#065 鍋という名の宇‪宙‬ げんしじんのやせいラジオ

「鍋パしようぜ！」今日も元気なアイツは今日も元気に陽気なイベントをコンサルする気マンマンマンだ(最後のマンは「男」って意味のマンなんだよ)。この提案にやぶさかでないのはかつて僕らに「たとえばバンドのアー写とかさ、そういった感じで複数人でその組織、チームを象徴するような写真を撮る際は、え？こんなに近づいて撮らないといけないもんなんですか？っていうほどに相手と近づいて撮ったほうが画的に良くなるよ。とくに顔を近づけてね。これはマジ。」と教えてくれた僕らのヒーロー兼メンター兼師匠兼フィクサー兼ゴッドファーザーの人だ。人。人は自称”鍋奉行”であった。鍋奉行にとって鍋とはイコール戦場であり、全ての要素に対して一瞬たりとも気を抜けない己が沽券にかかわる大勝負であり、鍋パ、つまり鍋に対し”パーティー”みたいなチャラチャラした気持ちで臨むなんてそんなもんはゴンゴ道断、原発反対、ウーマンリブ及び北アイルランド連合王国なのである。とこの広い空の下で鍋奉行は涙を流しながら叫んだ。しかしここでかつて僕らに「よくさ、中華料理みたいな大皿をみんなでつつく系の料理を食べてる時にさ、お箸を逆さにして口がついてない方で料理を取る人がいるけどさ、それってつまり手で持ってた方を料理につっこんでるってことだろ？そっちのほうが汚くね？」という問題提起をしていけ、がんばっていけ、とアドヴァイスしてくれた人こと自称"鍋将軍"a.k.a鍋将軍は鍋奉行に対して静かに、しかし強い意志のこもった声で反論した。鍋将軍の反論をまとめると、鍋将軍である自分にとって鍋とはバトルフードでありバトルフィールド即ち"戦場"であることは間違いないが、こと鍋"奉行"であるあなたにとっては、鍋は戦場というよりは"お白洲"といった方が適切なのではないか、といった旨であった。鍋奉行はしばし呆気に取られていたがやがて平静を取り戻し、貴殿のご指摘、至極真っ当にございます。勉強しなおして参ります。と残し、すごすごとどっかへ行ってしもうた。「あんなにすごすごとどっか行く人にはなかなかお目にかかれないよね」「初めて本格的なすごすごを目の当たりにしたよね」「日記に書いとこう」など各々ひとくさり感想を口にしてから僕たちは大人って大人気ねぇよな、みたいな少年の日のような話をしながら鍋パ改めタコパの材料の買い出しへ向かったこの広い空の下。



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