残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか" kotaro zamma
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イノベーションで世界をよりよく変えていこう、という闘う人々を応援するチャネルです。スタートアップや大企業、音楽家やアーティストなど、様々なイノベーターのビジョン、考え方、パッションを是非是非、全身で感じてください!
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不条理劇ノベーション(1111回)
シアタートラムにて観劇させて頂いた、日本の不条理劇の第一人者の別役実さん作、加藤拓也さん演出の舞台: "カラカラ天気と五人の紳士"がめちゃくちゃイノベーティブで感動しました
パンフレットにて日本経済新聞社の編集委員の内田洋一さん曰く
"何がおかしいかわからない、けれどおかしい。それが不条理劇だ。
評伝をまとめるため晩年に連続インタビューした私は、何度となくそう聞かされた。そして、何がおかしいかわからないがおかしい笑いには、行きつく先があった。
ほかならぬ人の死である。本来厳粛であるべき死を笑うことができるか"
ここから私は、堤真一さん、溝端淳平さん、藤井隆さん、野間口徹さん、小手伸也さん、中谷さとみさん、高田聖子さんという大好きな俳優の皆様の創られる不条理劇に感動と共に、イノベーションそのものだと思いました。
1、期待とのズレ
太刀川さんの進化的エラー
2、常識は非常識
ニーチェの解釈論
3、余白だらけ
マルセルデュシャンの見る人一人一人の物語
不条理劇の名の通り、こちらが期待する事柄とは、全く違う角度から、セリフや動きや展開がなされていくという意味において
いかに、期待とのズレを生じさせるかというところが絶妙な計算が施されている気がしました。これはイノベーション的には、太刀川さんの進化的思考からすると、進化と適応の繰り返しにおける
期待する状況を裏切るエラーが起きた時に、進化が起きているかもしれない、それが適応を駆逐して行った時に、イノベーションとなり得るということにとてもシナジーがあると思いました
つまり、これまでの行動やセリフが、本当にそうなんだっけ?という問いを発せられるイノベーション状態が常に創り出されているということだと思いました
そして、これまで常識だと思っていたことが、ことごとく覆される経験をすることができる、これまでの常識は本当は非常識なんじゃないか、と解釈を180度変えられる経験をさせられると思いました
それは、まさにニーチェの、真実はない、あるのは解釈元々のみという解釈論そのものであり、これもまた、イノベーティブ思考に直結する経験だなと思いました
さらに、劇中の出来事が、なぜそうなっているのかという、時代や背景、さらには一人一人の名前さえも、ほとんど描かれてこないので
そこは、みてる人たちが想像するしかない世界が広がっててます。それは、まるで、マルセルデュシャンの、アートは見る人がいて完成する、とのとおり
一人一人がいろんな背景や物語を、想像する余白があるということなのだと思いました
だからこそ、なんだかよくわからなかった、ということにもなりえますが、逆にいうと、そこはみんなが想像して完成させる、つまり一人一人の物語にできる余白なのだと
そんなメッセージが込められている気がしました。これはついつい説明しちゃうので、実はとても難しいけど素敵なやり方だなと思いました
ということで
不条理劇は、進化論的エラーを生み出し、解釈で常識をひっくり返し、見るもの一人一人の想像に委ねる余白を設けている、めちゃくちゃイノベーティブな活動だなと思いました
不条理劇にはイノベーションが詰まりまくっている
不条理劇ノベー -
無意識が自らを変えるノベーション(1110回)
京都大学教授で精神分析学者の立木康介(ついきこうすけ)さんの、フロイトの夢判断へのコメントに目から鱗が落ちる思いでした
曰く
"夢っていうのは、見ただけでは過去にしか通じてないけど、分析すると未来につながる、そういう可能性も持ってる
それがどういう願望なのか、そう言ったことを知ることで、自分を変えていける
そうすると自分の未来につながっていく"
ここから私は思いました
1、夢は無意識のパッションの源の種
2、自らの意識と掛け合わせる
3、本当のパッションの源が見えてくる
無意識ということを発見したのがフロイトの大きな功績だったとのお話に驚きました。
そうすると、自らの意識が覚醒している時のパッションの源と、無意識下のパッションの源は、違う可能性があることなんだと、目から鱗が落ちる思いでした
そして、普段は隠れている無意識を知るためには、自分の夢を意識することでできるとのお話も、非常に興味深いお話でした
だとすると、夢の中に現れて来た無意識を、覚醒している時の意識で、どう解釈していくのか、さらにはどのように掛け合わせていくのか
これによって、覚醒時のパッションの源だけでなく、無意識時のパッションの源を知ることができるかもしれない
そうすると、自分のパッションの源は、ほんとうはこういうところもあるんじゃないかという、自分の中での、深掘りができるのだなあと思いました
無意識を意識することによって、さらなる本当の自らのパッションの源が見えてくる
そこから、新しい自分への気づきや、挑戦が始まるかもしれないと思うと
無意識の発見、それを意識と掛け合わせること
それにより生じる無意識ノベーション
無意識が自らを変えるノベーション
めちゃくちゃ面白いなぁと
そんなことを思いました
ちなみに、自分は、実家の家が知らない誰かに乗っ取られそうになる夢を何度も見ます笑
これはもしかしたら、実家を活用した何か新しいことをしたい、そんなパッションが溢れてるのかも
皆さんは、ご自身の夢に隠されてる、無意識パッション、あるんじゃないですか?
人とお話ししてみても、もりあがるかもしれませんね
そんな話をしています
参考:NHK E テレ東京 100分de名著 フロイト“夢判断” (4)無意識の彼岸へ 初回放送日:2024年4月22日 https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/episode/te/6QK6VW8XWN/
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/YMiJCzDOgb0 -
自分と会社のパーパスを重ねるノベーション(1109回)
パーパスコンサルティングのアイディール・リーダーズ株式会社CEOの永井恒男(ながい・つねお)さん、COOの後藤照典(ごとう・あきのり) の書籍からの言葉に大変感銘をうけました。
"弊社の調査によると、「自社の存在意義(=パーパス)に関して十分に理解・自分事化する機会を得られている」という質問に対して「非常に感じる」と回答した人の69.4%が、「自社のパーパスと自分のパーパスが重なっている」と回答しました"
"弊社のクライアント企業にて、従業員5000名以上を対象に、「幸福度」に関する調査を実施しました。その調査の中で「人生の目的を見つけている度合い(個人のパーパス明確度)」「会社スタンスへの共感」を掛け合わせて分析した結果、人生の目的が明確であるほど、かつ、会社スタンスへの共感度が高い社員ほど、相対的に幸福度が高いという結果になりました"
"さらに、「ハイパフォーマー(人事評価における高評価者)」に関して調査をしたところ、個人のパーパスの明確度が高く、会社スタンスへの共感が高いセグメントが、最もハイパフォーマーの出現率が高い(7.8%)ことがわかりました"
ここから私は思いました
1、自分軸と他人軸の交わり創発
パッションの源と会社のパーパス
2、幸せの条件
健康、仲間、富または自己決定
3、超一流の条件
先生、コンフォート抜け出し、自信
これまで自分軸と他人軸の交わりの創発こそ、幸せな人生とイノベーションの種になるとお話をしてきたのですが、まさに同じようなお話を定量データをもとに分析と実践をされているお話を聞いて、とても感銘をうけました。
ここのお話にででくる個人のパーパスが重要とのお話については、自分軸として、自らのパッションの源に目を向けてみるというのが、とても大切だと思いました
そして、それと、会社や事業部などの他人軸との交わりを、創発していくことこそが、とても重要であると、改めて思いました。
そして、その交わりを意識している人ほど、幸福度が高いということに関して、樺沢紫苑さんが言われている幸せの条件として、健康、仲間、富(成功)が、セレトニン、オキシトシン、ドーパミンと、快楽物質が出るとのお話と合わせて考えてみると
会社生活は、生活時間の1/3を占めている中で、そこで自らのパッションと、会社でのパーパスの交わりが多いほど、精神的な健康状態が良くなるのではないか
また、同じ目的に向かってる仲間がたくさんいて、さらには、そこでうまくいけば給料も上がる、という幸せの条件へ道筋がより具体的に見えてるということにもなりそうだなと思いました
さらには、ハイパフォーマーにもなれる確率が高まるということに関しては、アンダースンさんの、超一流になるには努力が才能か、とのシナジーがあるなと感じました
つまり、超一流になるためには、一流の先生、コンフォートゾーンを抜け出す、自信がある、ということが条件なのですが
一流の先生とは、会社においては、お客様になるのではないか、お客様こそが新しい価値を生み出すための最も厳しく温かい先生になるのかもなと
そして、仕事における納期やコストの厳しさは半端ないので、何とかそれを実現するために、コンフォートゾーンを抜け出すことを -
リーダーシップは内なる声から始まるノベーション(1108回)
リーダーシップ教育・社会啓発を目的とした特定非営利活動法人(NPO)のアイ・エス・エル(ISL)を創設された野田智義さん、神戸大学大学院経営学研究科教授の金井壽宏さんの書籍"リーダーシップの旅"からのリーダーとは何か?にめちゃくちゃ感銘を受けました
曰く
"このようにリーダーを突き動かすもの、走り出させるものについて、前出のW・ベニスは、「リーダーは内なる声(inner voice)を聴く」と表現した。
内なる声を聴くことは、自分の存在価値を問う作業でもある。自分とは一体何なのか。何のために存在し、何を大切に思っているかを自身の胸に深く問いかけなくてはならない。"
"三人称のフォロワーによる帰属でもなく、社会による公認でもない、一人称で、自分が「見えないもの」を見たいと頭で考え、心の底から願う気持ち。これこそがリーダーシップのプロセスを理解する上で最も重要だと考える。"
ここから私は思いました
1、リーダーは役職ではない
2、内なる声が聴こえるか
3、パッションの源を見つめ抜く
会社員時代には、いよいよ課長だなとか言われて、「明日からリーダーとして頑張ってくれたまえ」的なことを言われて、役職が人を作るから大丈夫的なことを言われたこともありました
確かに、何人も部下がいたり、マネージャーとして人を管理している人がリーダー的な感覚で思っていましたが、そうではないということにとても共感しました
部下がいようといまいと、支持してくれる人がいようといまいと、まずは自分から溢れ出るものがあり、それを実行に移そうとしてる人がリーダーだと
そのためには、溢れ出る内からの声に耳を澄ますのいうことが大事なのだなと思いました
それは、普段は意識しないと、自分のうちなる声って、なんだろうと、思うことかと思います
普段の仕事ややることが忙しすぎて、内なる声を聞く暇もないというのが、自分を振り返っても、そうだったなと思います
僕の場合は、朝と夜のタイミングで、自分のパッションの源からでてきてる願望やそれに対する感謝を思う会というのを2-3分ルーチンでやってて、
ああ、とりあえず今日もパッションの源に少しでもかすってたなとか思えると、なんとかなく心が落ち着くような気もします
どこかのタイミングで、たとえばパッションのポートフォリオを使って、大好きなことはできてたか?誰かが喜んでくれることはできてたか?自分の個性を追求できてたか?自分の成長に繋がってたか?
を定期的に洗い出して、チェックしていくようなことができると、いつの間にか、もっとこれやりたいとか、なんかこんなこと思ってきたとか、抑えきれない思いが出てきたら
それがパッションの源になり、そしてリーダーシップの旅の始まりになるのではないかと
リーダーシップとイノベーターは限りなく近いなと
リーダーシップは内なる声から始まるノベーション
そんなことをお話ししてます^ ^
参考:本:リーダーシップの旅 見えないものを見る 2007年2月20日初版1刷発行 著者 野田智義 金井壽宏 発行所 株式会社光文社
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/wyEf0l9MI-8 -
受け身ノベーション(1107回)
アントニオ猪木さんが、ロシアがプロレスを導入するかにあたって説明した内容が、新しい産業を新たに創造する鍵だなと感動しました
”ロシアの選手には、まだプロがなかったんですね
彼らにプロレスを説明しなければいけない
その時にふっと思ったのが4つの柱です”
まとめさせていただくと以下の4点と思いました。
1、受け身が一番上
2、すごい技
3、感性と表現力
4、戦いを超えた信頼関係”
ここから私はビジネスに当てはめて思いました
1、何度でも闘える力
マインド、体力、環境
2、技術とプレゼン
差別化要素
3、成否を超えた信頼
市場創造、オープンイノベーション
新しい市場を創るということは、いろんな困難に叩きのめされるということ。それでも、何度も平気な顔で立ち上がって次々とチャレンジをしていく
それはまるで、プロレスラーがどんな技を受けても、いやむしろ積極的に受けながら、そして最終的なフィニッシュのチャンスを狙っていく
それができるのも、まずは、受け身が完璧に取れるかということにかかっている、という猪木さんのお話は、めちゃくちゃ勉強になりました
ビジネスで言えば、打ちのめされても立ち上がるマインド、そして二の矢を打てる体力、もっと言えば、環境として何度でも挑戦できる環境があるからこそ、大きな挑戦ができる、そんなふうに思いました
そして、ビジネスには、新しい技術だったり、それを伝えるためのプレゼンが求められる、それはプロレスでいうところのすごい技や、感性や表現力にあたるなと
さらには、新しい市場を創るためには、自分だけで一人勝ちを最初から目指すことなんかできなくて、むしろ競合がいた方がいい、競合も含めて一緒に市場を創っていく
そのためには、競合とのフェアな信頼関係が実はとても重要になる、もっというと、競合とオープンイノベーションをしてまでも市場を創っていく
そこには、共に新たな市場を創るという大義において、信頼関係が大切になってくるよなあと、それはまるでプロレスラー同士が、戦いながらも、観客の感動を創り上げていく、そんな信頼関係にも似てるなあと
そんなことを思いました
新しい市場を創るためには
まずは受け身が取れること、そして技術やプレゼンで質を担保しながら、最後は競合も含めて共に市場を創っていく信頼関係が大切である
プロレス界のイノベーターの猪木さんだからこそ、身をもって保有されたノウハウなんだろうなあと
私は誰の挑戦でも受ける
と言いきれたのは、どんな技でも、受けて立てる、受け身ができる、そこから恥末待てるのかもしれないなあと
そんなことを思いました
そんな話をしています^ ^
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/rHbh92evxX4
参考:NHK Eテレ東京 スイッチインタビュー 特別編「アントニオ猪木×天野篤」EP1 初回放送日:2024年4月19日 https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/episode/te/7Y6PYZNYYP/ -
ユーモアを掛け合わせ発信する力ノベーション(1106回)
作家・岸田奈美さんが自身の家族について綴ったエッセーを原作に連続ドラマ化された、河合優実さん主演のNHKドラマの"家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった"に感動で泣き崩れ、その中のセリフにめちゃくちゃインスパイアされました。
曰く
"家族だけで抱え込んでたら、悲劇って呼ばれることでも、人を笑わせたら喜劇にできるかなって思てん"
ここから私は思いました
1、ニーチェの解釈論
悲劇だって喜劇にできる
2、心理的安全性と機能的固着からの脱却
ユーモアノベーション(1044回)
3、感情教育
エンタメのチカラ
''ベンチャー企業家だった父は急逝し、母は突然車いすユーザーに。弟はダウン症、祖母はものわすれの症状が・・・"その中で生きる高校生の視点からのめちゃくちゃ素直なお話しなのですが
側から見ると一見悲劇的なお話を、主人公が素直な苦しさを吐露しながら、愛に満ち溢れた素敵なお話なのだと表現してるところが、本当に素晴らしく泣きまくりでした。
これは、ニーチェの解釈論における、「真実はない、あるのは解釈だけである」にあるように、悲劇でさえも喜劇にすることができるのである、という勇気溢れる実例に見えました
そして、ユーモアの力が如何に強いかということも、まざまざと見せてくれました。これは、以前ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナスのお話にインスパイアされた、ユーモアノベーション(1044)でお話しした通り
ユーモアには、心理的安全性と機能的固着からの脱却を促す働きがあるのだなあと、つくづく思わせて頂きました
つまり、ニーチェの解釈論を活用する場合に、その解釈にユーモアを掛け合わせることによって、固定観念から解き放ち、周りのみんなももっと自由な解釈を促すことができる
一見、悲劇的なことに見えるかもしれないけど、本質的なところに目を向けさせてくれる、周りの人たちも特別なことじゃないと思うことができる、そんなことを思いました
そして、これが書籍になり、ドラマになることは、ローディの感情教育にもつながるなとも思いました。悲劇的なことは、論理だけじゃ伝わらない、そして自分自身だけからも伝え切ることはできない
そこには、第三者の介入があって、それを感情が通う物語にして、いろんな人たちに伝えることによって、真の姿が伝えることができるようになる
そして、それをすることで、本人も救われることにつながる可能性があるということを、まざまざと見せていただいた気がしました
悲劇でさえも、解釈にユーモアをかけることで、喜劇にすることができる、そしてそれを感情教育に結びつけることで、エンタメ化し、さまざまな人々に真実を伝え、かつ本人も救われる可能性がある
つらいことがあっても、それにユーモアを掛け合わせて発信する
本人でできなれば、誰かがそういう形に持っていく
それによって救われる人が、たくさん生まれるのかもしれない
ユーモアを掛け合わせ発信する力ノベーション
そんなことを思わせて頂きました
参考:NHK 家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった https://www.nhk.jp/p/ts/RMVLGR9QNM/