徒然なる自動車業界の将来動向

#1-190 【Short】日立とパナソニックの比べてみる

=====ショートバージョン=====かつて日本の電機産業を牽引した日立製作所とパナソニックHDが、構造的な危機を経ていかに事業モデルを「大いなる分岐」させたかを詳細に比較分析を試みます。日立は、鉄道やエネルギー網といった社会インフラの運用者へと転身し、巨大ハードウェアをテコにITとOTを融合させたデジタルプラットフォームLumadaを通じて、高収益で安定的なリカーリングビジネスを構築しています。対してパナソニックHDは、車載電池やBlue Yonderなどのソフトウェアを組み合わせ、製造・物流といった現場のプロセス革新に焦点を当てたソリューション提供者となることを目指しています。レポートは、日立のハードウェアが長期的なデータアクセス権と高い参入障壁を生んでいるのに対し、パナソニックは電池事業における巨額の設備投資や激しい市場競争に直面している点を課題として挙げます。この戦略的差異の結果、資本集約度の低減に成功しデジタル収益の質が高い日立製作所が、2030年に向けてパナソニックHDよりも優位なROIC(投下資本利益率)を実現すると予測。