社長参謀|名古屋

第2回 〜本を読んで体力がつく話 本編〜なぜ熱意と知識だけでは勝てないのか?

皆さん、おはようございます。

朝6時になりました。「夜明けの戦略会議」、社長参謀の小島です。

昨日は、インプットばかりで行動が伴わない、

「知識メタボ」という、組織の見えざる病について、お話しさせていただきました。

さて、本日はその第二回。

では、なぜ、私たちの組織は、知識メタボに陥ってしまうのか。

その根本的な原因を、解き明かしていきたいと思います。

昔から、成長の秘訣は、「心・技・体」この三つのバランスにある、と言われています。

「やりたい」という熱意、これが「心」。

「やり方」という知識やノウハウ、これが「技」。

多くの企業が、この「心」と「技」を育てるために、

マインドセット研修を行ったり、最新のビジネス書を勧めたりしています。

もちろん、それ自体は、とても大切なことです。

しかし…それだけでは、今の時代、勝つことはできません。

なぜなら、三つ目の要素が、決定的に欠けているからです。

それが、「体」。

つまり、「実践躬行力」です。

事業を、現実の、泥臭いマーケットの中で動かし、

競合との厳しい戦いに打ち勝ち、

そして、予期せぬトラブルを乗り越えるための、強靭な肉体。

これこそが、「体」なのです。

少し、具体的に考えてみましょう。

会社の生命線とも言える「企画力」を例にお話しします。

私は、企画力とは、「かけ算」である、と考えています。

「切り口の数」、かける、「連想力」。

この方程式です。

本やセミナーで得られる「切り口」というのは、知識、つまり「技」の部分です。

それは、いわば、ミシュランガイドに載っている、最高のレシピブックのようなものです。

しかし、考えてみてください。

レシピブックをただ眺めているだけで、お客様を感動させる一皿が作れるでしょうか。

答えは、ノー、ですよね。

お客様を本当に感動させる料理というのは、

その日の気温によって、ほんの少し変える、火の加減。

お客様の体調を、そっと見て、調整する、塩加減。

会話の流れを読んで、すっとお出しする、最高のタイミング。

これらは全て、レシピブックには載っていません。

厨房で、何度も何度も失敗し、時には火傷をしながら、

試行錯誤を繰り返す…

そんな地道な「鍛錬」からしか、生まれない力なのです。

これこそが、「連想力」であり、実践する「体」なのです。

知識だけで作られた、美しい事業計画書。

しかし、いざ始めてみると、最初のクレームで、心が折れてしまう。

お客様からの、予想外の反応に、どうしていいか分からなくなる。

…皆さんも、そんな経験、ありませんか?

鍛え抜かれた事業は、強靭です。

無数の失敗という経験が、「隠し味」となり、

苦しい場面でも、「ああ、あの時のあれが使えるな」と、

次の一手を「連想」できるのです。

これこそが、他社には決して真似のできない、本物の競争優位ではないでしょうか。

本日の結論は、明快です。

熱意である「心」と、知識である「技」は、

「体」、つまり、強靭な実践躬行力という器があって初めて、

圧倒的なパフォーマンスへと、姿を変えるのです。

さて、明日は、いよいよ最終回です。

この「知識メタボ」を克服し、実践できる「筋肉質な組織」へと変革するための、

具体的な処方箋について、お話しします。

「夜明けの戦略会議」、お相手は、社長参謀の小島でした。

それでは、今日も良い一日を。


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