第5回 SPARC Japanセミナー2011 -OAメガジャーナルの興隆- National Institute of Informatics
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今回の SPARC Japan セミナーでは,オープンアクセスジャーナルの代表的な出版団体のひとつである PUBLIC LIBRARY of SCIENCE (PLoS) から,PLoS ONE 誌出版代表の Peter Binfield 氏をお招きします。PLoS ONE は,2006年12月に創刊された自然科学全域を対象とするオープンアクセスジャーナルです。独特の査読・編集工程により,従来誌よりも素早く大量の研究論文を掲載することを特徴とし, 2011年には約14,000報の研究論文を1年間に出版しました。PLoS ONE の発展は学術出版界の注目を集め,2009年に "ALPSP Award for Publishing Innovation",2011年には "SPARC Innovator Award" を受賞しました。現在では,他の出版社,学協会からも PLoS ONE と似た特徴をもつジャーナルが創刊されはじめています。
本セミナーでは,こうした「オープンアクセスメガジャーナル」を中心テーマとして,オープンアクセス出版の現在と未来について議論を深めます。
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PLoS ONE and the Rise of the Open Access MegaJournal
PLoS ONEは典型的な「オープンアクセスメガジャーナル」で,2011年には約14,000論文を掲載し,その年のSTM分野の論文出版において1番でした。この成功とは別に,メガジャーナルは昨今のブームとなっています。PLoS ONE自体は創刊して5年ほどですが,この18カ月のうちにNature, SpringerやSAGEといった出版社から同様の雑誌が創刊されました。PLoS ONEは出版モデルとしてきわめて成功した事例であり,他の出版社が創刊してみようと考えた要因でしょう。この講演では「メガジャーナル」,PLoS ONEの実績やこれまでの歩みについてお話するとともに,最近の動向に関して概説します。また,今後5年のうちに,このモデルが出版界に及ぼす影響とどのような方向に進むのかについて,考えをお伝えします。
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PLoS ONEにおける日本著者論文
日本の研究・教育機関等に所属する著者のPLoS ONEでの論文発表状況について,学術文献データベース Web of Science を用いて調査した結果を,隣接領域の他の論文等と比較しながら報告する。PLoS ONE 全体での掲載論文数の伸びに沿うかたちで,日本の著者による論文発表数も年々増加している。また,隣接領域の他誌掲載論文と比べると,PLoS ONE 掲載論文の方がより多くの助成金を獲得している傾向が見られた。
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オープンアクセスジャーナルとは
近年の学術情報流通をめぐる急速な変化の中で,大手商業出版社も相次いで参入したこともあり,オープンアクセスジャーナルの注目度がこれまでになく高まってきている。
とりわけオープンアクセスメガジャーナルは,流通のみならず,研究成果の発表や評価のあり方など学術コミュニケーションの概念にも変化をもたらしている。オープンアクセス出版の現在と未来について議論を行う上で,参加者が共通認識を持つための概略を説明する。 -
スライド資料:PLoS ONE and the Rise of the Open Access MegaJournal
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