朗読のアナ 寺島尚正

小山清 「老人と鳩」

 老いて資産もなく、健康にも難がありながら一人で暮らす。そんな身につまされる境遇で生きる老人が、暮しまわりで見かけるものい興味を示し、なにかを生み出すことを考え、人とのわずかなふれあいに心を動かします。さしたることも起こらずに続いていく人生を、それでも生き続ける様子が心に沁みる短編です。