666666RADIO

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ペルー人と日本人がお送りする日常会話レディオ 平穏な日々を送りたい二人だが...トラブルの日々を過ごす「早く人間になりたい」が口癖。 二人は悪魔に心を侵され言葉遣いが悪くなり口が悪くなる一方。 このレディオを通しては果たして平穏な日々を取り戻し約束のあの場所へと辿り着けるのだろうか...

  1. May 3

    S3#13-密会の回-

    放送開始の赤いランプが点いたとき、スタジオにはいつもの三人分の空気がなかった。 「……静かすぎない?」ミキサーのノイズに紛れて、タカシがぼそっと言う。 「アイツがいないと、こんなもんだろ」ケンジはヘッドホンを少しずらしながら笑った。「あいつ、声デカいからな。存在がノイズみたいなもんだし」 本来なら三人で回しているこのラジオ。だが今日は一人が来れない。理由は「ちょっとした事情」とだけ共有されているが、詳細は誰も知らない。知らない、というより、聞かないようにしている。 「久しぶりだな、二人きりって」タカシが言う。 「高校の帰り道以来じゃない?」ケンジが軽く返す。「あの頃はもっとバカだったよな。今は…まあ、方向性が違うだけでバカだけど」 軽く笑いが起きる。でも、その笑いはどこか薄い。 沈黙が一瞬だけ流れる。ラジオ的には“事故”に近い長さだ。 「で、さ」タカシがマイクに少し近づく。「あいつ、何で来れないんだっけ?」 「“来れない”って言い方、便利だよな」ケンジが肩をすくめる。「死んでも来れないし、寝坊しても来れないし」 「いや縁起でもないこと言うなよ」 「でもさ、もし本当に死んでたらどうする?」ケンジは妙に落ち着いた声で続ける。「俺ら、普通に番組続けるのかな。“えー、今日は一人欠席です”って。理由は“永遠の欠席”です、って」 タカシは少し笑う。「それブラックすぎるだろ」 「ブラックっていうか、現実ってだいたいそうじゃん。誰かがいなくなっても、番組は続くし、電車も来るし、コンビニも開いてる」 「まあな…」 また少し沈黙。 今度はケンジが先に口を開いた。 「正直さ、ちょっと楽しんでるだろ?」「何を?」「二人きり。あいついないと、話しやすいって思ってるだろ」 タカシは一瞬言葉に詰まる。「……まあ、ちょっとは」 「俺も」ケンジはあっさり言う。「三人だとさ、誰か一人は“余り”になる瞬間あるじゃん。今日はそれがない」 「最低だな、お前」 「だろ?でも人間ってそんなもんだよ」ケンジは笑う。「だから安心しろ。あいつも今いない場所で、同じこと思ってるかもしれない。“あいつらいなくて楽だな”って」 「それもう、友情として終わってるだろ」 「いや逆だよ。そういうこと言える関係が一番長く続く」少し間を置いて、ケンジは付け足す。「多分な。実験したことないけど」 赤いランプはまだ点いている。 二人は顔を見合わせて、同時に小さく笑った。 「とりあえずさ」タカシがまとめに入る。「今日は二人でやるしかないし、適当にやるか」 「だな。最悪、あいつの悪口だけで30分いけるし」 「それ、本人来たらどうすんの?」 「その時は“生存確認おめでとうございます”って言うよ」 少しだけ、本当に楽しそうな笑い声がスタジオに響いた。 三人分の空気はまだ戻らない。でも二人分の空気は、思ったより悪くなかった。

    1h 29m

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ペルー人と日本人がお送りする日常会話レディオ 平穏な日々を送りたい二人だが...トラブルの日々を過ごす「早く人間になりたい」が口癖。 二人は悪魔に心を侵され言葉遣いが悪くなり口が悪くなる一方。 このレディオを通しては果たして平穏な日々を取り戻し約束のあの場所へと辿り着けるのだろうか...