よく「言語化」とか「多様性」という言葉を聞きますよね。就活や転職の際にもよく使われます。「自分を言語化して伝える」とか、「多様性を重視した企業」とかね。でも、これって何なんでしょうね。
手元の辞書によると言語は、「思想・感情・意志などを互いに伝達し合うための社会的に一定した組織をもつ、音声による記号とその体系。また、それによって伝達し合う行為。音声によらない手話や文字の使用を含めていうこともある。ことば」って書いてあるんです。グーッと縮めて言うと「ことば」なんですね。
「化」は「主に漢語の名詞に付いて、そういう物、事、状態に変える、または変わるという意を表す」とあります。「映画化」なら小説などを映画に変えるっていう意味になります。
つまり言語化は「言葉化」。「言葉に変える」ということになる。これって、この番組のテーマである「言葉で未来の扉を開く」っていうことに重なってくるんですね。ちょっと、驚きでした。
「言葉に変える」というのは、「言葉に変えられない」という現実があるからなんでしょうね。それこそ、僕が若かりし時に感じた理不尽や不条理っていうものは、どこに怒りをぶつけていいのかさえわからないものでした。両親に対して「うるせえ」とか悪態ついていたのも、言葉がみつからない、言葉をぶつけても理解されないという胸の内のもやもやした気持ちだったんです。
それで、僕は文章にしてノートにぶつけてきたんです。暗いよねえ。でもそうする以外に方法が見付からなかったです。その時その時の思いを書きなぐって、でも解決するわけでもない。それが何年も続いて、でも、吐き出す、アプトプットすることで、少しずつ気持ちの波が和らいできたんです。
これは、いま就活をしている人やいま仕事をしている人も、多少のズレはあるかもしれないけれど、似たような感覚ってあるんじゃないでしょうか。
人生の目標が定まらない、とか、何をしていいのかわからないとか、そもそも就活に希望を見いだせない、いまの仕事に不満を抱えているけれど、それをどうしていいのかわからない。そうしたことって他にも身の回りにたくさんあるんじゃないかと思うんです。
だから、まずは1行でいいからその時の気持ちを書いてみるといい。あれこれ書かなくてもいいから、1行だけ書く。それが365日にたまれば、小さなヒントがうっすら見えてくるかもしれない。うっすらね。更に書いていくと、1年前に自分の姿と今の姿を比較できるようになる。そこを見ていくと、良くも悪くも変化がわかる。気持ちの動きが見えると何かしらの「ことば」が出てきます。
比較は、言葉を生み出しやすいからです。ただし、他人と比較してもしようがないのだということも十分に踏まえておくことが必要です。あくまでも過去と現在の自分を比べて変化を知る、ということです。そこから、言葉が生まれてきます。
たぶん、それが言語化というものなのだろうと、僕は思っています。
情報
- 番組
- 頻度アップデート:毎週
- 配信日2025年2月24日 2:00 UTC
- 長さ17分
- 制限指定不適切な内容を含まない