感染症ニュース:感染症・予防接種ナビ

2022年5月時点の感染症ニュースです。

2022年5月時点の感染症ニュースです。今回は、発熱や喉の痛みが主な症状の、溶連菌感染症についてお伝えします。例年は5月以降に患者報告数が増える傾向にあり、ゴールデンウィーク明けの集団生活で注意が必要です。 主な感染経路は、飛まつ感染と接触感染です。保育所や幼稚園、学校など、子どもの集団生活で流行することが多いとされています。感染すると、2日から5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。特徴的な症状として、白苔と呼ばれる、ベロにイチゴのような白いポツポツが付きます。 治療方法は、適切な抗菌薬を処方された期間中に、全部飲み切ります。途中で抗菌薬を飲むのをやめてしまうと、合併症でシ球体腎炎になるおそれがあり、症状がなかなか良くなりません。シ球体腎炎になると、尿タンパクが出て、腎機能が低下し、症状がぶり返して再度熱が出たりするため注意が必要です。 大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、溶連菌感染症と診断され、抗菌薬を2、3日飲んでも熱が下がらないなど症状が続く場合は、もう一度受診して医師に相談したほうが良いといいます。理由としては、抗菌薬が効きにくい場合に、別の種類の抗菌薬に変更する必要があるかもしれません。 予防方法は、流水と石鹸による手洗いです。また、飛まつ感染の予防として、マスクを着用しましょう。