株式会社ずんだもん技術室AI放送局

株式会社ずんだもん技術室AI放送局 podcast 20251202

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  • Accenture and OpenAI accelerate enterprise AI success

グローバルなコンサルティング会社であるAccenture(アクセンチュア)と、生成AIの最先端を走るOpenAIが提携し、企業におけるAI活用を大きく加速させることを発表しました。この提携は、特に「エージェントAI」という、まるで人間のように自ら考えて行動し、自律的にタスクをこなすAIの能力をビジネスに深く組み込むことを目指しています。

この協力関係の大きなポイントはいくつかあります。まず、Accentureは世界規模で数万人の社員にビジネス向けに強化された「ChatGPT Enterprise」を導入し、OpenAI公式のトレーニングを通じてAIスキルを習得させます。これはOpenAIの認定プログラムとしては過去最大規模となり、Accenture自身のコンサルティングや業務、システム開発などのあらゆる仕事でChatGPTを活用し、その経験をクライアントのAI導入支援に活かしていく方針です。

次に、OpenAIはAccentureが提供する次世代AIサービスにおいて、主要なテクノロジーパートナーとなります。両社は共同で、企業がAIを事業のあらゆる領域に導入するための新たな「旗艦AIクライアントプログラム」を立ち上げます。このプログラムでは、OpenAIが持つ最先端のAI製品とAccentureが持つ業界ごとの深い知識や導入経験が組み合わされます。

具体的には、クライアント企業がAIをビジネスに取り入れるための最新ガイドラインや成功事例、セキュリティに関する知見、そして実践的なノウハウが提供されます。カスタマーサービス、サプライチェーン、財務、人事といった企業の主要な業務プロセスにおいて、AIを活用した新しいソリューションが共同で開発される予定です。特に、OpenAIが提供する「AgentKit」というツールを使って、企業独自のAIエージェントを迅速に開発・導入し、業務の自動化や意思決定の支援、そしてビジネス全体の変革を加速させることを目指します。

この提携を通じて、企業は最先端のエージェントAI技術をより速く、そして深く組織に組み込むことが可能になり、新たな成長の機会を創出することが期待されます。

引用元: https://openai.com/index/accenture-partnership

  • 【みんなでやる】 Claude Code Actionでテックブログレビューエージェントをマルチエージェント構成に進化させてみた

Insight Edge社が、テックブログのレビュー作業を効率化し品質を高めるため、AIエージェントシステムを大幅に進化させた取り組みを紹介する記事です。新人エンジニアの皆さんも、生成AIを実務に活用するヒントが見つかるはずです。

このシステムは、当初LangGraphベースで構築されましたが、AnthropicのClaude Code Actionを活用し、複数のAIエージェントが協力し合う「マルチエージェント構成」へと発展しました。

課題とマルチエージェント構成による解決 従来のAIレビューでは、指摘の質のばらつき、ファクトチェック不足、レビューが表面的な内容にとどまる、執筆段階に合わせたレビューができないといった課題がありました。これを解決するため、AIエージェントを以下のように進化させました。

  1. 段階的レビュー: 執筆のフェーズ(目次、初稿、修正後)に合わせて「/outline-review」「/initial-review」「/update-review」という専用のカスタムスラッシュコマンドを用意。執筆者は必要なタイミングで最適なレビューを受けられます。
  2. レビューの質向上:
    • マルチエージェント化: 日本語品質、技術的正確性、SEO、読者体験など、各専門分野に特化した複数のAIエージェント(サブエージェント)を導入。それぞれが独立したコンテキストで深く専門的なレビューを行います。
    • ペルソナ駆動レビュー: 記事内容に応じてターゲット読者(ペルソナ)をAIが生成し、その視点からレビューを行うことで、より実践的なアドバイスを提供します。
    • 外部ツール(MCPツール)連携とWeb検索・取得機能: textlintによる日本語チェック、Context7による最新技術ドキュメント参照、Web検索による時事ネタや技術のファクトチェックなど、AIの能力を外部ツール連携で拡張しました。
  3. 効率的な修正提案: GitHubのプルリクエスト上で、AIが直接修正案を提案する「GitHub Suggestion」機能を活用。該当箇所にワンクリックで修正を適用できるようになり、執筆者の負担を軽減します。

システム構築における工夫点

  • カスタムスラッシュコマンドでのワークフロー制御: コマンド一つで、環境判定、ペルソナの適用、記事内容に応じたサブエージェントの条件付き起動、並列実行を自動で行い、レビューフローを最適化しました。
  • サブエージェント分離によるコンテキスト節約: 各サブエージェントが独立した役割を持つことで、AIが一度に処理する情報量を抑えつつ、それぞれの専門性を深め、レビューの質を高めています。
  • JSON形式での結果受け渡し: 複数のサブエージェントから返されるレビュー結果を統一されたJSON形式で設計し、結果統合やレポート生成をスムーズにしました。
  • ツールの明示的な活用指示と有効化: GitHub SuggestionやWeb検索などの機能は、AIにプロンプトで具体的に指示するだけでなく、Claude Code Actionの設定で明示的に有効化することが重要です。

まとめ この事例は、生成AIの機能を単体で使うだけでなく、複数のAIを連携させる「マルチエージェント」という考え方や、外部ツールとの組み合わせで実務的な課題を解決できる可能性を示しています。AI技術の進化を「やってみる・みんなでやる・やり抜く」という精神で継続的に改善していくことの重要性が学べます。皆さんもAIを活用した業務改善に挑戦し、新しい価値を創造してみてください。

引用元: https://techblog.insightedge.jp/entry/claude-code-techblog-review-agent

  • Nano Banana Pro (Gemini 3 Pro Image)で画像生成・編集をやってみた - GMOインターネットグループ グループ研究開発本部

Googleから、最新の画像生成・編集AIモデル「Nano Banana Pro (Gemini 3 Pro Image)」がリリースされました。これは従来のNano Banana (Gemini 2.5 Flash Image)がGoogleの強力なAIモデルであるGemini 3 Proの推論能力を取り込んだことで、さらに高性能になったバージョンです。

Nano Banana Proの主な特徴は以下の通りです。

  • 高解像度画像生成: 最大4Kの非常にクリアな画像を生成できます。
  • 複数画像からの生成・編集: 最大14枚の入力画像を利用でき、特に人物の場合は最大5名まで、見た目の一貫性を保ったまま新しいシーンに配置できます。
  • リアルタイム情報の活用: Google検索と連携し、最新の天気情報などリアルタイムデータに基づいた画像を生成可能です。

このモデルは、Geminiアプリ、Gemini API、そしてGoogle AI Studioを通じて利用できます。Geminiアプリでは「Thinking」モードを選ぶとNano Banana Proを利用でき、無料ユーザーでも利用回数に制限はありますが試すことが可能です。性能評価サイトLMArenaでは、画像生成・編集およびText-to-Imageのタスクでトップ評価を得ており、その能力の高さがうかがえます。ただし、従来のNano Bananaに比べて生成に時間がかかり、コストも高くなるため、用途に応じた使い分けが推奨されています。

エンジニアとしてNano Banana Proを利用するには、Pythonのgoogle-genaiライブラリを使ってAPI経由でアクセスするのが一般的です。gemini-3-pro-image-previewというモデル名を指定することで利用でき、aspect_ratioやimage_sizeといった設定で解像度やアスペクト比を細かく制御できます。また、tools=[{"google_search": {}}]を設定することで、リアルタイム検索機能を使った画像生成が可能です。Google AI Studioでもチャット形式で手軽に試せ