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テーマに対する私の考えは、「組織の中に様々な国の人を受け入れて、一緒に働いて、議論をすることを通して、グローバルスタンダードな自己主張、リーダーの振る舞いを学んでいく」というものです。なぜそう考えるのかを順を追って説明します。

欧米、特にアメリカには「竹の天井(bamboo ceiling)」という言葉があります。欧米社会、特にアメリカ企業では、アジア系がリーダーに昇進しにくいという状況を表す言葉だそうです。少子高齢化が進んで、日本企業も日本人も、これからはどんどん海外で活動していかないといけないのに、アジア系が出世出来ない「竹の天井」があるというのは、困った問題です。

でも一口にアジア系といっても「竹の天井」によって出世が出来ないのは、東アジア系、つまり、日本・韓国・中国の人材だという事も、ごく最近分かってきました。

マイクロソフト・Google・スターバックス・シャネル・フェデックス、これらの企業に共通する特徴は何でしょうか。上場しているとか、世界でかなりの利益を出しているといった共通点はありますが、これらの企業のトップ(CEO)は、インド出身者です。マイクロソフトのCEO、GoogleのCEOがインド出身者というのは、最近ではかなり有名です。でも、アメリカンなイメージが強いスターバックス、フランスの高級ブランドのシャネルも、リーダーはインド出身者です。

アメリカの企業の中でも特に格付けの高い、スタンダード&プアーズ500社の過去8年間のCEOを調査した研究がありますが、インド系がCEOになる確率は、白人よりも高いそうです。ただその一方で、同じアジア系でも東アジア、つまり、日本・韓国・中国の東アジア系がCEOになる確率は、白人よりも低いそうです。

しかし、人的資本という観点では、アジア系は白人を上回っているということは、結構以前から知られています。アジア系は学歴が高い、所得水準が高い、失業率が低い、犯罪率が低いなど、アジア系の人々が優秀であることは、様々な調査で明らかになっています。でも、リーダーにはこれまで白人が選ばれてきました。ただし、最近はインド系のリーダー達の活躍もめざましいのです。ではなぜ、東アジア系だけがリーダーになりにくいのか。マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が詳しく調べています。どうしてだと思いますか。

ジャクソン・ルー先生達は、英語の流暢さには差が出ないような工夫をして調査をしています。つまり英語力以外の3つの要因を見ています。まず「偏見」、つまり民族差別です。これに注目しました。分析の結果、何とインド系は東アジア系よりも強い偏見を受けているという事が明らかになりました。多くの白人達は、インド系に偏見を持っているにもかかわらず、リーダーを選ぶ際には、東アジア系よりも、インド系を支持するということも分かりました。次に注目した第2の要素が「モチベーション」。つまり出来るだけ一生懸命働こうとするかということです。こういった仕事への意欲を調べたところ、東アジア系とインド系には、差が無いという事が分かりました。最後に注目したのが「自己主張」。これが大きく違っていました。「適切な時には自分の意見を述べ、みんなと

テーマに対する私の考えは、「組織の中に様々な国の人を受け入れて、一緒に働いて、議論をすることを通して、グローバルスタンダードな自己主張、リーダーの振る舞いを学んでいく」というものです。なぜそう考えるのかを順を追って説明します。

欧米、特にアメリカには「竹の天井(bamboo ceiling)」という言葉があります。欧米社会、特にアメリカ企業では、アジア系がリーダーに昇進しにくいという状況を表す言葉だそうです。少子高齢化が進んで、日本企業も日本人も、これからはどんどん海外で活動していかないといけないのに、アジア系が出世出来ない「竹の天井」があるというのは、困った問題です。

でも一口にアジア系といっても「竹の天井」によって出世が出来ないのは、東アジア系、つまり、日本・韓国・中国の人材だという事も、ごく最近分かってきました。

マイクロソフト・Google・スターバックス・シャネル・フェデックス、これらの企業に共通する特徴は何でしょうか。上場しているとか、世界でかなりの利益を出しているといった共通点はありますが、これらの企業のトップ(CEO)は、インド出身者です。マイクロソフトのCEO、GoogleのCEOがインド出身者というのは、最近ではかなり有名です。でも、アメリカンなイメージが強いスターバックス、フランスの高級ブランドのシャネルも、リーダーはインド出身者です。

アメリカの企業の中でも特に格付けの高い、スタンダード&プアーズ500社の過去8年間のCEOを調査した研究がありますが、インド系がCEOになる確率は、白人よりも高いそうです。ただその一方で、同じアジア系でも東アジア、つまり、日本・韓国・中国の東アジア系がCEOになる確率は、白人よりも低いそうです。

しかし、人的資本という観点では、アジア系は白人を上回っているということは、結構以前から知られています。アジア系は学歴が高い、所得水準が高い、失業率が低い、犯罪率が低いなど、アジア系の人々が優秀であることは、様々な調査で明らかになっています。でも、リーダーにはこれまで白人が選ばれてきました。ただし、最近はインド系のリーダー達の活躍もめざましいのです。ではなぜ、東アジア系だけがリーダーになりにくいのか。マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が詳しく調べています。どうしてだと思いますか。

ジャクソン・ルー先生達は、英語の流暢さには差が出ないような工夫をして調査をしています。つまり英語力以外の3つの要因を見ています。まず「偏見」、つまり民族差別です。これに注目しました。分析の結果、何とインド系は東アジア系よりも強い偏見を受けているという事が明らかになりました。多くの白人達は、インド系に偏見を持っているにもかかわらず、リーダーを選ぶ際には、東アジア系よりも、インド系を支持するということも分かりました。次に注目した第2の要素が「モチベーション」。つまり出来るだけ一生懸命働こうとするかということです。こういった仕事への意欲を調べたところ、東アジア系とインド系には、差が無いという事が分かりました。最後に注目したのが「自己主張」。これが大きく違っていました。「適切な時には自分の意見を述べ、みんなと

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