漫画家ためになるラジオ マンガスクリプトDr.ごとう
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マンガってどうやって作るの?漫画制作の裏側に興味がある人へ、プロがストーリーを作る時のちょっとした工夫など、知るとより深くマンガを楽しめる「ためになる気づき」をお届けしています!
語り手・ごとう隼平(マンガスクリプトDr.)/元漫画家・東京ネームタンク代表・コルクスタジオ編集長・京都芸術大学准教授 @goto_junpei
聞き手・ヨシキ/Web編集者 @moriri_nyo
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表現の「引き出し」を増やすには? 整理整頓と見直し、そして言語化を繰り返そう! #69
「この表現、いいな」と感じた漫画のページやイラストをストックし、自身の表現の引き出しや幅につなげていくこと。
その過程で大切になるのは、どれだけその数を増やしたかではなく、どれだけ整理整頓や見直しを繰り返したかです。
覚えていなければ、頭に入っていなければ、ストックを増やしてもあまり意味がありません。
集めたストックをフォルダに分類する作業は、自身の好みの傾向を掴むことにも役立ちます。
どこが気に入ったのかを明確に把握するために、テキストに書き出してみつのもいいでしょう。言語化してみる、というのはとても有効な手段です。
漫画を描くうえで、自分の頭でいろいろ考える工程はどうしても発生しますが、イメージが湧くまでの時間はきっと全然違ってくるはず・・・
今回はそんなストックと引き出し方の関係の話、そして漫画家にとって永遠に解決しないテーマである「編集者とのコミュニケーション、どうすれば上手くいくか問題」について話をしていきます。
なお後者は、永遠のテーマなので、全然解決してません! 求む、皆様からのアイデア・・・! -
マンガをヒットさせるのは“ウリ”より“売り” 読者がお金を払っても読みたい「課琴線」はどこ? #68
1つの話の中に、あれもこれもと詰め込みすぎて、「パフェ全部盛り」状態になってしまう……。
漫画を描く人なら、誰もが抱える悩みではないでしょうか。
考えなければならないのは、漫画家としての自分のストロングポイントである「ウリ」と、読者がお金を払いたくなる「売り」がどこにあるのかということ。
「ウリ」の部分については、1つの話の中に入れている自分が良いと思う要素を、全部書き出してみましょう。
きっとたくさん出てくると思いますが、パフェでいう「季節のフルーツ」や「生クリーム」、または「コーンフレーク」といった素材に、各々切り分けることができるはずです。
そして「売り」の部分については、果たして自分の作品のどこに課金をしたくなるライン=「課琴線」が存在するのか、を考えてみましょう。
読者が面白い・良いと思う作品を描くことと、読者がお金を払ってくれる作品を描くことは、残念ながら決してイコールではありません。単に良い作品を描いてお金をもらう、というのはとても難しいこと。
売れるを意識するのはよくない、という意識はモノづくり全般において根強いかもしれませんが、「ウリ」だけではなく、「売り」が明確であることも、ヒットにはやはり必要なのです。
今回は、描き手がそこばかり注目しがちな「ウリ」と、目を背けられがちだけど読み手が求める「売り」について、真正面から向き合います! -
両方必要だけど、絶対に順番を間違えてはダメ! 漫画は「思い」が先で「物差し」が後 #67
漫画制作において、一番最初にあるべきもの。それは「こういうのやりたい!」という気持ちであり、イメージです。
その次に「これを表現するためには」という構造論。そして三番目に、「これを描くうえでの注意として」といった弱点などの指摘。
漫画家が持つ「これが大好き!」は、思いよりもさらに前に位置する超大前提みたいなもの。制作においては、思いが先で構造や指摘が後。この順番が何よりも大事になります。
一方で、構造論など「ヒットさせるための物差し」がないと、物語が完結しない、というそもそもの問題が生じてしまいます。
だからこそ、漫画家には編集者が必要ですし、いい話し合いのためには、いい関係値が必要となるのです。
今回は漫画家と編集者の関係性や役割などについてもしっかり語っておりますので、ぜひ最後までお聴きください! -
漫画で1秒でも早く読者に示さないといけないもの、それは「主人公の意志」だった! #66
構成としてはよく似ていても、描き方で大きく異なるのが映像作品と漫画作品。その大きな理由の1つとして挙げられるのが、「ながら」ができるかの違いです。
漫画は「ながら」で読めないからこそ、主人公の「こうしたい」という強い意志を早く示してくれないと、ページをめくるのが辛くなってしまいます。
だからこそ、映像が主人公の「行動」から意志を描いていくのに対し、漫画はとにかく主人公の「願い」をまず先に示し、読者に伝えるためにアクションを描くという順番になっているのです。
今回はそんな映画と漫画の描き方・見せ方の違いについて解説します!
※なお、本編は19:30 からになります! そこまでは、ただただ週末に『ゴジラ-1.0』を観たマンガスクリプトDr.ごとうの感想が続きます。 -
漫画界だけ「演出家」が不人気なのはなぜ? ネーム描くの大好きって人、不足しすぎ問題 #65
「ネームの制作は、もっともっと評価されるべきではないか?」
WEBTOONを中心に分業制がある程度浸透したことで、昔に比べればまだ認知度が高まった印象のあるネーム制作というお仕事。
「文章」の原作と「絵」の作画を、「漫画」として面白く魅せるのがネームの役割であり、制作した人間の作家性や個性が一番反映されるポジションでもあります。
しかし現状、原作を書きたい人・絵を描きたい人は数多くいても、「ネーム描きたい!ネーム大好き!」という人がどれだけいるかというと……
ネームを制作する人はいわば「演出家」であり、ドラマでも演劇でも大人気のポジションでありながら、どうして漫画だけこんなに不人気なのか? こんなに需要もあるのになぜ…?
「東京ネームタンク」という、いかにもネームのプロフェッショナルっぽい団体をひきいるマンガスクリプトDr.ごとうが、ネーム制作者の地位向上・人気アップについて大真面目に考えます!
皆さんも、「ネームライター」「コンテ構成」など、ネーム制作者のかっこいいポジション名をぜひ考えてみてください! -
「うわっ…私の描いた漫画、一体どこが面白いの…?」と毎回悩んでしまう病は、克服できるのか #64
クリエイターなら誰もが自問自答する永遠のテーマ。
それが「自分の創った作品、これ何が面白いの?」問題です。
どうすれば主観ではなく客観的に面白さを判断できるのか。面白いかどうかは、何をチェックポイントにすればいいのか。
わからなすぎて、「そもそも面白いってなんだっけ?」と迷宮入りしてしまうこと必至です。
結局は「面白いとは主観である」が答えなのかもしれませんが、
・データやパターンの分析を駆使して描いた作品は客観性こそ高いかもしれないが、漫画家のやる気はあがらないのでは?
・感情を描いてるコマの数、ページあたりのコマ数の変化などである程度判断はできるかも?
などなど、面白さの客観的判断の実現という難題について、今回は必死に考えていきます。
皆さんもぜひ一緒に考えてください……!