する負担の観点など、多角的な検討が必要です。具体的には、当該持参薬の処方元が自院であるか他院であるかの別、予定入院と緊急入院の別、入院中の診療内容と当該持参薬の関係性の別、薬剤の特性別など、具体的な場面を想定した妥当性の検討が求められます。併せて、DPC/PDPS以外で薬剤費が包括される入院料を算定する病棟における持参薬の取扱いについても、検討を進めることが望ましいとされています。 重症度・医療・看護必要度の在り方の整理 重症度・医療・看護必要度の在り方の整理が必要となった理由は、指標導入から約20年の経過における医療環境の変化です。重症度・看護必要度は平成20年度改定で、病棟のタイムスタディ調査等の研究成果をもとに「入院患者へ提供されるべき看護の必要量」を予測する指標として導入されました。平成26年度改定では「重症度・医療・看護必要度」に名称変更され、急性期患者の医学的特性を測る目的が重視されました。平成28年度改定では医学的状況を測るC項目が加わり、平成30年度改定では病棟の看護職員の測定負担を軽減する観点から、A項目及びC項目をレセプト電算コードにより評価する「重症度・医療・看護必要度Ⅱ」が選択可能とされました。 このような経緯を踏まえると、よりよい入院医療の診療報酬評価を実現するための重症度・医療・看護必要度の在り方を検討する前提として、2つの考え方の整理が必要です。「入院患者へ提供されるべき看護の必要量を予測すること」と「急性期患者の医学的な特性を測ること」という2つの考え方をどのように勘案すべきかについて、整理する必要があります。入院患者の高齢化や、電子カルテ等のICT技術の進展、インフォームド・コンセント等患者本位の医療の普及等による病棟看護業務の変化に伴って、現在の指標が実際の病棟の看護の必要量を適切に推測できているのか、検証する必要があります。 最新の病棟のタイムスタディ調査によると、病棟看護業務の約25%を「診療・治療」が占め、約25%を「患者のケア」が占めている実態が明らかとなりました。このうち「診療・治療」の定量的評価は、診療行為のレセプト電算コードを用いて表現可能であり、A項目・C項目、医療資源投入量はレセプト電算コードを活用した評価方法となっています。「患者のケア」については、要介護度、ADL、B項目などで測定されうるが、これらの評価項目は重複があり、一定の類似性があるという分析結果となっています。特にB項目については、患者の高齢化に伴う近年の看護業務の増加を証明することに有用ではないかという意見がありますが、B項目のこうした観点での有用性の検証は、レセプトデータや診療行為情報が主体のDPCデータでは限界があることに留意する必要があります。 重症度・医療・看護必要度に関するこうした検討は、あくまで適切な診療報酬の支払いを実現する観点で行われるべきものです。しかし、測定した結果を、医療現場において入退院時の医療・介護連携の推進、病棟内の多職種連携の推進、病棟の人員マネジメントの向上等に用いることが有用である可能性もあることから、こうした観点も含め検討することが考えられます。 包括期入院医療における患者別評価の実現 包括期入院医療における患者別評価の実現が求められる理由は、患者選別による病棟機能低下の懸念です。患者ごとに医療・看護ケアの必要量に応じた適切な費用が償還されない仕組みの場合、入棟させる患者の選別を引き起こし、結果として病棟の機能の低下につながる懸念があります。 現在、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟などの主として高齢者を受け入れる機能を担う病棟には、急性期病棟のDPC/PDPSのような仕組みはありません。DPC/PDPSでは、疾患・ADL・診療行為等に応じて患者別に包括評価の支払額及び標準的な在院日数を変化させる仕組みですが、地域包括医療病棟等では基本的にすべての患者が一律の支払額及び標準的な在院日数により算定する仕組みとなっています。 こうした機能を担う病棟の、より適切な患者別の評価の実現に向けて検討を行った結果、特に地域包括医療病棟においては、緊急入院や手術の有無等による「医療資源投入量(包括範囲出来高実績点数)」に一定の違いがあることが明らかとなりました。一方で、「医療資源投入量(包括範囲出来高実績点数)」が同程度でも、高齢者のADLや要介護度は様々であり、これらに要する看護ケアの必要度は「医療資源投入量」という考え方のみでは推し量れない部分がある、という意見があることに留意する必要があります。 高齢者は、複数疾患を併存している場合が多いこと、症状が非典型的に表れやすいことから、DPC/PDPSのように「医療資源を最も投入した傷病名」を一意に定めて区分を決める支払い方式はなじみにくく、予定入院と緊急入院の別や手術実施等の客観的事実に着目した評価がよいのではないか、という意見がありました。地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟に期待される機能が連続的であることを踏まえた評価方法とすることや、高齢者の介護の必要性を反映することができる評価方法とすることも考えられます。いずれにしても、より適切な患者別の評価の実現に向けて、引き続き最新の診療データを用いた分析を行う他、別途実態調査等の実施の要否も含め、現行の評価方法の課題の明確化や妥当性の検証を行いつつ、更に検討する必要があります。 まとめ:来年度以降の検討に向けて 中長期的に検討すべき3つの課題は、いずれも入院医療の質の向上と公平な診療報酬の支払いを実現するために重要な論点です。持参薬ルールの明確化は、DPC/PDPSにおける統一的な運用を推進し、公平な支払いを実現するために不可欠です。重症度・医療・看護必要度の在り方の整理は、入院患者の高齢化や医療環境の変化に対応した適切な評価指標の確立に必要です。包括期入院医療における患者別評価の実現は、高齢者の多様な医療・看護ケアの必要量を適切に反映し、病棟機能の低下を防ぐために求められます。これらの課題について、来年度以降に実施される入院・外来医療等における実態調査や厚生労働科学研究等により、更に検討が進められることが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    8 分钟
  2. 診療報酬における業務簡素化の最新動向【2026年度改定に向けた検討内容】

    1天前

    診療報酬における業務簡素化の最新動向【2026年度改定に向けた検討内容】

    医療現場では、計画書作成や署名・押印といった診療報酬上の書類業務が大きな負担となっています。入院・外来医療等の調査・評価分科会の実態調査では、施設の44.2%が計画書作成の簡素化を求めており、病棟では61.8%がこの業務負担を感じています。規制改革推進に関する答申でも、医療機関の負担軽減の観点から署名・押印の不要化検討が求められる状況です。こうした現状を踏まえ、診療報酬上の書類や手続きを見直し、医療現場の業務効率化を図ることが急務となっています。 業務簡素化に向けた具体的な対策が、令和7年度の検討で明らかになりました。計画書作成と署名・押印の簡素化が最優先課題として位置づけられています。リハビリテーション計画書の様式統合やDPCデータ入力の見直しも検討されています。電子署名やIT機器を活用した効率化の推進も、導入費用への配慮とともに議論されています。 医療現場が求める簡素化の実態 実態調査が示す簡素化ニーズは、施設全体と病棟で異なる特徴を持ちます。 施設全体の調査では、「計画書作成」を簡素化すべきとする回答が44.2%で最多でした。入院診療計画書、退院支援計画書、リハビリテーション総合実施計画書などの作成業務が、医療機関全体の負担となっています。次いで「DPCデータ(様式1)の作成」が38.2%を占めており、データ入力の負荷が課題です。 病棟における簡素化ニーズは、より明確な傾向を示しています。「計画書作成」の簡素化を求める声が61.8%に達しました。病棟は患者と直接向き合う現場であり、計画書作成の実務負担が特に大きいことがわかります。「患者や家族等による署名・記名押印」の簡素化を求める回答も45.1%に上りました。入院時には患者が何度も署名を求められる実態があり、形式的な署名手続きが患者・医療者双方の負担となっています。 署名・押印見直しの背景と方向性 署名・押印の見直しは、規制改革の文脈で推進されています。 規制改革推進に関する答申では、医療機関等又は医師等の負担軽減の観点から具体的な要請がありました。診療報酬上の書面について、署名又は記名・押印を不要とすることの可否を検討すべきとされています。この答申を受けて、中央社会保険医療協議会の入院・外来医療等の調査・評価分科会で議論が進められました。 現在の様式では、医師・患者双方の署名が必要なものが多数存在します。入院診療計画書、リハビリテーション実施計画書、目標設定等支援・管理シート、職場復帰の可否等についての主治医意見書、短期滞在手術等同意書では、医師と患者・家族の双方の署名が求められています。医師のみの署名が必要なものとして、診療情報提供書、訪問看護指示書、介護職員等喀痰吸引等指示書があります。患者・家族のみの署名が必要なものには、緩和ケア実施計画書、生活習慣病療養計画書、認知症療養計画書、地域包括診療加算に関する同意書などがあります。 分科会での議論では、署名の必要性を慎重に検討する姿勢が示されました。入院すると患者は何度も署名を求められますが、形式的なものも多いため、患者負担軽減の観点から検討すべきとの意見がありました。ただし、訪問看護指示書のような医師の署名は入院診療計画書等とは性質が異なるため、各様式の趣旨を考慮しながら簡素化を検討する必要があるとの指摘もありました。 具体的な簡素化の対象と課題 簡素化の対象として、3つの重点項目が浮かび上がっています。 入院診療計画書は、入院後7日以内に患者に説明を行う文書です。病名、症状、治療計画、検査内容及び日程、手術内容及び日程、推定される入院期間等を記載する必要があります。入院診療計画書等の様式には署名欄が設けられており、主治医や患者又はその家族等の署名が必要です。また、入院支援計画書は全ての入院患者に作成し、説明に用いた文書は患者に交付するとともに、その写しを診療録に添付する必要があります。 リハビリテーション計画書は、様式の複雑さが課題となっています。リハビリテーションに関する計画書の様式は複数存在し、重複する項目が多いのが実態です。いずれの様式においても署名欄が設けられており、説明者や患者又はその家族等の署名が必要となっています。分科会では、リハ計画書の説明は重要であるものの、適時に医師が患者や家族に説明するのは難しい場合も多いとの意見がありました。医師の指示を受けた療法士等が説明して同意を得る仕組みも必要ではないかとの提案もなされています。 DPCデータの様式1は、入力負荷が特に大きい項目が存在します。DPCデータ等の様式1において入力を求めているデータのうち、主として診療報酬改定のために必要な情報には課題があります。入院全期間の評価が必要な項目や検査値等、入力の負荷が特に大きいと考えられるものが一定数存在しています。 今後の改善に向けた論点 業務簡素化の推進には、複数の視点からの検討が必要です。 分科会では、業務の簡素化を積極的に進めるべきとの基本方針が示されました。患者負担軽減の観点からも、形式的な署名の必要性は見直すべきとの認識が共有されています。 電子化・IT活用の推進は、効率化の重要な手段として位置づけられています。電子署名やIT機器を活用した業務の簡素化は重要ですが、導入費用がかかることも認識して検討する必要があるとの意見がありました。医療機関の規模や経営状況に応じた、実現可能な方策を検討することが求められます。 各様式の趣旨を考慮した段階的な見直しが、現実的なアプローチとなります。訪問看護指示書の医師の署名は入院診療計画書等とは性質が異なるため、各様式の趣旨を考慮しながら簡素化を検討する必要があるとの指摘は重要です。医療安全や患者の権利保護といった本来の目的を損なわない範囲で、実務負担を軽減する方策を探ることが求められています。 まとめ 診療報酬における業務簡素化は、医療現場の切実な要望を受けて具体的な検討段階に入りました。計画書作成と署名・押印の簡素化を最優先に、リハ計画書の様式統合やDPCデータ入力の見直しが進められています。電子署名やIT活用による効率化も、導入費用への配慮とともに推進されます。各様式の趣旨を踏まえた段階的な改善により、医療従事者と患者双方の負担軽減が期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    7 分钟
  3. 小児・周産期医療の転換点:MFICU届出減少と移行期医療の課題を分析【令和7年度分科会報告】

    2天前

    小児・周産期医療の転換点:MFICU届出減少と移行期医療の課題を分析【令和7年度分科会報告】

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会は、小児・周産期医療における重要な課題を明らかにしました。分科会は、出生数の減少が続く中で小児の受療率が増加している現状を報告しました。同時に、周産期医療体制では母体・胎児集中治療室管理料の届出施設数が令和6年に減少に転じたことを指摘しました。さらに、医療の進歩により長期経過をたどる小児患者が増加し、成人医療への移行を支える体制整備の必要性を強調しました。 分科会の分析により、小児・周産期医療では3つの重要課題が浮かび上がりました。第1に、周産期医療体制では母体・胎児集中治療室管理料の届出施設が減少しており、医師の配置要件を満たせないことが主な要因となっています。第2に、母体搬送受入件数や多胎妊娠分娩件数には地域差があり、一部の地域では実績が少ない施設が存在します。第3に、小児慢性特定疾病に該当するが指定難病に含まれない疾患では、成人医療への移行時に診療報酬上の評価がなく、適切な紹介先が見つからないケースがあります。 小児受療の増加と周産期医療を取り巻く環境変化 小児の受療動向は、成人と対照的な様相を示しています。15歳以上の受療率が横ばいから減少傾向である一方、0-14歳の受療率はやや増加傾向にあります。分科会は、医療の進歩により長期経過をたどる小児患者が増加していることを指摘しています。 周産期医療を取り巻く環境は、大きく変化しています。出生数は減少しており、分娩を取り扱う医療機関も減少しています。この減少傾向により、周産期医療体制の維持が課題となっています。さらに、妊婦の高齢化に伴い、合併症の頻度が増加しています。 母体・胎児集中治療室管理料の届出減少と医師配置要件の課題 母体・胎児集中治療室管理料の届出状況は、近年横ばいから減少に転じました。届出治療室数・病床数は近年横ばいで推移していましたが、令和6年に減少しました。この減少は、周産期医療体制の維持における課題を示す重要な変化です。 届出変更の背景には、医師の配置要件の課題があります。全国周産期医療(MFICU)連絡協議会のアンケート調査によると、令和6年度改定以降に届出変更を行った医療機関では、「医師の配置要件を満たせない」ことが主な理由となっています。この要件により、周産期医療を提供する意欲がある医療機関でも、人員体制の維持が困難になっています。 母体・胎児集中治療室管理料の届出施設における実績には、地域差が見られます。母体搬送受入件数が0件の施設は関東信越に所在しており、1-9件の施設はそれぞれ関東信越、東海北陸、近畿に1施設ずつ所在していました。多胎妊娠分娩件数が0件の施設は関東信越に所在しており、1-9件の施設はそれぞれ北海道、東北、九州に1施設ずつ所在していました。帝王切開実施件数が49件以下である施設はなく、50-99件である施設は北海道、東海北陸、近畿に1施設ずつ所在していました。分娩時週数33週以下の分娩件数が0件である施設はなく、1-9件である施設は北海道、東海北陸に1施設ずつ、近畿に2施設所在していました。これらの地域差は、周産期医療体制における地域の実情を反映しています。 移行期医療における診療報酬評価のギャップと受入体制の課題 成人医療への移行時における診療報酬評価には、重要なギャップが存在します。小児科を標榜する医療機関において、小児慢性特定疾病等の患者に対して必要な生活指導を継続して行った場合には小児科療養指導料を算定します。一方、指定難病等の患者に対して計画的な医学管理等を実施した場合は難病外来指導管理料を算定します。小児慢性特定疾病の指定疾病数と比較して、指定難病の指定疾病数は少ないため、小児科療養指導料の算定対象となる患者と比較して、難病外来指導管理料の算定対象となる患者は少なくなっています。 移行期医療における診療報酬上の課題は、具体的な形で現れています。小児科医療機関において小児科療養指導料を算定していた患者が、成人移行期となり小児科以外の医療機関に紹介された場合、その患者が難病外来指導管理料の算定対象でない限り、紹介先医療機関においては同様の管理料を算定することができません。この評価のギャップにより、受入医療機関における診療報酬上の評価がない状態が生じています。 小児科以外の医療機関における受入状況は、課題の深刻さを示しています。小児科以外の医療機関における、定期的に小児科に受診していた患者を紹介により受け入れた人数及び小児慢性特定疾病に罹患している患者数は、いずれの区分においても、その人数は少数でした。この少なさは、分科会が指摘する移行が困難となるケースの存在を裏付けています。 分科会では、移行期医療の体制整備の必要性が強調されました。医療の進歩により長期経過をたどる小児患者が増加しており、成人医療への円滑な移行を支える移行期医療の体制整備が求められています。特に、小児慢性特定疾病に該当するが指定難病に含まれない疾患については、適切な紹介先が見つからず、移行が困難となるケースがあるとの意見が出されました。成人移行期に相当する小児について、小児慢性特定疾病に該当するが、指定難病には含まれていない疾患については、受入医療機関における診療報酬上の評価がない等の課題があるとの意見も示されました。 まとめ 分科会の分析により、小児・周産期医療では周産期医療体制の維持と移行期医療の体制整備が急務であることが明らかになりました。母体・胎児集中治療室管理料の届出施設減少への対応、地域差の解消、移行期医療における診療報酬評価のギャップ解消が、今後の診療報酬改定における重要な検討課題となります。医療の進歩により長期経過をたどる小児患者の増加に対応し、成人医療への円滑な移行を支える制度設計が求められています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    7 分钟
  4. 災害時の医療提供体制を守る3つの課題と解決策|入院・外来医療等調査分科会

    3天前

    災害時の医療提供体制を守る3つの課題と解決策|入院・外来医療等調査分科会

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会で災害医療についての検討が行われました。この検討では、令和6年能登半島地震での医療支援における課題が明らかになりました。具体的には、派遣時の情報収集や交通手段確保の困難さ、労務管理の複雑さ、施設基準維持の問題が指摘されています。加えて、診療所における事業継続計画(BCP)の策定率が約30%にとどまっている現状も明らかになりました。分科会では、災害時の施設基準の取扱いを事前に明確化すべきとの意見や、BCPの義務化を含めた検討が必要との提言がなされています。 この検討結果から、災害時の医療提供体制を維持するための制度改善の方向性が見えてきました。本記事では、災害派遣における実態と課題、施設基準の柔軟運用の必要性、BCPの策定推進という3つの重要なポイントを詳しく解説します。さらに、医療機関における具体的な対応状況と、今後求められる制度整備についてお伝えします。医療機関の経営者や管理者の方々にとって、災害対応力を高めるための重要な情報となるでしょう。 災害派遣の現状と課題 災害派遣医療チームの設置状況は医療機関の種別によって大きく異なっています。分科会の調査によると、特定機能病院で90.7%と最も高い設置率を示し、次いで急性期一般入院料1算定病院で59.1%となっています。この設置率の差は、医療機関の規模や機能、人員体制の違いを反映したものです。 令和6年能登半島地震支援では、実際のスタッフ派遣において多くの課題が浮き彫りになりました。派遣を検討した医療機関が困難と感じた事項は、「現地の状況把握と情報収集」「派遣にあたっての交通手段の確保」「派遣中の労務管理」「派遣中に自施設のスタッフ配置基準が満たせなくなること」などでした。これらの課題は、急性期一般入院料1算定病院では、施設基準の維持が16.4%、情報収集が31.3%、交通手段確保が46.4%、労務管理が50.4%の医療機関で困難であったと報告されており、迅速な災害対応を困難にする要因となっています。 派遣された職種については、看護師、医師、事務職員、薬剤師が多くを占めました。これらの職種は医療提供の中核を担う人材であり、派遣による自施設への影響も大きいものです。新型コロナウイルス感染症対応での他施設への派遣においても、同様の課題が報告されており、災害時だけでなく感染症対応においても共通の構造的な問題が存在することが明らかになっています。 施設基準の柔軟運用の必要性 大規模災害発生時には、被災者の受け入れや被災地への職員派遣により、入院基本料等の施設基準を満たすことができなくなる場合があります。この事態に対して、厚生労働省は適宜、事務連絡を発出して対応しています。しかし、この事務連絡は発災から数日後に発出されることが多く、迅速な災害対応の妨げになる可能性が指摘されました。 分科会では、施設基準の緩和内容を事前に明確にしておくべきとの意見が出されました。この意見は、被災地支援には迅速かつ継続的な対応が求められるという認識に基づいています。災害の規模などの一定の要件を定めた上で、災害発生時に一時的に施設基準を満たせなくなる場合の対応について、事前に整理・提示しておくことが重要であるとの提言がなされています。 現行制度では、新型コロナウイルス感染症の影響により夜勤時間数や看護要員数に一時的な変動があった場合、最初の月から3か月以内に限り、施設基準の届出区分の変更を不要としています。この特例措置の考え方を、災害時にも適用できるよう制度化することが求められているのです。 事業継続計画(BCP)の策定推進 診療所における災害に備えた事業継続計画(BCP)の策定状況は、「策定している」と回答した割合が約30%にとどまっています。この低い策定率は、医療提供体制の継続性確保の観点から大きな課題です。災害拠点病院以外の医療機関においても、BCPの作成に努めることとされていますが、実際の策定は十分に進んでいない状況が明らかになりました。 BCPは、平常時の組織内の対応能力では応急対応できない事態を想定して、診療の継続や復旧を目指して行うための対応策です。医療機関のBCPは、震災などの災害によって損なわれる病院機能を、実行可能な事前準備と発災後のタイムラインに乗せた行動計画の遂行により維持・回復するとともに、発災によって生じた新たな医療ニーズにも対応するための計画とされています。 分科会では、診療所においてもBCPの策定を推進すべきであり、義務化を含めた対応が検討されるべきとの意見が出されました。この提言は、地域医療を支える診療所の災害対応力を高め、医療提供体制全体の強靭性を向上させることを目指しています。今後、BCPの策定を支援する施策や、策定を促進するインセンティブの設計が重要な政策課題となるでしょう。 まとめ 災害時の医療提供体制を維持するためには、3つの重要な取組が必要です。第一に、災害派遣における情報収集、交通手段確保、労務管理、施設基準維持などの課題を解決する具体的な仕組みづくりです。第二に、施設基準の柔軟運用を事前に明確化し、迅速な災害対応を可能にする制度整備です。第三に、診療所を含むすべての医療機関におけるBCPの策定を推進し、義務化も視野に入れた政策展開です。これらの取組により、医療機関の災害対応力が強化され、国民の生命と健康を守る医療提供体制の強靭性が向上することが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    7 分钟
  5. 透析医療の質向上へ:患者QOL重視した制度見直しの方向性

    4天前

    透析医療の質向上へ:患者QOL重視した制度見直しの方向性

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、透析医療に関する検討結果がとりまとめられました。慢性維持透析患者数は約34万人で2022年から減少傾向にあり、透析患者全体の高齢化が進んでいます。この患者動向の変化に対応し、災害対策の強化、シャントトラブルへの連携促進、腹膜透析の推進、情報提供の充実、緩和ケアの実施といった医療提供体制の課題が明らかになりました。分科会では、患者のQOLを考慮した質の高い透析医療を推進する観点から、人工腎臓の評価方法を見直すべきという意見が示されています。 分科会での検討により、透析医療における5つの重要課題が浮き彫りになりました。第一に、透析患者数は減少傾向にありながら新規導入患者の平均年齢は71.6歳と高齢化が進み、日本では諸外国に比べて血液透析患者の割合が高い状況が続いています。第二に、災害対策の取組状況にばらつきがあり、災害時情報ネットワークへの登録や自治体等との連携体制を確保している医療機関は76.1%にとどまっています。第三に、シャント閉塞等への対応として事前に連携していない医療機関に紹介している医療機関が5.9%存在し、患者への不利益が懸念されます。第四に、腹膜透析の導入や診療を実施している医療機関は19.5%にとどまり、全ての患者に腎代替療法の3つの選択肢を提示している医療機関は51.2%です。第五に、緩和ケアを実施している医療機関は17.6%にとどまり、患者の意思決定支援も十分とはいえない状況です。 透析患者の動向と治療選択の現状 慢性維持透析患者数は343,508人で、2021年まで緩徐に増加していましたが2022年から減少傾向に転じています。この患者数減少の背景には、新規導入患者数が年間約3.9万人で推移する一方、高齢化の進展により透析中止や死亡が増加していることがあります。新規導入患者の平均年齢は71.6歳、慢性透析患者全体の平均年齢は70.1歳となっており、透析患者の高齢化が顕著です。 この高齢化は治療選択にも影響を及ぼしています。腹膜透析患者数は10,585人で2021年より増加傾向ですが、新規導入患者数は2,350人で2019年のピーク(2,657人)から減少しています。腹膜透析は在宅で実施できる利点がありますが、導入には患者本人や家族の協力が必要なため、高齢化により導入が難しくなっている可能性があります。 日本の透析医療は諸外国と比較して特徴的な状況にあります。腎代替療法のうち血液透析患者の割合が諸外国に比べて高く、腹膜透析や腎移植の割合が低い状況が続いています。この状況は医療提供体制の課題とも関連しており、患者の治療選択肢を広げる取組が求められています。 医療提供体制における3つの課題 血液透析の提供体制には3つの重要な課題があります。第一に災害対策、第二にシャントトラブルへの対応、第三に腹膜透析の導入です。 災害対策については、国や地方自治体と日本透析医会が連携して取組を進めています。しかし各医療機関の災害対策の取組状況にはばらつきがみられ、災害時情報ネットワークへの登録や自治体等との連携体制を確保していると回答した医療機関は76.1%にとどまっています。透析患者は定期的な透析治療を必要とするため、災害時でも治療を継続できる体制整備が不可欠です。 シャントトラブルへの対応には連携体制の課題があります。シャント閉塞等は発生頻度が高く、透析患者の入院理由としても最も多い疾患です。自院で治療している医療機関が23.4%、事前に連携している医療機関に紹介している医療機関が70.2%である一方、事前に連携していない医療機関に紹介している医療機関が5.9%存在します。事前連携がない場合、患者は迅速な治療を受けられず大きな不利益を被る可能性があります。 腹膜透析の導入には大きな課題があります。血液透析を実施する医療機関のうち、腹膜透析の導入や診療を実施している医療機関は19.5%にとどまり、77.1%の医療機関は腹膜透析を自院で実施していません。実施していない理由として、対象となる患者がいないが59.5%と最も多く、次いで対応できる器具設備を備えていないためが38.6%でした。また、緊急時や入院時のバックアップ体制に不安があるという意見もあり、医療機関間の連携体制整備が必要です。 患者支援の充実に向けて 患者への情報提供と意思決定支援には改善の余地があります。全ての患者に対し、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの選択肢を提示している医療機関は51.2%にとどまり、情報提供の取組をしていない医療機関が35.6%存在します。患者が自身の状況に応じた最適な治療法を選択するには、十分な情報提供が不可欠です。 通院困難な患者への対応も課題です。対応方法として、透析医療を提供する療養病床への案内が77.1%、介護施設への案内が63.9%である一方、腹膜透析の導入を含めた在宅医療への案内は5.4%にとどまっています。腹膜透析は通院負担を軽減できる治療法ですが、十分に活用されていない状況です。 緩和ケアの実施も十分とはいえません。医療用麻薬を用いた疼痛緩和を実施している医療機関は32.2%、緩和ケアを実施している医療機関は17.6%にとどまっています。透析患者の高齢化が進む中、終末期や透析医療中止に関する意思決定支援を含めた緩和ケアの充実が求められます。 評価方法の見直しと今後の方向性 分科会では、患者のQOLを考慮した質の高い透析医療を推進する観点から、人工腎臓の評価方法を見直すべきという意見が示されました。慢性維持透析を行った場合2及び3の算定回数は減少傾向で、人工腎臓全体の2.1%であることから、透析用監視装置の台数や透析用監視装置一台当たりの患者数による評価方法の見直しが検討されています。 シャントトラブルへの対応では、治療施設と事前に連携していないと患者への不利益が大きいことから、事前に連携することを促す評価方法の検討が提案されました。この評価により、医療機関間の連携体制が強化され、患者が迅速に適切な治療を受けられる環境整備が期待されます。 腹膜透析を増やしていくためには、導入期だけでなく血液透析からの切り換えも促していくことが考えられます。腹膜透析は在宅で実施でき、通院負担を軽減できる利点があります。医療機関が腹膜透析を導入しやすい環境を整備し、患者に十分な情報提供を行うことで、患者の治療選択肢を広げることができます。 通院困難な患者への対応として、療養病床や介護施設を案内すると回答した割合が高い一方、地域によってはこのような対応が難しい地域もあります。分科会では、医療機関へのアクセス確保の対応も検討すべきという意見が示されており、地域の実情に応じた対応が求められています。 まとめ 透析医療は患者数減少と高齢化という転換期を迎えており、質の高い医療提供体制の確立が急務です。分科会では、災害対策の強化、シャントトラブルへの連携促進、腹膜透析の推進、情報提供の充実、緩和ケアの実施という5つの課題が明らかになりました。患者のQOLを考慮した質の高い透析医療を推進するため、人工腎臓の評価方法を見直し、医療機関の取組を促す仕組みづくりが進められる見込みです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    8 分钟
  6. データ提出加算の外来拡大と医療の質評価|入力負担軽減への課題と展望

    5天前

    データ提出加算の外来拡大と医療の質評価|入力負担軽減への課題と展望

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、データ提出加算と退院患者調査に関する検討結果が示されました。この検討は、令和4年度診療報酬改定で外来・在宅・リハビリテーション医療に拡大されたデータ提出加算について、医療機関における運用実態と課題を明らかにすることを目的としています。現状では、外来データ提出加算を算定していない理由として、病院・診療所ともに「入力のための人員が確保できない」が最も多く挙げられています。特に外来様式1で求められる検査値等の入力については、負担が大きいという指摘があります。この文章では、データ提出加算の制度拡充の経緯から外来データ提出の課題、そしてデータ活用による医療の質評価の可能性まで、分科会での検討内容を詳しく解説します。 分科会の検討により、データ提出加算制度の拡充経緯と現状の課題が明らかになりました。外来データ提出では人員確保が最大の障壁となっており、病院・診療所の双方で深刻な問題として認識されています。一方、収集されたデータを活用した外来医療の質評価では、糖尿病や脂質異常症の検査実施割合に医療機関ごとのばらつきが確認されました。分科会では、調査項目の見直しによる医療機関負担の軽減とともに、収集されたデータの活用範囲拡大について、施設基準届出における負担軽減や医療機関のベンチマーク、医療の質評価への活用を含めて検討すべきとの意見が示されました。 データ提出加算制度の拡充経緯と評価の仕組み データ提出加算は、診療データに基づく適切な評価を推進するために設けられた制度です。この加算は、入院医療について診療等のデータを継続的に厚生労働省に提出している医療機関を評価するものとして始まりました。制度開始当初は入院医療のみが対象でしたが、収集するデータの内容は段階的に拡充されてきました。 この拡充は、MDC(主要診断群)ごとの診断群分類見直し技術班での検討や、データ提出加算を要件とする入院料の範囲拡大に伴って進められました。診療報酬上の評価は、一部について医療機関で集計された診療実績データを基に行われていますが、DPCデータ等による評価が可能なものも存在することが指摘されています。令和4年度診療報酬改定では、データに基づく適切な評価をさらに推進する観点から、対象範囲が大きく拡大されました。 この改定により、外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療についても、診療等のデータを継続的に厚生労働省に提出している場合の評価が新設されました。外来様式1では、検査値等を含む多様な項目の入力が求められるようになり、医療機関における業務負担の増加が懸念されています。この制度拡充により、入院から外来まで切れ目のないデータ収集が可能となった一方で、医療機関の運用体制整備が新たな課題として浮上しました。 外来データ提出の現状と医療機関が直面する課題 外来データ提出加算の運用実態を調査したところ、医療機関が直面する課題が明確になりました。外来データ提出加算を算定していない理由を尋ねた調査では、病院・診療所ともに「入力のための人員が確保できない」が最も多い回答でした。すでに算定している医療機関においても、同様に人員確保の困難さを感じているケースが多く見られました。 この人員確保の問題は、外来様式1で求められる入力項目の多様性と関連しています。外来様式1では、診療行為や処方内容に加えて、検査値等の詳細なデータ入力が必要とされています。検査値等の入力については、特に負担が大きいとの指摘が分科会でありました。医療機関では日常診療業務に加えて、これらのデータ入力業務を担当する専任スタッフの配置が求められますが、人材確保や人件費の面で制約があります。 この状況に対して、分科会では調査項目の見直しを求める意見が出されました。データ入力が医療機関の負担となっている現状を踏まえ、真に必要な項目に絞り込むことで、医療機関の参加を促進できる可能性があります。ただし、データの質と量のバランスをどのように取るかは、今後の検討課題として残されています。 データ活用による外来医療の質評価の可能性 収集された外来データを活用した医療の質評価について、具体的な分析結果が示されました。厚労科研「DPC制度の適切な運用及びDPCデータの活用に資する研究」研究班から提出された資料を基に、外来データによる集計が行われました。この分析では、外来医療の質を評価する指標として、「外来で糖尿病の治療管理をしている症例に対し、HbA1C検査を実施している割合」と「外来で脂質異常症の投薬治療管理をしている症例に対し、脂質異常症に関する検査を実施している割合」が用いられました。 この分析の結果、これらの指標について医療機関ごとに大きなばらつきがあることが明らかになりました。糖尿病や脂質異常症は、定期的な検査による適切な管理が重要な疾患です。検査実施割合のばらつきは、医療機関によって診療の質に差がある可能性を示唆しています。このようなデータを可視化することで、各医療機関が自施設の診療状況を客観的に把握し、改善につなげることができます。 この分析結果を受けて、分科会では外来データ提出加算の重要性を再確認する意見が出されました。医療の標準化において外来データは重要な役割を果たすため、積極的にデータを収集すべきとの指摘がありました。収集されたデータについては、医療機関のベンチマークや、データを用いた医療の質評価への活用も含めて検討すべきとの意見も示されました。 分科会で示された今後の方向性と期待される展開 分科会での議論を通じて、データ提出加算制度の今後の方向性が示されました。医療機関の負担軽減と、データ活用の推進という二つの課題について、バランスの取れた対応が求められています。調査項目の見直しについては、特に外来データ提出加算における検査値等の入力負担を軽減する方向での検討が必要との認識が共有されました。 データ活用の観点からは、提出されたデータを施設基準の届出等における医療機関の負担軽減に活用する可能性が指摘されました。現在、施設基準の届出では、医療機関が独自にデータを集計して提出する必要がありますが、データ提出加算で収集されたデータを活用できれば、この作業負担を大幅に削減できます。このような活用方法は、医療機関にとってデータ提出のメリットを実感しやすくする効果も期待できます。 医療の標準化とベンチマーク評価についても、積極的な意見が出されました。外来データ提出加算は、医療の標準化において重要な役割を果たすため、より多くの医療機関からデータを収集することが望ましいとの指摘がありました。収集されたデータを用いて、医療機関が自施設の診療状況を他施設と比較できるベンチマーク機能や、医療の質を客観的に評価する仕組みの構築についても、今後検討を進めるべきとの方向性が示されました。 まとめ データ提出加算制度は、入院医療から外来・在宅・リハビリテーション医療へと対象範囲を拡大し、診療データに基づく適切な評価を推進してきました。外来データ提出では、人員確保の困難さと検査値入力の負担が課題として明確になりましたが、収集されたデータを活用した医療の質評価では、医療機関ごとのばらつきが可視化され、標準化への貢献が期待されています。今後は、調査項目の見直しによる医療機関負担の軽減と、施設基準届出への活用やベンチマーク評価など、データ活用範囲の拡大を両立させる方向での検討が進められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    6 分钟
  7. 外科医不足が深刻化、消化器外科は10年で15%減少―中医協分科会が示す集約化とインセンティブの方向性

    6天前

    外科医不足が深刻化、消化器外科は10年で15%減少―中医協分科会が示す集約化とインセンティブの方向性

    令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、診療科偏在対策が議論されました。外科医、特に若手の消化器外科医の減少が深刻化しており、過去10年間で若手消化器外科医は15%減少しています。この問題に対し、分科会では手術の集約化による安全性向上と勤務環境改善、外科医への実効性あるインセンティブ措置の強化が必要との方向性が示されました。 分科会では、外科医の約半数が1-2名の小規模施設に分散している現状が明らかになりました。高度な手術の集約化により手術成績が向上し、勤務環境が改善された山口大学医学部附属病院の事例が示されました。分科会の委員からは、小規模施設から大規模施設への紹介・連携を評価する仕組みの構築、若手外科医の処遇改善、女性医師のキャリア形成支援の必要性が指摘されました。今後の診療報酬改定では、自発的な偏在是正を促すインセンティブの強化が検討される見込みです。 外科医の減少と偏在が医療提供体制を脅かしている 外科医、特に消化器外科医の減少が深刻化しています。外科の医師数の推移を見ると、一般外科・消化器外科以外の診療科では増加傾向にある一方で、一般外科・消化器外科は一貫して減少しています。 若手医師の状況はさらに深刻です。40歳未満の若手医師全体では2012年と比較し8%増加している一方で、若手外科医は7%減少、若手消化器外科医に至っては15%減少しています。日本消化器外科学会は、現在約1.9万人いる消化器外科医が2040年には40%減少すると予測しており、医療提供体制の維持が困難になる可能性があります。 この減少の背景には、長時間労働の問題があります。時間外・休日労働時間が年1,860時間換算を超える医師の割合が高い診療科は、脳神経外科が9.9%、外科が7.1%、形成外科が6.8%、産婦人科が5.9%、救急科が5.1%でした。外科系診療科は専門性の維持や修得に時間がかかり、負担感も大きいことから、若手医師が処遇に見合わないと感じる要因になっています。 外科医の偏在も深刻な課題です。外科医が1名以上いる病院と医育機関3,246施設において、所属外科医師数が1-2名となる医療機関は全体の48.7%(1,581施設)を占めています。消化器外科医師数が6名以上の医療機関は21.6%(700施設)、10名以上と集約化されている医療機関は9.1%(294施設)にとどまっています。所属外科医師数が1-2名の医療機関の多くは、年間の手術件数が100件未満であり、3-5名の医療機関でも半数以上は年間手術件数が500件に満たない状況です。 手術の集約化により安全性と勤務環境が改善した山口大学の事例 高度な手術の集約化により、手術成績の向上と勤務環境の改善が実現できることが示されています。山口大学医学部附属病院消化器外科では、各連携病院と協議・連携することで、消化器外科症例の集約化と均てん化に向けた体制を徐々に構築しました。 この取組では、病院の機能に応じてType1からType3に分類しました。Type1病院は常勤消化器外科医師数が1-2名の病院で、がん治療のサポートとしての手術や虫垂炎、痔、ヘルニア、胆石などの手術は実施しますが、がん手術は実施せずに附属病院に紹介し、術後化学療法とフォローアップを大学病院から引き受けます。Type2病院は常勤消化器外科医師数が3-5名の病院で、胃がん、大腸がんの手術は実施しますが、難度の高い食道、肝胆膵の手術は附属病院に紹介します。Type3病院は常勤消化器外科医師数が6名以上の病院で、従前どおり独自にがん治療を実施します。 この集約化により、複数の成果が得られました。がんの症例数が少なかった病院が全てのがん症例を拠点的な病院に紹介することで、これまで手術で対応できなかった症例も拠点的な病院での高度な手術で対応することができるようになりました。化学療法も大学病院に通うことなく近隣の病院で実施できるようになり、がん手術を全て拠点的な病院に集約し、より多くの化学療法やフォローアップを実施することで、病院経営も改善しました。 消化器外科領域の高度な手術について、全国の多くの病院は年間50件未満である一方、大学病院本院の多くが200件/年以上実施しています。入院における臓器別手術件数の推移を見ると、食道・腹部の手術件数が最多であり、2020年に減少したものの、2015年以降増加傾向にあります。 分科会が示した偏在是正の方向性は集約化とインセンティブ強化 分科会では、診療科偏在対策について多角的な議論が行われ、今後の方向性が示されました。委員からは、高難度手術における集約化の必要性について、一定程度の手術の集約化により安全性が担保されることが指摘された一方で、小規模な手術とのバランスのとれた集約化の在り方が必要との意見がありました。 外科医が少人数で勤務する施設から大規模施設への紹介・連携についてはインセンティブがなく、そのような取組を評価する仕組みが必要との意見がありました。外科領域の集約化や偏在是正については、急性期医療機関機能の整理の中で位置付けて議論すべきとの意見もありました。 医師偏在の是正については、ペナルティとインセンティブの両方の考え方がありますが、自発的な偏在是正にはインセンティブの強化が有効との意見がありました。休日加算等の評価はあるものの、施設要件により届出医療機関や診療科が限られており、より実効性のあるインセンティブ措置が必要との意見がありました。 実際に、大学病院を含む一部の病院では、全国的に減少している消化器外科医など外科医の診療体制を維持するため、外科医等への処遇改善を実施しています。広島大学病院では、若手外科医を対象に「未来の外科医療支援手当」として月額10万円、年額120万円を増額する待遇改善を実施しました。津山中央病院では、時間外緊急手術や呼び出し等に対してインセンティブを付与する取組を実施しています。 消化器外科でも若手医師では女性比率があがっており、出産・育児に関する問題があるため、女性医師のキャリア形成や柔軟な働き方の保証も偏在是正の視点で必要との意見がありました。また、高度な手術をほとんど実施していない病院があり、こういった手術は集約化する必要があるため、山口大学病院の例も参考にしながら、役割分担と集約化を進めてはどうかとの意見がありました。 手術の休日・時間外・深夜加算1における「緊急呼び出し当番の翌日が休日」要件については、慎重な検討が必要との意見がありました。手術の休日・時間外・深夜加算1においてチーム制を採用している場合、診療があった緊急呼び出し当番の翌日は休日対応となりますが、緊急呼び出し当番における診療の有無は予見することができないため、通常、緊急呼び出し当番の翌日は休日として扱われることになると考えられます。この要件を満たさなくて良いということにすると連日勤務になり、加算の趣旨である働き方改革にならないことが懸念されるため、算定要件の取扱いと加算の評価については慎重に判断する必要があるとの意見がありました。 まとめ 外科医、特に消化器外科医の減少は深刻化しており、若手消化器外科医は過去10年間で15%減少しています。外科医の約半数が1-2名の小規模施設に分散している一方で、高度な手術の集約化により手術成績が向上し、勤務環境が改善された山口大学医学部附属病院の事例が示されました。分科会では、小規模施設から大規模施設への紹介・連携を評価する仕組みの構築、若手外科医の処遇改善、女性医師のキャリア形成支援の必要性が指摘され、自発的な偏在是正を促すインセンティブの強化が有効との方向性が示されました。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    8 分钟
  8. 病院と診療所の違いとは?医療機関の機能分化を理解する【動画解説】

    10月25日

    病院と診療所の違いとは?医療機関の機能分化を理解する【動画解説】

    全日本病院協会の神野会長が解説する動画「医療のトリセツ第4回」では、医療機関の仕組みと機能分化について説明しています。高齢化が進む日本では、複数の慢性疾患や医療介護の複合ニーズを抱える患者が増加する一方で、医療従事者のマンパワーには制約があります。こうした状況で質の高い医療を効率的に提供するには、医療機関の役割分担を理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。本メールマガジンでは、この動画の内容をもとに、医療機関選択に役立つ情報をお届けします。 病院と診療所は医療法上で明確に区別されており、それぞれ異なる役割を担っています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」という2つのタイプが存在し、相互に連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を果たし、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解することで、患者は自身の症状や状態に応じた最適な医療機関を選択できるようになります。 病院と診療所の違いを知る 病院と診療所の違いは、単なるベッド数の差だけではありません。病院はベッド数が20床以上あり、入院治療を主な役割としています。診療所はベッド数が19床以下または無床で、かかりつけ医機能、初期診療、慢性疾患の管理を担っています。 病院には夜間も医師が常駐する当直体制があります。診療所にはこの体制がない点が、両者の大きな違いです。夜間や休日に急変した患者に対応できる体制が、病院には整備されています。 病院では医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職、管理栄養士、MSW、事務職員など多職種によるチーム医療が実践されています。診療所では医師、看護師、事務スタッフという少人数体制で運営されています。このチーム医療の有無が、病院と診療所の提供できる医療の幅を決定しています。 病院の開設主体は医療法人、公立、大学などが多くなっています。診療所は個人や医療法人が開設している場合が多い傾向があります。この違いが、医療機関の規模や提供できる医療サービスの範囲に影響を与えています。 医療の機能分化と連携体制を理解する 医療機関は「治す病院」と「治し支える病院」に機能分化されています。治す病院には特定機能病院、大学病院、地域の基幹病院が該当します。治し支える病院には、かかりつけ機能を有する病院や診療所が該当します。 治す病院とかかりつけ機能を有する医療機関の間では、紹介と逆紹介という連携が行われています。紹介とは、かかりつけ医が専門的治療が必要と判断した患者を大きな病院に送ることです。逆紹介とは、大きな病院での専門的治療が終了した患者を、かかりつけ医に戻すことです。この双方向の流れにより、医療資源の効率的な活用が実現されています。 国は医療の機能分化を政策として推進しています。この背景には、限られた医療資源を最大限に活用し、必要な患者に必要な医療を提供するという考えがあります。機能分化により、専門的治療が必要な患者は大病院で、慢性疾患の管理は地域の診療所で行うという役割分担が明確になります。 診療報酬制度でも、この機能分化を支援する仕組みが整備されています。診療情報提供料や連携強化診療情報提供料などの点数設定により、医療機関間の連携が経済的にも評価されています。医療機関が適切に連携することで、診療報酬上のメリットも得られる仕組みが構築されているのです。 かかりつけ医機能の役割を把握する かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護のつなぎ役として重要な位置を占めています。この機能は、単に医師個人の役割ではなく、医療機関全体で担うべき機能として位置づけられています。病院の場合、医師だけでなく看護師、薬剤師、MSWなど多職種が協力してかかりつけ機能を発揮します。 かかりつけ医機能報告制度では、継続的な医療を要する者に対する日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能が重視されています。この制度により、医療機関は自らが提供するかかりつけ医機能の内容を報告し、地域住民に情報提供することが求められています。報告内容には、一次診療の対応可能な診療領域、服薬の一元管理、通常の診療時間外の対応、在宅医療の提供、介護サービスとの連携などが含まれます。 地域包括ケアの実現において、かかりつけ医機能を有する医療機関は中心的な役割を果たします。介護サービス、生活支援、行政とをつなぎ、患者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援します。かかりつけ機能を有する医療機関を中心として、医療と介護が連携し、包括的なケアが提供される仕組みが構築されています。 機能強化加算や地域包括診療料などの診療報酬上の評価も、かかりつけ医機能を担う医療機関を支援する仕組みです。これらの点数を算定するには、研修の受講、24時間対応体制の整備、他職種との連携など、一定の要件を満たす必要があります。質の高いかかりつけ医機能を提供する医療機関が、適切に評価される仕組みとなっています。 まとめ 病院と診療所はそれぞれ異なる役割を持ち、医療法上も明確に区別されています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」が連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を担い、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解し、症状や状態に応じて適切な医療機関を選択することが、効率的で質の高い医療を受けるための第一歩となります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

    8 分钟

关于

人を尊重して話を聞かせていただく「アクティブリスニング」エバンジェリスト『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』著者赤羽雄二氏公認|『アクションリーディング』読書会開催|仲間と一緒に成長できる「親子のクオリティタイム」「最速ロールプレイング」「A4メモ書き」などのグループ運営|株式会社miiboのmiibo Designer|一般社団法人 遠隔健康医療相談適正推進機構 正会員 【配信内容】 配信URL;https://www.daitoku0110.news 3つの内容を配信中 1. 岡大徳 アクティブリスニングなどについて配信しています。 ブログなどの内容はこちら ・https://daitoku0110.com ・https://daitoku0110.jp ・https://daitoku.site/ 2. miiboDesigner 株式会社miiboのmiiboDesignerの岡大徳がmiiboについての新しい情報や気になった情報、ノウハウなど話していきます。 miiboデザイナーとは、miiboの会話の精度があがるように設計をしていく人のことです。 ・プロフィールサイト:https://daitoku0110.net/ ・miiboガイド(初めての人はこちらから):https://daitoku0110.net/miibo/ ・miibo情報:https://daitoku0110.net/miibo-information/ ・スライド共有サービスドクセル:https://www.docswell.com/tag/miibo 3. ナレッジマネジメント 岡大徳のNotesをもとにナレッジマネジメントの一環として配信しています。 岡大徳のNotes:https://daitoku0110.wiki 【Clubhouse】 https://www.clubhouse.com/@daitoku0110 ・『アクションリーディング』行動が変わり人生が変わる読書会 https://bit.ly/38uMBJP ・親子のクオリティタイム https://bit.ly/3Rf8X6z 【Peatix】 https://peatix.com/user/1425712/ ・実践『アクションリーディング』自分を変える行動読書 https://action-reading.peatix.com/ 【Facebook】 https://ms-my.facebook.com/oka.hironori.1 グループ ・実践『アクションリーディング』自分を変える行動読書:https://www.facebook.com/groups/practiceactionreading ・実践 最速ロールプレイング:https://www.facebook.com/groups/551556716178832 ・実践『ゼロ秒思考』A4メモ書き:https://www.facebook.com/groups/notewriting 【Unstoppable Domains】 https://ud.me/daitoku0110.x 【ドクセル】 https://www.docswell.com/user/daitoku0110 www.daitoku0110.news