46 min

ep31-2「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)-裏口から・他人の欲望・誤配/観光/憐れみ‪-‬ アワノトモキの「読書の時間」

    • Society & Culture

「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)から抽出した3つのキーワードをもとに対話を深める&偶然の話題の展開を試みる2回目の放送。



キーワード3つと概要はこちらです。



1.裏口から引きずり込む戦略

「Podcastにも、仕事にも必要な概念ではないか?」という、私(粟野)の個人的な課題感から取り上げた言葉になります。

本書の中では、リベラル知識人が発する「他人を大事にしよう」という正論が、世の中的に食傷気味で受け入れられない現在、正面突破ではない現実的な戦略を取るべきではないかと(リベラルの)東浩紀さんが考えたという文脈。

具体例として、「チェルノブイリ」などへのダーク・ツーリズム(戦争・災害などの悲劇の地を“敢えて”観光の対象とし、本質的な理解を深めたり、つながりをつくる取り組む)があり、「幼稚な好奇心=裏口」からでもまずは興味を持ってもらい接点をつくる、という取り組みが紹介されています。

「裏口」。堅苦しくなりがちな私(粟野)にとって、自らを顧みて反省させられる・気づきがあるキーワードでした。

リスナーの皆さんはいかがでしょうか。



2.他人の欲望を欲望する時代

星野さん曰く「欲望を知りにくくなっている現代=自分との対話をエスケープし、他人に欲望をお任せする」とのコメントと課題意識。

例えば、各種SNSやwebに接することで、暮らしに不満はないのに「年収低くない?」とSNSや広告に煽られて「転職・キャリアアップしなくちゃ」と欲望を植え付けられる我々。

本書の中では、東浩紀さんは「本や絵画、詩などが、それそのものの価値では評価されない。他人がそれをどう評価したか、で評価するようになる時代が今。それは避けがたい」という厳しい現実を指摘されています。納得。

1つ目のキーワード「裏口から引きずり込む戦略」にもつながりますが、「良いものを生み出せば何とかなる」ではナイーブすぎるという当たり前といえば当然すぎる指摘ですが、(Podcastなりブログなりであっても)何かを自分名義で創る、メーカー体験をしてくると、よりリアリティがあり胸に響く言葉。

※私淑するTakram・渡邉康太郎さんの言葉をお借りすると、「トロイの木馬」作戦(外見・見てくれと中身は違うぞ)ということだと理解しました。

話題は、スラムダンク・湘南にある高校にファンが大殺到して大変という話や、星野さんが体験した奄美大島での観光リゾート開発の顛末の具体論まで展開しました。



3.誤配・観光・憐れみ

東浩紀さんの(恐らく)人生のテーマである「郵便的(予期しないコミュニケーションの可能性)」。

「郵便的なあり方=誤配こそが人と人との連帯を生む」という、最初はピンとこない・腹落ちしづらい論ですが、以下の具体例で理解しました。

最初から連帯を意図する行動、例えばデモ活動をイメージすると、強いメッセージ・同じ価値観を持つ同志グループの中では強い連帯はあっても、逆にそのグループ外では強い反対や断絶、冷めた空気感を生むかもしれない。

一方で、郵便的・誤配・観光客的なふわふわ・曖昧なあり方で人と人が触れ合うと、何も起こらないかもしれないけれど、予定調和ではないからこそ、自然な人と人とのつながりや憐れみ・連帯を生むかもしれない。

※収録時の対話では、

「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)から抽出した3つのキーワードをもとに対話を深める&偶然の話題の展開を試みる2回目の放送。



キーワード3つと概要はこちらです。



1.裏口から引きずり込む戦略

「Podcastにも、仕事にも必要な概念ではないか?」という、私(粟野)の個人的な課題感から取り上げた言葉になります。

本書の中では、リベラル知識人が発する「他人を大事にしよう」という正論が、世の中的に食傷気味で受け入れられない現在、正面突破ではない現実的な戦略を取るべきではないかと(リベラルの)東浩紀さんが考えたという文脈。

具体例として、「チェルノブイリ」などへのダーク・ツーリズム(戦争・災害などの悲劇の地を“敢えて”観光の対象とし、本質的な理解を深めたり、つながりをつくる取り組む)があり、「幼稚な好奇心=裏口」からでもまずは興味を持ってもらい接点をつくる、という取り組みが紹介されています。

「裏口」。堅苦しくなりがちな私(粟野)にとって、自らを顧みて反省させられる・気づきがあるキーワードでした。

リスナーの皆さんはいかがでしょうか。



2.他人の欲望を欲望する時代

星野さん曰く「欲望を知りにくくなっている現代=自分との対話をエスケープし、他人に欲望をお任せする」とのコメントと課題意識。

例えば、各種SNSやwebに接することで、暮らしに不満はないのに「年収低くない?」とSNSや広告に煽られて「転職・キャリアアップしなくちゃ」と欲望を植え付けられる我々。

本書の中では、東浩紀さんは「本や絵画、詩などが、それそのものの価値では評価されない。他人がそれをどう評価したか、で評価するようになる時代が今。それは避けがたい」という厳しい現実を指摘されています。納得。

1つ目のキーワード「裏口から引きずり込む戦略」にもつながりますが、「良いものを生み出せば何とかなる」ではナイーブすぎるという当たり前といえば当然すぎる指摘ですが、(Podcastなりブログなりであっても)何かを自分名義で創る、メーカー体験をしてくると、よりリアリティがあり胸に響く言葉。

※私淑するTakram・渡邉康太郎さんの言葉をお借りすると、「トロイの木馬」作戦(外見・見てくれと中身は違うぞ)ということだと理解しました。

話題は、スラムダンク・湘南にある高校にファンが大殺到して大変という話や、星野さんが体験した奄美大島での観光リゾート開発の顛末の具体論まで展開しました。



3.誤配・観光・憐れみ

東浩紀さんの(恐らく)人生のテーマである「郵便的(予期しないコミュニケーションの可能性)」。

「郵便的なあり方=誤配こそが人と人との連帯を生む」という、最初はピンとこない・腹落ちしづらい論ですが、以下の具体例で理解しました。

最初から連帯を意図する行動、例えばデモ活動をイメージすると、強いメッセージ・同じ価値観を持つ同志グループの中では強い連帯はあっても、逆にそのグループ外では強い反対や断絶、冷めた空気感を生むかもしれない。

一方で、郵便的・誤配・観光客的なふわふわ・曖昧なあり方で人と人が触れ合うと、何も起こらないかもしれないけれど、予定調和ではないからこそ、自然な人と人とのつながりや憐れみ・連帯を生むかもしれない。

※収録時の対話では、

46 min

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