《時代が見えそう》味本飯店

【前編】『外来種は本当に悪者か?:新しい野生 THE NEW WILD』(フレッド・ピアス著/草思社)【味本飯店】

【キーワード】『池の水ぜんぶ抜く』(テレビ東京)/あまりにも外来種を悪と決めつけている/ナンキンハゼ(春日山、奈良公園の外来種)は防ぎようがない/入ってきたものとどう共生していくか?/環境保全が原理主義的になってしまう/在来種/もとの生態系のバランスを過剰に崩す外来種もたしかに存在/遺伝的多様性(固有の遺伝子を大事にする)/SDGs/生物多様性/外来種がやってくるきっかけ/ヨーロッパの探検/不毛な土地に新たな生態系を作る/新しい生態系とピュアな生態系/ピュアな自然なんかないだろう/原始林は人の手が入っているから面白い/屋久島="手つかずの森"ではない/ピュアだと思われている自然にも人間の関わり・存在が内在/人間の関わりがないものと擬装する/"人間の関わりがないものが良い"という論理だと、自然を大事にすることと遠くなる/温暖化、物流、交流、産業/特定外来種/生態系が壊れるわけではなく、バランスが著しく悪くなる/ニホンザリガニがいなくなったのは本当にアメリカザリガニだけのせいなのか?/外来種を悪者とすることだけでその状況を理解できたとすることに警笛/都市化/ゲンゴロウ・タガメ(農薬)/生息できる環境が減っていることが一番大きい/外来種が増えたのは人間が愚かだったから/本来の目的にあった利用をやめてしまう/ウシガエル(食用)、マングース・アライグマ(かわいい)/リスクを想像していなかった/「生き物を殺すのはかわいそうだから自然に返してあげなさい」の根強さ(仏教的考え?)/ミシシッピアカミミガメ/「死ぬまで飼いなさいね、それが生き物を飼うこと」という教育が足りなかった/"積極的に"逃がそう/自然の許容量は深かった/捕まえたものを野に放つ/かつては家の近くで取れた生き物を飼い、元の場所に返していた/倫理/同じ生き物だけど外来種=(命の)判断がありうると思ってそもそも飼う/生態系は宇宙レベル・地球レベルでは強い/生き物についての学び・教育/向こう側には生き死にの話が常に漂う  

※この回には、続きがあります。続きは【後編】をお楽しみください。  

【出演者】   
■今日のお客さん
杉山拓次         
 BOKUNARA  主宰  
 春日山原始林を未来へつなぐ会 事務局長  
 奈良教育大学次世代教員養成センター研究員      

■今日の店主   
原口悠            
 一般社団法人TOMOSU 理事            
 一般社団法人大牟田未来共創センター 理事            
 NPO法人ドットファイブトーキョー 代表理事         

-店主・原口の本との付き合い方-
体系的な知識がないなか、好奇心の赴くまま、分野を問わず、まさに主観的に本に親しんできました。大学時代は華やかなキャンパスライフに馴染めず図書館に日々ひきこもり、社会人になってからは未知の領域のプロジェクトを進める際にいつも本が助けてくれたという実感があります。ひとつのテーマについて複数の本をざっと読むことで共通する構造や論点を見つけたり、精読することで著者が悩んだ形跡や浮かび上がってくる気づきを得たりすることが好きです。  

【本について】   
・取り上げた本:フレッド・ピアス著、藤井留美訳『外来種は本当に悪者か?:新しい野生 THE NEW WILD』(草思社)         https://www.amazon.co.jp/dp/4794222122

※味本飯店は、架空の“お店”であり、奈良のBONCHIが運営しています。
 BONCHIには本屋があって、そこには、今回の本をはじめとした、時代を読み解く「?」に出会える本 が揃っています。       
 《BONCHI 公式サイト》    https://bonchi.fun/    

(収録日:2021年2月10日)