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maz (@dynamicsoar) が淡々と論文を紹介していく podcast, になるかもしれません。専門からわりと近くないと難しいので、たぶん生物飛行やその周辺。ハッシュタグは #mazpodfm あたりがいいんじゃないでしょうか。

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    • Wetenschap

maz (@dynamicsoar) が淡々と論文を紹介していく podcast, になるかもしれません。専門からわりと近くないと難しいので、たぶん生物飛行やその周辺。ハッシュタグは #mazpodfm あたりがいいんじゃないでしょうか。

    005 [論文紹介] コウモリは翼内の筋肉で飛膜のキャンバ(膨らみ)を制御しながら飛んでいる

    005 [論文紹介] コウモリは翼内の筋肉で飛膜のキャンバ(膨らみ)を制御しながら飛んでいる

    キャンバの定義、英語版ウィキペディアの airfoil の記事がよさそう
    翼型の中心線 (mean line): 前縁から後縁まで、上面(背面)と下面(腹面)を等分割(たとえば100等分)し、上下方向の各点を結ぶ。それぞれの中点を繋いだものが中心線 (mean camber line, mean line, or camber line)。間違って centerline と何度か言ってしまった…
    キャンバ (camber): おおまかには、ある翼型(翼断面)について、その「反り具合」あるいは「凸凹具合」と思えばよい。具体的には「翼弦線 (chord line) から中心線までの垂線の長 さ」。あるいはもっとわかりやすく言うなら、まず翼弦線(前縁と後縁)を水平になるように翼型を回転して、その状態での「翼弦線(=水平線)から中心線までの高さ」でも同じこと。
    ただし、単位付きの長さだと不便なので(巨大な翼型なら、わずかな反りでも巨大なキャンバになってしまう)、これを翼弦長で割ったものをキャンバとすることが多い。ただし、翼弦方向にどの位置を取るかは任意性があるため、複数の定義がある。代表的なのは「最大キャンバ」と「翼弦の特定位置でのキャンバ」。前者はそのまま、最大のキャンバで、この場合は翼弦のどの位置で最大キャンバが生じているかも記載することが望ましい。後者はたとえば「1/4翼弦長位置」や「1/2翼弦長位置」などがありえて、一般にはこの位置のキャンバは最大ではないが、変動する場合の定点観測として用いる。
    今回の論文: Bats actively modulate membrane compliance to control camber and reduce drag Open Access なので誰でも読める。直訳すると「コウモリは能動的に飛膜の柔軟性を変動させてキャンバを制御し抗力を低減している」くらいか。Inside JEB という紹介記事も出てるけど、論文自体がコンパクトにまとまっているので読む必要はあんまりないかも…
    3羽のオスの成体の Jamaican fruit bats… ジャマイカフルーツコウモリ?を使用。体重50グラム程度。Brown大学の風洞で飛行させた。まず、無風状態と 5 m/s の向かい風の中で飛ばしたあと、ボツリヌストキシンA (BtxA) で翼面内の一部の筋肉をマヒさせて、再度同じ2つの風速で飛行させた。いずれにおいても、通常の風洞実験と異なり、コウモリは空間的に止まっていなくて、前進していったようだ。結果を見ると、対気速度(相対風速)は無風時に 3 m/s 程度、向かい風ありで 6-7 m/s 程度となっている。
    高速度カメラ6台を800 fps (frames per second) で、翼の上面が見えるように撮影。Phanto Miro 340 を4台と Photron FASTCAM SA4 を2台使っている。他社のカメラを混ぜると同期などで苦労するので大変だったろうなぁ感がにじむ。
    Fig. 1A: 翼をザックリと2つにわけている。手首関節より付け根側を armwing・手首関節より先が handwing と呼んでいる。これは鳥でも同じ。翼の3ヶ所(ひじ・手首・小指のMP関節)につけたマーカ(黄色の円…実際には白い塗料)を撮影して運動計測。また紫の線たちは後に BtxA でマヒさせる plagiopatagiales という armwing の筋肉の位置。
    Fig. 1B: 同時に、Agisoft PhotoScan Pro(現 MetaShape)で photogrammetry により翼上面を点群 (point cloud) に3次元再構築している。そのうち、羽ばたきの打ち下ろし中期 (mid-downstroke) において、小指の骨(=ほぼ翼弦方向)に平行な線を含むような垂直断面を2ヶ所、armwingとhandwingにおいて1ヶ所ずつ選び、それら

    • 32 min.
    004 空気力学の基礎みたいなやつ part 2

    004 空気力学の基礎みたいなやつ part 2

    字数制限のため簡易版show notes. フル版はブログに。


    航空機
    軽航空機=気球・飛行船
    重航空機=固定翼機(グライダーと飛行機)・回転翼機(オートジャイロとヘリコプタ)
    熱気球初飛行は1783年
    揚力
    羽ばたき機
    ドローン=無人航空機。英語の drone はミツバチのオス
    飛行機の力のつりあい
    飛行機各部の名称:機体と推進装置に分かれ、機体は主翼・胴体・尾翼(水平尾翼 ・垂直尾翼)・降着装置など
    動翼: エルロン・エレベータ・ラダー
    操縦桿
    高揚力装置
    スポイラ
    ウィングレット
    鳥の翼長
    アスペクト比
    翼平面形
    高翼・中翼・低翼
    Harvey et al., 2022

    • 53 min.
    003 空気力学の基礎みたいなやつ part 1

    003 空気力学の基礎みたいなやつ part 1

    動物飛行 (animal flight) の位置づけ的な話。より正確には植物などの飛行も守備範囲なわけだが…
    羽ばたき飛行 (flapping flight, powered flight) をする(した)動物のグループ: 昆虫・翼竜・鳥・コウモリ (insects, pterosaurs, birds, bats)
    流体 (fluid) とは: 気体 (gas) & 液体 (liquid)、とくに生物では空気と水が重要
    流体力学の研究方法: 数式・実験・数値計算 (CFD, computational fluid dynamics)…「差分」は「離散化」を言い間違えた
    風洞 (wind tunnel)
    外部流れと内部流れ (external flow, internal flow)
    マッハ数 (Mach number): 英語ではマックナンバと読む
    シャコパンチでの流体力学の考慮の一例 (McHenry et al., 2012)
    急降下してるハヤブサの速度: 古いけど Tucker (1998) を見ると推測値ぽいけど時速でいうと 500-630 km/h くらいではないかってありますね…本当ならマッハ数 0.5 近くて圧縮性の影響多少入ってくるかもしれないレベル…
    翼(つばさ・よく wing)・羽(←あいまい)・羽根 (feather)・翅(昆虫の... insect wing)
    相対風 (relative flow)
    迎え角 (angle of attack, AoA): 迎角とも。数式では α で書くことが多い。英語の略称の AoA(エーオーエー)と読むことも多い。日本語だと「むかえかく」と「げいかく」があるが、「げいかく」は「ぎょうかく(仰角)」と紛らわしいので自分は敢えて避けている。実際、ネット情報だと間違って仰角と書いている人も多い
    揚力・抗力 (lift, drag): 数式では揚力は L, 抗力は D と書く。抗力はいわゆる「抵抗」と同じもの。計測方法とか分類とかの話は飛ばした
    揚力係数・抗力係数 (lift coefficient, drag coefficient): 揚力・抗力を無次元化したもの。あるいは、揚力・抗力を計算する上でのパラメタ(翼型や迎え角、Reynolds数などの関数。ここちょっと言葉足りてなかった)。数式では CL, CD と書く。CL = L/(0.5 ρ U2 S), CD = D/(0.5 ρ U2 S) ここで ρ は流体の密度・U は流速・S は翼面積。車の場合はたぶん S は前面投影面積?表面積を使う流儀・業界もある(潜水艦とか魚とかの方面?)。
    揚抗比 (lift-to-drag ratio): 効率性の指標としては他に「空気力学的パワー/機械的(入力)パワー」などもある
    Reynolds 数 (Reynolds number): 数式ではReと書くことが多い。Rと書く人もいるが、生物飛行業界ではRは翼や翅1枚の長さを表すことが多いので、避ける。Re = U L/ν ここで U は代表速度・L は代表長さ・ν(ニュー)は動粘性係数(動粘度とも)。100万いかないと思うと言ったけどそれこそハヤブサの急降下とかなら行ってそう…
    代表速度: ホバリングだと前から入ってくる風がないので、翼端の移動速度を羽ばたき1周期で平均した値を用いたりする。
    翼弦(よくげん chord): 翼の前縁(ぜんえん)と後縁(こうえん)の距離
    層流 (laminar flow) と乱流 (turbulent flow)
    境界層 (boundary layer)
    こぼれてたもの: 翼型(翼断面)・翼平面形(後退角含む)・上反角/下反角・高揚力装置などなど…。実験でReを合わせるために空気密度を変えたり、水や鉱物油を使う(動粘性係数の方を変える)こともあるよ、という話もし忘れた。

    • 34 min.
    002 [論文紹介] 前縁渦の発見

    002 [論文紹介] 前縁渦の発見

    前半:羽ばたき翼における非定常空気力発生メカニズムとして有名な前縁渦 (leading-edge vortex, LEV) を発見した論文の紹介。
    後半: maz というニックネームの由来;好きな航空機のジャンル;降着装置 (landing gear) について。
    論文:Ellington, C. P., van den Berg, C., Willmott, A. P. and Thomas, A. L. R. (1996). Leading-edge vortices in insect flight. Nature 384, 626–630. DOI: 10.1038/384626a0
    ブログ記事

    • 45 min.
    001 [論文紹介] 鳥の swooping はエネルギ最小化でも飛行時間最小化でもない

    001 [論文紹介] 鳥の swooping はエネルギ最小化でも飛行時間最小化でもない

    とりあえず始めてみました。淡々と論文を紹介していく…かも。初回ですがゴチャゴチャした前置きなしに


    KleinHeerenbrink, M., France, L. A., Brighton, C. H. and Taylor, G. K. (2022). Optimization of avian perching manoeuvres. Nature 607, 91–96. DOI: 10.1038/s41586-022-04861-4 (←論文へのリンク。open access)

    の紹介をしました。



    補足や感想などはブログ記事にもすこし書きました:


    https://dynamicsoar.hatenablog.com/entry/2022/07/31/073902



    初歩の空気力学・飛行力学の知識を暗黙に仮定してしまった気がするので、researchat で話した自己紹介(下記)も参考になるかもしれません


    https://researchat.fm/episode/133

    • 21 min.

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