お届け物の差とダイソーの旅 #118

男はお届け物をする旅をしていた。届ける先は世界中、届けるものはひとつだけ。そこに差はなく、必ず同じものを届けていたが、受け取った人たちの反応はそれぞれに異なっていた。

「ありがとう。ちょうど欲しかったんだ」と言う人もいれば、「こんなものいらないよ」と突っ返す人もいた。「たったこれだけなの？」と不満を漏らす人もいた。

少し疲れた男は、木にもたれてお届け物の箱を開けた。大きく育ったそれをぎゅっと胸に抱きよせると、柔らかく、あたたかく、男の心を安らかにしてくれた。

「うん、やっぱりこれはいいものだ」

そうつぶやくと男はそれを大事に箱に戻し、またお届け物の旅へと戻るのだった。

友人と二人でも喋っています。『弱者男性の夜』

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リスナーさん用LINEオープンチャット「ひとりねルーム」

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