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『詩と散策』ハン・ジョンウォン|音読ブラックスワン#116

『詩と散策』

ハン・ジョンウォン |橋本 智保・訳|書肆侃侃房|2023年2月6日

朗読箇所:「悲しみ、咳をする存在」より(P.39~50)

散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ

雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編

オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス……

『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。

【目次】

宇宙よりもっと大きな

寒い季節の始まりを信じてみよう

散歩が詩になるとき

幸福を信じますか?

11月のフーガ

悲しみ、咳をする存在

果物がまるいのは

夏に似た愛

心のかぎりを尽くして来たから

永遠のなかの一日

海から海のあいだに

なにも知りません

よく歩き、よく転びます

国境を越えること

みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー

ひと晩のうちにも冬はやってくる

夢とおなじ材料でできている

夕暮れただけ

窓が一つあれば十分

灰色の力

真実はゆっくりとまぶしくなければ

猫は花の中に

いくつかの丘と、一点の雲

今日はわたしに、明日はあなたに

彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙)

日本の読者のみなさんへ

訳者あとがき

http://www.kankanbou.com/books/kaigai/kaigai_essay/0560

企画・朗読:若林恵

録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)

音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii

書影撮影:Kaori Nishida

黒鳥福祉センターにて収録