《時代が見えそう》味本飯店

【後編】『外来種は本当に悪者か?:新しい野生 THE NEW WILD』(フレッド・ピアス著/草思社)【味本飯店】

※この回は【後編】です。まずは【前編】からお楽しみください。  

【キーワード】春日山の外来種/ナンキンハゼ/ナギ(国内外来種)/今の春日山=著しくバランスが崩れた状態/"ナンキンハゼを抜いてやれ!"にみんな燃える/ちょっと待ってね/中・長期的に見るとそんなに脅威ではない/森が健全で回復力を持っていれば自然に消えていく/ナンキンハゼだけしか生えないという環境に対してアプローチをするべきなのではないか/土砂崩れ/ナンキンハゼが生えてくれていたら止めてくれる/全体最適/森の健全性と鹿/林業/鹿害(全国的に難しいテーマ)/健全な更新ができないのは鹿が植生を食べ尽くしているから/木(カシ)の少子高齢化/循環できない/鹿=いろんなことを背負わされ、矛盾を自らに孕む(信仰の象徴、観光の大事な存在、自然)/鹿が望んでいるわけではない/鹿は多面的/人の問題:それぞれの見方の中でどう折り合いをつけていくか?/鹿と共生/頭数、生息域/もう一歩自然と積極的に向き合う/鹿が本来神聖視されたのは野生・生命力の象徴/隔離され、鹿だけが自然から離れてしまった/奈良の鹿は"人懐っこい(人との共生の1つのあり方)"に走りすぎてしまった/そもそも鹿がいられたのは豊かな自然があったから/鹿が自ら自然の持続性を奪う/人間がどう考えるかに帰結/人間が責任を持って向き合って自分たちを省みる/意思決定/"文化的背景の鹿"の方が強すぎる/僕らにとって鹿は身近、かけがえのない存在/愛護している人、森を守る人、県に対して遠目から見るだけでない/"自然と共生するまち"奈良を世界に見せていく/僕ら自身のテーマとして向き合う/奈良公園にある違和感/ヨーロッパの観光客「大丈夫?こんなに鹿いて」(=向こう側が見えている)/適切な距離感/理念を体現するために頭数を絞る/平安時代:「鹿に会えてまじ超ラッキー」/いっぱいるではない、"時々いる"のありがたさ・うれしさ・素晴らしさ  

【出演者】   
■今日のお客さん
杉山拓次         
 BOKUNARA  主宰  
 春日山原始林を未来へつなぐ会 事務局長  
 奈良教育大学次世代教員養成センター研究員      

■今日の店主   
原口悠            
 一般社団法人TOMOSU 理事            
 一般社団法人大牟田未来共創センター 理事            
 NPO法人ドットファイブトーキョー 代表理事          

-店主・原口の本との付き合い方-
体系的な知識がないなか、好奇心の赴くまま、分野を問わず、まさに主観的に本に親しんできました。大学時代は華やかなキャンパスライフに馴染めず図書館に日々ひきこもり、社会人になってからは未知の領域のプロジェクトを進める際にいつも本が助けてくれたという実感があります。ひとつのテーマについて複数の本をざっと読むことで共通する構造や論点を見つけたり、精読することで著者が悩んだ形跡や浮かび上がってくる気づきを得たりすることが好きです。  

【本について】   
・取り上げた本:フレッド・ピアス著、藤井留美訳『外来種は本当に悪者か?:新しい野生 THE NEW WILD』(草思社)         https://www.amazon.co.jp/dp/4794222122  

※味本飯店は、架空の“お店”であり、奈良のBONCHIが運営しています。
 BONCHIには本屋があって、そこには、今回の本をはじめとした、時代を読み解く「?」に出会える本 が揃っています。      
 《BONCHI 公式サイト》    https://bonchi.fun/    

(収録日:2021年2月10日)