残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

競争のためにやっちゃいけないノベーション(1605回)

ダンサーで俳優の田中泯さんと俳優の橋本愛さんの対談で、田中さんからの言葉に痺れました

"一生懸命体を鍛えて、その動きができるようにしていくっていうのも。 1つの方法で、それも踊りの 1つのあり方なです。

それを否定する気全くないし。でも、一番大事大切なのは、競争のためにそれをやっちゃいけない。踊りのためにやらなくちゃないそこが一つの番重要なことだと思います。

競争をすると、多分自意識がさらに高まってきます。確かに。そうすると見たくない人が、絶対現れてきます。

要するに、見る人って動いている人の踊っている人の体の中に入りたくなるんです。なりますよね。そこが踊りなんです。"

ここから私は思いました

1、内発的動機から動いてるか

2、パッションの源を見つめ直す

3、大義が仲間を連れてくる

1、内発的動機から動いてるか

田中泯さんが、フリーダンサーだったということが、衝撃だったのですが、それであの存在感のある演技が生まれてるのかと、勝手に合点が行った気がしました

競争のためにやっちゃいけない、との言葉には、田中さんの生き様が反映された言葉なのかと思いました。

そこから思うのは、他の人たちがどうであろうと、自分が信じることをやる、という、田中さんの内発的動機から動く姿勢が現れた言葉かと思いました

デシさん&ライアンさんの有名な自己決定理論からですが、報酬や評価、罰などから生じる外発的動機からは、「外的報酬は、一時的に行動を強めるが、内発的な興味を損なう可能性がある。」とのことがあり

逆に内発的動機は、「人は自分の行為を自分自身の選択として経験する時、最も強い動機を感じる。」と言われており

イノベーティブな活動は「やらされ感」ではなく「自ら選んだ感覚」からこそ生まれる。自律性を守ることが創造性の持続の鍵。」ということに、とてもシナジーがある考え方だなあと思いました

2、パッションの源を見つめ直す

内発的動機を持つためにはどうしたら良いかということについては、デシさんとライアンさんは、自立性、有能感、関係性が大切と言われてますが

私は自らのパッションの源がわかっていることがとても大切だと思っています。忙しすぎるととかく、やらされ仕事や、また日々生活をするためにやってることに忙殺されますが

そこでほんの一瞬でも、みずからのパッションの源ってなんだっけ?という時間を、お風呂の時でも、寝る前でも、考えることが大切と思ってます

田中さんは、その自らのパッションの源は、ずっとブレずに、踊る、ということにあったということだと思うと、大好きパッションの炸裂であり、さらにとにかく個性的なその場踊りをするという唯一無二さをみるに、個性派パッションも、同時に炸裂していたのではと、勝手に想像しました

そんな田中さんは、もはや誰と競争をするとは別次元の自らの踊りを追求する、ということにあったのではないかと思いました

3、大義が仲間を連れてくる

田中さんが俳優の世界に入ったのは、ある映画に誘われたからとのことでしたが、その映画の中でも、踊るシーンではないのに、田中さん踊ってましたね、と言われたそうです

田中さんは全くの俳優としては初めての経験だったにも関わらず、絶賛されて、そこから俳優の道が今に続いているということを伺うに

田中さんの、踊る、ということにより、人がその人の踊りに入りたくなってくる、という大義が生まれて、その大義は、踊りだけじゃなく、俳優という表現方法にも、同じく、演じてる人に没入していく感覚と同じなのかもしれないなあと思いました

それを見出した映画監督もすごいし、さらにそれを見事に受けて表現し切った田中さんも凄いなと、思わざるを得ませんでした

イノベーションの世界でも、オープンイノベーションでベンチャーと大企業が共に仕事をする上で大切なのは、目指すべき大義が同じ方向を向いている、ということがあるので、ある意味、オープンイノベーションの一つとして、新しい価値が生まれたのかもしれないなあとも思いました

ということで、一言で言えば

外敵動機ではなく、内的動機に基づいて

競争のためにやっちゃいけないノベーション

それがとても大切と教えてくれているような気がしました

そんな話をしています^ ^

参考: スイッチインタビュー 選 橋本愛×田中泯EP1「国宝」「べらぼう」の2人が対談!

初回放送日:2025年9月5日

https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/episode/te/Z2PW2GXRYP/