けそとノビオのやまんばラジオ

映画『福田村事件』を語る

【Episodio51】今回は映画『福田村事件』について、徒然なるままに語らいます。

※※ 様々な差別のシーンを含む映画ですが、特に事件当時朝鮮人と呼ばれた人々への暴言や暴行、殺害のシーンが多く含まれる映画です。鑑賞の際はご注意ください  ※※

※※ 回の後半は、多めにネタバレを含みますのでご注意ください ※※

在郷軍人会の登場人物たちがほとんどいつも軍服を着ているのはなぜか/無茶苦茶なロジック「仕返しされることは明白だからそれを防ぐために殺す」/歴代天皇が言えないんじゃなく言いたくない人だっていただろう/ 「粟まき」という恐ろしい言葉も存在していたというのに

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『福田村事件』(2023年製作、日本)

【ざっくり内容&映画のみどころ】

1923年9月1日に関東大震災が発生し一帯がパニックになる中、「朝鮮人が家に火をつけている」「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などの流言飛語を鵜呑みにした日本人たちが大勢の朝鮮人を殺した。殺された人たちの中には、様々な理由で「朝鮮人なのではないか」と疑われた日本人も含まれる。本作は、香川県から行商に来ていた薬売りたちが千葉県東葛飾郡福田村で「朝鮮人なのではないか」と疑われ、村人に殺害された実際の事件を元にした物語である。なぜ村人たちは「朝鮮人ならば殺してもかまわない」と考えてしまったのか、制止しようとする村人たちの話を聞かなかったのか?

加害者側の心の動きや生活も丁寧に描かれていることが、この映画の特徴。「日本人」が加害者として描かれる物語は、そんなことがあり得ると信じたくないあまりに視聴を拒否する人も少なくない。しかし、加害側に参加しなければ自分の社会的存在や生命が危ぶまれるような状況でも、本当に加害者になることを避けられるだろうか?被害者を守る側に立てるだろうか?「自分とは違う存在」としてではなく「自分もそうなってしまうかもしれない存在」として加害に走ってしまう村人たちを観て。

澤田智一役は井浦新、澤田静子役は田中麗奈、沼部新助役は永山瑛太、田中倉蔵役は東出昌大、島村咲江役はコムアイ。

監督は森達也、脚本は佐伯俊道・井上淳一・荒井晴彦。

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A PEOPLE / people / 森達也「福田村事件」 https://share.google/R7rgyQUfTjMl8MzSl

※ラジオ内で触れた作品等について、けそがブログで補足する可能性があります。

https://queso-samba.hatenablog.com/

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