岸本久美子の源氏講座

義理の母藤壺の宮 六「燈などの消え入るやうに」文・朗読 岸本久美子

第四章「通り過ぎた女君たち」

 瀬戸内寂聴さんは「源氏物語はどこを開いても男と女の愛と恋のお話、光源氏の最大の才能は女たらし」とどこかに書いておられました。たしかに光源氏は、その生涯で、10指に余る女性と関わっています。ただし、彼の恋の狩人時代は、10代のある時期に限定されていて、源氏物語全体を見れば恋物語の分量はさほど多くはないのです。この章では光源氏がその青春時代に関わりを持った女君の中から6人だけをとりあげてみました。月2回、全6回を予定しています。原文の引用はこれまでと同じ新潮日本古典集成によります