#69 みんまちトーク『シリーズ;いっぽちゃんの5分で一歩_1冊目;迂回する経済』
この番組は「認定NPO法人日本都市計画家協会;通称JSURP(じぇいさーぷ)」がお届けするポッドキャスト『みんなのまちづくりトーク』です。毎回多彩なゲストと共に、いま話題のまちづくり事例、新しい制度、活動のhow-toなどを紹介していきます。
★☆★「この番組、いいね♪」とお感じになった方は是非、当協会(JSURP)へのご寄付を御願いします!あなたのご寄付がわたしたちNPO法人のエネルギー源になります!https://jsurp.jp/nyuukai/
Newシリーズ『いっぽちゃんの5分で一歩」。このシリーズは、シティラボ東京のコミュニティデレクターであり、当会Jsurpのなかでも指折りの読書家である平井一歩(ひらいかずほ)理事に、“お勧めの一冊”を聞くショート番組です。コンセプトは「5分聞くだけでもう一歩、見識を高めるきっかけを得るかも・・」。どうぞお楽しみ下さい。但し収録は原則として“飲みながら”行うスタイルです。居酒屋の賑やかさがお聞き苦しいとは存じますが、何卒お許しを。
▼話していたことのリンク
『〈迂回する経済〉の都市論』吉江 俊 (著)
https://amzn.asia/d/e6ipaDn
『シティラボ東京』
https://citylabtokyo.jp/
▼出演者
平井 一歩(ひらい かずほ);Jsurp理事、アーバニスト専務理事・シティラボ東京コミュニティーディレクター
▼パーソナリティ
原 拓也(はら たくや):Jsurp理事
安藤 裕之(あんどう ひろゆき):Jsurp理事
井上 雅子(いのうえ まさこ):Jsurp理事 ほか
◇フリーBGM・音楽素材MusMus https://musmus.main.jp
▼番組概要
今月の紹介書籍:「迂回する経済」(著:吉江 俊、学芸出版社)
都市計画・まちづくり分野における経済モデルの再考をテーマに、従来のリニア(直進型)経済とサーキュラー(循環型)経済の課題、そして新たな視点として「パブリックライフ(遊び)」の重要性を提起。
1. 経済モデルの比較と課題
- リニアエコノミー(直進型経済):資源を取って、作って、使って、捨てる一方向型。合理的だが持続性に課題。
- サーキュラーエコノミー(循環型経済):資源循環を重視し、エレン・マッカーサー財団や大統領も言及するなど世界的にも推進されているが、実践面での困難や合理性の過剰が指摘される。
- 両モデルの限界:どちらも「合理性」に偏りすぎており、都市の豊かさや公共空間の価値が十分に評価されていない。
2. 「遊び」=パブリックライフの価値
- 吉江氏は「遊び」の要素を「パブリックライフ」と表現。
- 都市計画において、最大容積率や床面積の追求ではなく、豊かな公共空間や人が集う場の創出が、人が滞在し、消費を促し、結果として中長期的な事業価値や評判(レピュテーション)向上につながる。
- 「遊び」や「無駄」とされてきた要素が、実は経済的にも持続可能性や収益性をもたらす可能性があるという新たな視点。これは、従来の経済に負けて挫折してきた過去の経験とは異なる、新しい世界観を提示する。
3. 実践・事例と今後の展開
- サーキュラーエコノミーは短期的な導入ではなく、中長期的な視点での事業成立が重要。
- 2025年9月6日に、シティラボ東京にて『変換と迂回から始まる』をテーマに基調講演を実施予定であり、サステナブルシティサミット5の開催も現在進行形で計画中。また併せて3月に「ボーダレス・ジャパン」(50以上のソーシャルビジネスを立ち上げている法人)との連携を開始し、6月にイベントを実施する計画。
■□■戦略的示唆・リーダー向けインサイト■□■
- 都市開発・まちづくりにおいては、従来の経済合理性だけでなく、公共空間や「遊び」の要素を戦略的に組み込むことが、中長期的な価値創出やレピュテーション向上に直結する。
- サーキュラーエコノミーの導入は短期的な成果を求めず、持続可能なビジネスモデルとして設計する必要がある。
- ソーシャルビジネスや異分野との連携による新たな価値創出の実験が、今後の都市計画の競争力強化に寄与する可能性がある。
(以上)
Information
- Show
- PublishedJuly 13, 2025 at 3:00 PM UTC
- Length6 min
- Season1
- Episode69
- RatingClean