株式会社ずんだもん技術室AI放送局

株式会社ずんだもん技術室AI放送局 podcast 20251112

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  • Claude Codeが並列にSubAgentを起動した時に自宅ネットワークが死ぬ問題を解消した

この記事は、AIエージェントである「Claude Code」が複数の処理(SubAgent)を同時に実行すると、自宅のインターネット回線が使えなくなってしまうという具体的な問題と、その解決策について、新人エンジニアにも分かりやすく解説しています。

筆者の方がClaude Codeに「10並列で何かを調査して」と指示したところ、数分で自宅のネットワークが完全に停止。インターネットに全く繋がらなくなる現象が発生しました。一旦Claude Codeを停止して数分待つと回復するという状況でした。

原因を探るため、ネットワークの専門家である知人の方と協力し、以下の調査を進めました。

  1. 自宅ネットワークの状況確認: ルーター(Aterm 2600HP4)には詳細なログ機能がなかったため、パソコン上で通信内容を詳しく見る「Wireshark(ワイヤーシャーク)」というツールを使い、ネットワークの動きを観察しました。しかし、知識不足のためWiresharkのデータから直接原因を特定するのは困難でした。
  2. 専門家からのヒント: 知人からの助言で、「IPv6プラス(v6プラス)」というインターネット接続サービスで使われる「MAP-E方式」の場合、インターネットサービスプロバイダ(ISP)側で利用できるポート数(通信の通り道のようなもの)が約240個に制限されている可能性があると分かりました。通常、ルーターが管理するポート数はもっと多いので、このISP側の制限が原因ではないかという仮説が浮上しました。
  3. 仮説の検証:
    • もしISP側のポート数制限が原因なら、制限のない別の接続方法では問題が起きないはず。そこで、通常の「PPPoE接続」やスマートフォンの「テザリング」で試したところ、どちらの環境でもネットワークは停止しませんでした。これにより、MAP-E方式の環境特有の問題であることが強く示唆されました。
  4. 解決策の実行: 対策として、ISPの契約をMAP-E方式から「DS-Lite方式」の「超transix」プランへ変更することを決めました。DS-Lite方式はISP側でポート数を動的に割り振るため、超transixでは約12,800ポートと、MAP-E方式より大幅に多くのポートが使えるようになります。 この契約変更を行った結果、Claude Codeが並列にSubAgentを起動しても、自宅のネットワークが停止することはなくなり、問題は無事に解決しました。

残された疑問: ただし、実際にClaude Codeが使用していた同時接続数は、240ポートの制限に達していなかったため、完全にポート枯渇が原因とは言い切れない部分が残りました。ルーターが、通信が終わった後もしばらくポートを占有し続ける「NATセッションの維持」といった、別の要因も絡んでいた可能性が考えられます。

この経験は、AIエージェントのような新しい技術を使う際には、その裏側にあるネットワーク環境の特性(特にIPv4 over IPv6接続方式など)を理解しておくことが重要であると教えてくれます。困った時には、専門家の知識を借りることで、一見複雑に見える問題も解決に導ける良い例です。

引用元: https://blog.shibayu36.org/entry/2025/11/11/110301

  • もっと気軽にDocDD(SpecDD)でAI駆動開発したい

DocDD(Document-Driven Development)は、生成AIと開発で使う全てのドキュメントを中心に据えることで、開発を効率化・標準化する新しい手法です。AIアシスタントの利用時に直面する「適切な情報の伝え方」や「開発ワークフローの属人化」といった課題を解決することを目指しています。

DocDDの主な特徴は以下の通りです。

  • AIを活用したドキュメント管理: 設計書、API仕様、技術的な決定事項(ADR)、UI/UXデザイン、開発プロセスなど、開発に関わる幅広いドキュメントをAIエコシステムで生成・管理します。これにより、プロジェクトの規模が大きくなっても、一貫した情報管理とAIによる活用が可能になります。
  • 標準化された11段階の開発プロセス: 調査から設計、実装、テスト、デプロイに至るまで、開発の全工程を11のフェーズに分けて標準化しています。この明確な手順に従うことで、チーム全体の開発の流れが分かりやすくなり、誰が作業しても一定の品質を保ちやすくなります。
  • AIアシスタントの賢い活用を支える「MCP」: 「Model Context Protocol(MCP)」という仕組みを使い、AIがコードベースの調査(Kiri MCP)、正確なコード編集(Serena MCP)、開発サーバーの動作確認(Next.js Runtime MCP)、ブラウザでの詳細検証(Chrome DevTools MCP)など、さまざまな外部ツールやサービスと連携できるようになっています。これにより、AIが開発の様々な場面で具体的な手助けをしてくれます。
  • 7種類の専門家AIエージェント: DocDDには、Reactコンポーネントのリファクタリング、テストコードの品質保証、Storybookストーリー作成、UI/UXデザインのアドバイス、仕様書作成、ADR(アーキテクチャ決定記録)の管理、プロジェクトのオンボーディング支援など、特定の専門分野に特化したAIエージェントが7種類用意されています。これらのエージェントは、プロジェクトのルールに合わせてカスタマイズすることもでき、特定の作業の効率と品質を大きく向上させます。
  • 簡単な導入とカスタマイズ性: 既存のプロジェクトにも、コマンド一つでDocDDの設定ファイルを簡単に導入できます。MITライセンスで公開されているため、プロジェクトの特性に合わせて自由にカスタマイズが可能です。

DocDDを導入することで、AIアシスタントを最大限に活用し、開発ワークフローの標準化、コード品質の維持、チーム開発における効率向上といった多くのメリットが期待できます。特に新人エンジニアにとっては、明確な開発手順とAIによる強力なサポートがあることで、安心して開発に取り組める環境が提供されるでしょう。今後は、さらに多くのAI機能やチーム向けのコラボレーション機能が追加される予定です。

引用元: https://zenn.dev/imaimai17468/articles/5df32a0bcfc75a

  • 複雑なプロダクトを開発するためのAIコーディングワークフローを構築しよう

この記事は、AIを使ったコーディングを実際のプロダクト開発に導入する際の課題と、それを解決する「SuperClaude Framework」という効率的なワークフローについて解説しています。

AIコーディングは、単純な例では効果的でも、複雑なプロダクト開発では「使い物にならない」「本当に効率が上がっているのか」といった課題に直面しがちです。

効率的なAI活用には、AIを単なるツールではなく、強力な共同作業者として捉え、「責任あるAIを活用した開発」の考え方が重要です。ユーザーがAIを適切にガイドし、生成コードをレビュー・テスト・理解する姿勢が求められます。

AI(LLM)には、以下の特性があるため注意が必要です。

  • 誤った情報を生成する「ハルシネーション」や、ユーザーに過度に合わせる「Sycophancy(迎合)」の問題がある。
  • 複数回のやり取り(マルチターン会話)で性能が低下しやすい。
  • 初期の前提が間違っていると修正が難しく、長時間のセッションでは出力の品質が徐々に落ちていく。

これらの特性を踏まえ、「責任あるAIを活用した開発」では、以下の点が重要になります。

  • AIに仕様や意図を可能な限り正確に伝える。
  • 必要な技術的な背景情報(コンテキスト)を十分に提供する。
  • AIとの対話で、仕様や実装計画の整合性を確認する。
  • 作業を細かく分割し、段階的に実装を進める。 これは「何を、なぜ作るのか」という仕様を開発の出発点とする「仕様駆動開発(SDD)」の考え方にも通じます。

このような体系的なワークフローをゼロから構築するには、多大なコストと専門知識が必要です。PortalKey社ではこの課題を解決するため「SuperClaude Framework」を導入