こゆきの小粋にリスキリング

リスキリングによる時代の変貌

第76回放送分【2025年9月13日(土)18:10~18:25】

特殊な職種へのリスキリング:

学びを「教養」と「訓練」で考える

今回のテーマトークでは、変化の激しい時代を生き抜くための「学び」について深掘りします。

学びには、パソコンのOSのような根幹となる「教養」と、アプリケーションのような具体的な「訓練」の2つの側面があります。この2つが揃って初めて、真のスキルとして機能します。

特に、近年注目されているリスキリングは、新しい「アプリ」を使いこなすようなもの。しかし、その背景には、3年前の2022年を境に加速した、ビジネス環境の劇的な変化があります。

私たちは今、第四次産業革命から9年という時代の大きな転換点にいます。リスキリングという言葉が浸透する前、日本の地方では若者の流出や産業の空洞化、そして「声なき格差」が進行していました。さらに、社会的な競争を拒否し、最低限の生活で満足する「タンピン(躺平)主義」が若者を中心に広がり、見過ごせない問題となっています。

この「タンピン主義」がなぜ深刻なのか?そして、この時代を生き抜くために、私たちはどのように学びを捉え、リスキリングを進めていくべきなのでしょうか?

変わりゆく時代の中で、リスキリングは単なるスキルアップを超えた、生き方そのものを問うテーマになってきています。

沖縄から紐解く、地方創生とリスキリング

後半のテーマトークでは、日本全体で進むリスキリングの最前線に焦点を当てます。

2022年、岸田政権が打ち出した5年間で1兆円のリスキリング支援策は、まさに変革の狼煙となりました。この政策をきっかけに、地方の自治体や大学、企業が独自の取り組みをスタートさせています。

その中でも特に注目なのが沖縄です。2024年のスタートアップ資金調達額が全国10位となるなど、その意欲は全国でも群を抜いています。琉球大学の「りっかDX(RICCA DX)」のような、中小企業のデジタル人材不足を解消する取り組みも、学び直しの具体的な形を示しています。

また、琉球大学の眞榮平教授によるゼロエネルギーハウスの実証実験のように、生活に密着した、それでいて夢のあるプロジェクトも生まれています。こうした「憧れ」や「夢」こそが、学びや行動の原動力となるのです。

さらに、最近の沖縄の労働市場には、都心から地元へ人材が戻ってくる「人材還流」の兆しが見られます。その背景には、地方をデジタル導入の実験場と見なす「地域DXフロンティア」、都市にはない幸福を追求する「ウェルビーイング・エコノミー」、そして地域特有の文化や産業を再評価する「ローカル価値創造」といった、新しいビジネスのトレンドが影響しているのです。

リスキリングは、単なるスキルアップにとどまらず、地方創生や、新しい働き方の実現を加速させる鍵となっています。私たちの未来は、実はここにあるのではないでしょうか。

クールダウントークでは、「有能な人材の流出は沖縄の課題ですが、人が戻る、還流の兆しは

希望です。」と締めくくりましたが、その希望を指南し、支援いただけるのは、沖縄の人材に期待を抱く、有能な”その業界の専門家だった方々”がいたりします。
特にIT業界は、横の繋がりを有効活用し(ある意味”オープンソース”的考え方)、企業横断でシナジー効果を生み出しています。

私の周辺にも有能な方々が、沖縄のポテンシャルに懸け、日々奮闘されています。

地上波でかかった曲は、ラジオネーム「オードリー・タンタンのリクエストでRIP SLYME『楽園ベイベー』です。

※ポッドキャストでは著作権関連で割愛。

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・番組へのリクエストでも意見でも紹介してほしい事でもなんでもいいです。メールを募集しています。

参考文献

琉球新報_5.経済面「新興企業_沖縄10位」(2025.6.10)

琉球新報_4.経済面「ゲームに強いスマホ」(2025.8.23)