【キーワード】日本映画を題材に老いについて考える/第1章:現実問題としての老いの問題/老人ホームに親を入れること/第2章:老いにはいろんな意味がある(老いの万華鏡)/人生はひとつの山ではない/老いをどう受け止めるか?/『釣りバカ日誌』(栗山富夫監督) /思いがけない行動をする老人/第3章:人間が“生”まれて“老”いて“死”ぬ/子供と老人の交流(世代間の話)/中間点(中年)を中心に老いを見る/死:『お葬式』(伊丹十三監督)、『おくりびと』(滝田洋二郎監督)/第4章:昭和は特徴的な時代/時代や社会が老いるとは?/表現を通して世相を読む/感性の鋭い映画監督が描く/映画・映像=現在、過去、未来を見せることができる/ものすごい情報量/映画が終わった後に見た人が想像・イメージできる/密度が濃い小さい宇宙/非言語的なもの(表情・仕草)/映画は複合的な芸術/『東京物語』(小津安二郎監督)/息子を訪ねて老夫婦が東京に行く/都市化された社会に居場所がない、今まで生まれ育った田舎が良い/都市問題、世代間の問題、核家族問題/年老いた老夫婦にとって何が幸せなのか?/『生きる』(黒澤明監督)/老人のプライド/最後、役人としての仕事をしたい/公園をなんとしても作る、それが私の生きた証/認知症の話/親が認知症になって息子がわからない/頭を触っているとわかる/ふと幸せを感じる/『恍惚の人』(豊田四郎監督)/認知症になった親とどう向き合うか/自分が自分じゃなくなる喪失感と、子供(家族)から見て親が変わってしまうという喪失感/親子であることは変わらない/ジレンマ/自分の老いに対して抗う/撫でられるという行為(=親子の原初的な姿)で親子だと確認/純化した親子関係の絆/失われていくものと残っているもの/老いは個人の問題から社会の問題に/社会の中で老いをどう受け止め、どう向き合っていくか?/責任の所在の問題、運転の問題、虐待の問題/介護の社会化/新しい局面/老いはだれにでもやってくる/(自分は)不必要なもの・迷惑をかける存在と感じてしまう/不安/(社会的な)役割がその人を表現すること/老いは容易にできなくさせる/その人の生きている価値は“公園を作る”ことではない/『終わったひと』(中田秀夫監督)/俺にはなにもない/居場所が社会の中にも家庭の中にもない/受け身でいるのではない、新たな人生を掴みにいくという老いの生き方もある/生まれてから老いが始まる/自分の存在価値を実感できること=老いがい/その人がその人であることは変わっていない/老いが全部奪うかのように思わせているのは社会の側/経験値が、教養や人格として残っていればなくならない/鼻にかけている=もったいない/変なプライドを捨てないと/得てきたことは大事に、でもむしろ看板は捨てる/そうならないようなあり方を個人の努力だけに収斂させるのか?/働いている時代にもそれだけでないようにしておく/老いることは喪失ではなく、別のものを得られるチャンス/新しい人生の見方を発見/今まで培った経験・知識/過去を、現在か未来に展開/きっかけを自分で探す
※この回には、続きがあります。続きは【後編】をお楽しみください。
【出演者】
■今日のお客さん
伊藤忠通
奈良県立大学名誉教授(元奈良県立大学学長)
■今日の店主
原口悠
一般社団法人TOMOSU 理事
一般社団法人大牟田未来共創センター 理事
NPO法人ドットファイブトーキョー 代表理事
-店主・原口の本との付き合い方-
体系的な知識がないなか、好奇心の赴くまま、分野を問わず、まさに主観的に本に親しんできました。大学時代は華やかなキャンパスライフに馴染めず図書館に日々ひきこもり、社会人になってからは未知の領域のプロジェクトを進める際にいつも本が助けてくれたという実感があります。ひとつのテーマについて複数の本をざっと読むことで共通する構造や論点を見つけたり、精読することで著者が悩んだ形跡や浮かび上がってくる気づきを得たりすることが好きです。
【本について】
・取り上げた本:天野 正子著『〈老いがい〉の時代――日本映画に読む』(岩波書店)
https://www.amazon.co.jp/dp/4004314755
※味本飯店は、架空の“お店”であり、奈良のBONCHIが運営しています。
BONCHIには本屋があって、そこには、今回の本をはじめとした、時代を読み解く「?」に出会える本 が揃っています。
《BONCHI 公式サイト》 https://bonchi.fun/
(収録日:2021年1月5日)
Information
- Show
- PublishedApril 17, 2021 at 12:51 PM UTC
- Length32 min
- Season1
- Episode33
- RatingClean