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気候ポッド 第27回 ~ 大気汚染の話をしよう|後編|「脱石炭」じゃなく「脱化石燃料」‪へ‬ 気候変動の向こう側

    • Earth Sciences

Climate Pod_Episode_027_Air Pollution_02.mp3〓 Apple Pod: https://apple.co/3znxKxk〓 Spotify: https://spoti.fi/3iwUO6D
今回のエピソードでも、前回に引き続き大気汚染について日常会話しています。以下に主な会話の流れを挙げておきます。
2:30~ 大気汚染の主な原因になっている化石燃料について化石燃料の由来から産業革命、大気汚染による年間700~800万人もの死者(早死に)に至るまで、化石燃料のあれこれについて軽く触れています。
6:10~ 大気汚染の環境正義問題公害物質を発生させる大気汚染施設が人種的マイノリティや貧困層、低所得層の多い地域に偏って建設されている不公正、いわゆる環境正義問題について。
8:40~ 「脱石炭」じゃなくて「脱化石燃料」を・ 化石燃料による不公正をなくすためには「脱化石燃料」が必要なのに、なぜ日本では「脱石炭」になってしまっているのか。・ 石炭と比較して二酸化炭素排出量が少ない(石炭の約半分~60%)という理由だけで、環境正義問題を一切無視したまま天然ガスを石炭から再エネへの「ブリッジ」として扱っているためではないか。・ 化石燃料から排出されるのはCO2だけではないのだけど、大気汚染が深刻な公害問題として認識されていない&環境正義を掲げる環境団体ですら環境正義の概念を理解していない日本では、CO2以外の公害物質を問題視しない傾向にあるのではないか。・ 日本では「脱石炭」というキャッチフレーズが盛んだけど(政府や自治体、企業、メディア、環境団体や活動家までも含め)、アメリカでは「脱天然ガス(脱フラッキング)」も叫ばれて久しい(先の民主党の大統領予備選では環境団体や他候補がバイデンにフラッキング禁止を明言するよう迫った。バイデンは今もフラッキングには反対していない)し、「脱石炭」ではなく「脱化石燃料」という声が圧倒的。「脱化石燃料」の理由のひとつは、あたりまえだけど、マイノリティに偏っている不公正(環境正義問題)をなくすため。日本の流れだけが不自然。・日本で化石燃料の環境正義問題が認識されない理由のひとつとして、燃焼時以外、つまり採掘から精製に至る過程の環境汚染や健康被害をまったく経験することがないため、発電時の問題しか見えていないからではないか。フラッキングの不公正を直接経験すれば、「二酸化炭素排出量が少ないから当面は石炭の代わりに天然ガスで」なんていう環境正義の概念に反する考えは浮かばないはず。・ 化石燃料を輸入することで、環境正義問題(環境破壊や健康被害)を他国の環境弱者コミュニティに輸出しているという認識がまったくない。・ アメリカでは、二酸化炭素は「公害物質(大気汚染物質)」に指定されているため、環境保護庁による規制が必要。日本では?・ 化石燃料の環境正義問題(生態系や環境、人の命や健康)を重視しない限り、「温暖化の原因になっている二酸化炭素さえ排出しなければいいんでしょ?」になってしまうし、実際にそうなっているようにしか見えない。・ 「脱石炭」では石油と天然ガスの寿命を延ばすことになり、採掘から精製に至るまでの不公正も、燃焼時の公害もなくならない。・ 石油と天然ガスがプラスチックの原料って知ってますか?プラの99%は石油ガス由来ですよ。海洋プラごみをなくして海の生き物を守らなくていい

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今回のエピソードでも、前回に引き続き大気汚染について日常会話しています。以下に主な会話の流れを挙げておきます。
2:30~ 大気汚染の主な原因になっている化石燃料について化石燃料の由来から産業革命、大気汚染による年間700~800万人もの死者(早死に)に至るまで、化石燃料のあれこれについて軽く触れています。
6:10~ 大気汚染の環境正義問題公害物質を発生させる大気汚染施設が人種的マイノリティや貧困層、低所得層の多い地域に偏って建設されている不公正、いわゆる環境正義問題について。
8:40~ 「脱石炭」じゃなくて「脱化石燃料」を・ 化石燃料による不公正をなくすためには「脱化石燃料」が必要なのに、なぜ日本では「脱石炭」になってしまっているのか。・ 石炭と比較して二酸化炭素排出量が少ない(石炭の約半分~60%)という理由だけで、環境正義問題を一切無視したまま天然ガスを石炭から再エネへの「ブリッジ」として扱っているためではないか。・ 化石燃料から排出されるのはCO2だけではないのだけど、大気汚染が深刻な公害問題として認識されていない&環境正義を掲げる環境団体ですら環境正義の概念を理解していない日本では、CO2以外の公害物質を問題視しない傾向にあるのではないか。・ 日本では「脱石炭」というキャッチフレーズが盛んだけど(政府や自治体、企業、メディア、環境団体や活動家までも含め)、アメリカでは「脱天然ガス(脱フラッキング)」も叫ばれて久しい(先の民主党の大統領予備選では環境団体や他候補がバイデンにフラッキング禁止を明言するよう迫った。バイデンは今もフラッキングには反対していない)し、「脱石炭」ではなく「脱化石燃料」という声が圧倒的。「脱化石燃料」の理由のひとつは、あたりまえだけど、マイノリティに偏っている不公正(環境正義問題)をなくすため。日本の流れだけが不自然。・日本で化石燃料の環境正義問題が認識されない理由のひとつとして、燃焼時以外、つまり採掘から精製に至る過程の環境汚染や健康被害をまったく経験することがないため、発電時の問題しか見えていないからではないか。フラッキングの不公正を直接経験すれば、「二酸化炭素排出量が少ないから当面は石炭の代わりに天然ガスで」なんていう環境正義の概念に反する考えは浮かばないはず。・ 化石燃料を輸入することで、環境正義問題(環境破壊や健康被害)を他国の環境弱者コミュニティに輸出しているという認識がまったくない。・ アメリカでは、二酸化炭素は「公害物質(大気汚染物質)」に指定されているため、環境保護庁による規制が必要。日本では?・ 化石燃料の環境正義問題(生態系や環境、人の命や健康)を重視しない限り、「温暖化の原因になっている二酸化炭素さえ排出しなければいいんでしょ?」になってしまうし、実際にそうなっているようにしか見えない。・ 「脱石炭」では石油と天然ガスの寿命を延ばすことになり、採掘から精製に至るまでの不公正も、燃焼時の公害もなくならない。・ 石油と天然ガスがプラスチックの原料って知ってますか?プラの99%は石油ガス由来ですよ。海洋プラごみをなくして海の生き物を守らなくていい

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