復職名人が読む三手先 Centro Salute
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この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。
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第48回|産業医基礎研修会カリキュラム後半編
先日行ったポッドキャスト合宿回の3本目です。前回に続いて、産業医基礎研修会のカリキュラムブラッシュアップを行いました。
余っている資料集を、送料だけご負担いただく形で配付しますので、ご興味がある方はDMを送ってください!
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■話した内容
1. カリキュラムについて
基礎研修会の募集案内はこちら
(1) 近年の労働安全衛生法改正
近年の改正を踏まえたアップデートを行う
近年に限らず、安衛法の変遷を辿ってみても良いかもしれない
最後に化学物質の自律的管理にも言及する
(2) 両立支援
やや応用的なテーマではあるものの、産業医への期待が大きい分野なので触れておく
何も考えずに両立支援に取り組むと、周囲の負担が非常に大きい医療的な支援になりがち
産業活動全体を通した注意点として、周囲の負担は視野に入れる必要がある
(3) 喫煙・禁煙対策
職場における健康管理の重要なトピック
ゴールはすでにはっきりしていて、就業時間内禁煙+出社前45分の禁煙である
経営層へのアピールポイントとして、経済的な観点についても言及する
(4) 職場における感染症対策
新型コロナ感染症の感染初期における対応を踏まえて、次の未知なる感染症が生じた場合に、産業医としてどのように対応するかを説明しておく
在宅勤務については、研修では触れないものの、資料には加えておく
(5) 就業規則と健康管理(実地)
モデル就業規則を題材に、実際に生じうる場面への適応、就業規則の改正について検討する
ボトムラインは、就業規則を頭から最後まで、実際に読んでもらうことにある
(6) 産業医面談・意見書の書き方・衛生委員会
業務的健康管理というゴールに向けて、現実場面をどのように対応していくのか。具体的には面談は実施しないといけないだろうが、その場合にどのように対応するのか、説明する
意見書については、トレーニングとしては有用だが、やや現実場面にそぐわないかもしれない
(7) 健診事後措置①・②
昨年までよりも、①で従来型のやり方と、それでうまくいかない部分を解説し、②で対応策を説明する
健診事後措置を医療的なアプローチで対応していると、効果はほとんどでない。それどころか、労働者集団の平均年齢が上がる傾向にあるため、悪化する場合がほとんどである。そのため仕組みによる対応が不可避
(8) ストレスチェック
一時期よりは下火になっているテーマだが、産業医活動をする上で避けられないものであるため、取り上げている
(9) 健診事後措置(実地)
事後措置の判断が難しい事例をいくつか取り上げる
個人ワークではなくグループワークとして実施しても良いかもしれない
(10) 人事総務担当者との連携・健康経営
健康経営も、産業医活動をする上で避けられないテーマなので、概略を触れている
倫理について、功利主義と義務論について取り上げる
(11) 過重労働対策
36協定等の説明
これまで時間外労働を削減してきたTipsを紹介する
(12) 過重労働面接
医師の過重労働対策 -
期間限定配信|自由集会の事前打ち合わせ
本編は上級者の方には、やや物足りない内容だったかもしれませんので、1週間の期間限定で事前打ち合わせの模様を公開します。
カフェでマイク一本立てで収録したので、いつもよりも聞きにくいと思いますが、ご了承ください。
なおオンラインサロンにご加入いただけると、今後こういった踏み込んだトークも聴けますので、ぜひ参加ご検討くださいませ。
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特別編|自由集会「労務管理と産業保健研究会」2024
今回は、第97回日本産業衛生学会の自由集会の様子を収録いたしましたので、その編集した音源を公開いたします。
会場でハウリングしてしまったので、やや聞き苦しいところがあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。
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■話した内容
1. 満了直前の復帰可能の診断書休職期間満了直前に、「復職可能」の診断書が出された場合に、どのように対応すれば良いでしょうか?高尾メソッドで考えると段取りに手遅れ感がありますが…
2. 従業員への個別対応
仕事ができる人でも、仕事ができない人でも、復職時には同じように扱うのでしょうか?
休職を繰り返す人に対する対応と、初めて休職する人に対する対応は同じなのでしょうか?
3. 復職基準が厳しすぎる高尾メソッドの復職基準をみて、人事担当者は「自分自身もクリア出来ないし、出社している多くの従業員もクリア出来ないと思います。」と言います。このような会社で、まずやるべきことは何でしょうか?
4. 軽減勤務からの復帰について
指針やガイドライン、各種裁判例では、ある程度の職務遂行能力がある場合には復職が認められると考えていますが、高尾メソッドでは『軽減勤務からであれば開始できる』という状態で復帰を認めてはいけないとされています。この方針の背景や理由について詳しく教えてください。
高尾メソッドの「軽減勤務」ってのが、どの程度のものを指しているのかが解釈難しいと思っています。どこからが軽減勤務だと考えていますか。
5. 高尾メソッドの法的リスク裁判になった場合に、会社が負けるリスクが大きいように感じますが、いかがでしょうか。
6. 産業保健法学会
9月22日(日)10:00~13:00
特別企画1 あなたは本当の「高尾メソッド」を知らない ~行為規範としての復職支援プログラムを考える~
座長 小島健一、秋山陽子
演者 神田橋宏治、前園健司、森悠太 -
第47回|産業医基礎研修会カリキュラム前半編
先日行ったポッドキャスト合宿回の2本目です。旅館の部屋で、産業医基礎研修会のカリキュラムブラッシュアップを行いました。
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■話した内容
1. 産業医基礎研修会とは
基礎研修会の募集案内はこちら
基礎研修会とは、医師が日医の認定産業医として活動するために、受講が必要な研修のこと。前期14単位、実地10単位、後期26単位で構成されている
岡山大学の基礎研修会では、中堅〜中小企業・非製造業の産業医をメインターゲットとして、メンタルヘルス対応・健診事後措置・過重労働対策という3大トピックを中心とした構成にしている
2. カリキュラムについて(1) 産業医学総論
産業医学と臨床医学の整理が重要であり、特に臨床寄りから業務寄りに適応させる必要がある
主治医と産業医の役割や、職場の衛生管理体制における産業医の位置づけについて明確に説明する必要がある
日本の特殊な雇用システムや労働法の枠組み、労働者保護の観点について説明し、産業医がバランス感覚を養うことも重要。
医師は会社における法的地位や背景を理解した上で面談や面接を行う必要がある。その意味で、雇用契約が主たる債務である点や、産業医と従業員の間に契約関係がないことを伝えていく
大原則を入れる
(2) 健康管理
標準化された健康管理についての講義内容の整理が必要。
産業医の業務についてのガイダンスを行う。健診事後措置や過重労働、メンタルヘルス、新興再興感染症とタバコなどを示す
労働者から産業医が主治医の次の「二人目の医者」と見られることを防ぐため、産業医としての立場を明確にすることが重要。
労災の判定は労働基準監督署の所長が行うものであり、産業医の役割ではないことを理解させる
初期対応が非常に重要であり、産業医としての信頼を得るために慎重な対応が求められる
(3) メンタルヘルス対策
いつもの、メンタルヘルス対応や復職支援の手順と様式を具体的に説明する。
三原則をメンタルヘルスの運用ルールとして紹介。
(4) 健康保持増進
イチロー=カワチ先生の行動経済学に関するスライド資料をもとに説明する
健康診断の一次予防や二次予防のエビデンスはない、希薄であることは、何度でも繰り返し説明する
その上で、どのような健康保持増進施策を考えていけば良いか、そのヒントを提供する
(5) メンタルヘルス対策(手順と様式)
手順と様式について説明する
面接シナリオについても、言及しておくと良い
(6) 産業医に必要な法律知識
安全配慮義務を中心にした開設を行う
(7) メンタルヘルス対策(異動と軽減勤務)
直近のアップデートを盛り込んで、再整理をする
(8) 産業医活動の実際
基礎研受講OB・OGにオンラインで参加してもらい、色々なテーマでディスカッションしてもらう
(9) 面接シナリオの活用
面接シナリオ読み上げのグループワークを行う予定だったが、面談と面接の対比動画を視聴し -
第46回|大自然の中で将来のことを考える
先日行ったポッドキャスト合宿回の1本目です。大自然を感じながら、私たちの今後の事業展開について色々話してみました(静かなところで聴いていただくと、環境音が聞こえるはずです)。
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■話した内容0. 雑談
キジの鳴き声
1. これまでの経緯
2010年〜11年の厚労科研から、企業向けの導入を進めてきたが、様式というよりも研修ニーズの方が高かった
事例検討会もコロナ禍前までは運用できていたものの、徐々に難しくなってきている
いかに産業保健職ではなく人事労務担当者に参加してもらうかが課題
合同事例検討会から、個別事例検討会へ。AIによる支援へ
2019年から、自治体向けの導入を進めた。自治体は高尾メソッドにマッチする部分が大きいようである
2. 今後について
ターゲットとなる自治体は、職員数が200人〜1500人くらいになる(ただその後の議論として、小規模は小規模で別のアプローチを検討しようとなりました)
自治体は予算策定時期と実行時期にずれが生じる。パイロット事業の実施が有効に機能している
事例対応の他に、規程とマニュアル作成、研修のニーズが高い
自治体は文書主義であり、自治体職員は文書作成能力や読解能力がとても高い
頑張っている大多数の優秀な自治体職員のためにも、メンタルヘルス不調者対応で支援をしたいと思っています
市民・行政・議員のパワーバランスも理解が必要
現状は3〜4%→5年後に10%、10年後に50%を目指す
自治体は近くの地域でまとまっているところが多いので、地域ごと導入支援を進めていく方向性を検討したい
自治体向けの産業医基礎研修会の開催をはじめとした、自治体の産業保健体制全体の支援の方向性を模索していきたい
産業医の頭数も増えてきたので、今後は個別研修のニーズも拾っていこう
健康管理ではなく人事担当者にアプローチしていく。法務は対象とはなりにくい -
第45回|専門家について
今回は森が最近考えたことについて、議論してみました。なお、途中で音声が途切れたように思える箇所がありますが、これは編集による故意のものです。
【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会
テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます
日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50
会 場:第 11 会場
こちらのフォームから受け付けた質問になんでも答えます!
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■話した内容1. 雑談
高尾|つま先立ちの練習をし始めました
前園|葬送のフリーレン最新刊を買いました
森|ニンニクの被害があったので、トンネルしました
2. 議論した内容
専門外のことは原則通りとしか答えられないのでは?専門家はその専門に関することは、ややイレギュラーな内容(グレーな内容)も含めて、対応できる。逆に専門外のことは、原則通りの話しかできない
例:医者は、医学の専門領域については、幅広い回答ができるが、専門外の領域について、原則を外れた話をすることは難しい
専門家が、どの分野の専門家であるかを念頭をおいて、回答を求めるべき
労働局あっせん
企業の担当者は基本的には専門家よりも専門領域の知識・スキルが乏しいのだから、原則通りの対応のみしかできないし、そうすべきではないか。それなのに、行き当たりばったり、原則から外れた対応ばかりしている・・・
企業の担当者は、就業規則や労働契約の当事者であり専門家であるべきなのだから、その内容に沿った対応をした方が良い
産業医の専門性とは?メンタルヘルス対応はニーズは多いかもしれないが、産業医の業務のごく一部
公衆衛生の視点から労働者集団に対する健康管理を考える
論点整理とメタ認知。素人はあれこれ手を出して気にかけて、論点を増やす、散漫にする。専門家はどのような点が争点になるか知っているから、枝葉を切り落として論点を絞った対応ができる
弁護士による論点整理と、高尾先生のメタ認知は似ている気がする
弁護士の論点整理が、むしろ仇になっていることも・・・
論点主義の弊害:論点と実際の現場への助言は分けて対応しないといけない
シンプルに考えれば、2択の選択肢の繰り返しになるはず。ところが、目の前の2択を飛ばして、先の先の先の選択で悩んでいることが多い
裁判は判断基準→当てはめ→結論
就業規則を定めることで判断基準を規定できるし、就業規則までなくても、適切に説明を繰り返していけば、それが判断基準とできうるのでは