復職名人が読む三手先 Centro Salute
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この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。
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第44回|いま職場に必要なのは公衆衛生学の思想ではないのか
今回はゾノ先生の気づきや疑問を高尾先生にぶつけてみました!なお、途中で音声が途切れたように思える箇所がありますが、これは編集による故意のものです。
【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会
テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます
日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50
会 場:第 11 会場
こちらのフォームから受け付けた質問になんでも答えます!
【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】https://peing.net/ja/takaomethod
【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210
■話した内容1. 雑談
高尾|杖をつかなくても歩けるようになってきました
前園|プロ野球が開幕しました。ヤクルトスワローズファンです
森|2月下旬から始めたダイエットを始めて、2キロくらい減量しました
2. 議論した内容
公衆衛生がみえる
きっかけは個別医療主義と対立しない基本思想がないかと考えていたこと
日本だと、公衆衛生学は医学部の一分野(社会医学)欧米だと、公衆衛生学は医学部の外
日本における産業医の位置付けは、結構特殊
公衆衛生学と疫学の関係。疫学は方法論。
職場のメンタルヘルス不調の問題を、臨床医学を突き詰めて解決しようとしても、難しいのでは
臨床医学は個人の疾病、公衆衛生は集団の健康を対象(公衆衛生がみえるp2)
公衆衛生学者の研究のモチベーションは?実践の場がないと厳しいのでは?
臨床の手段は診断と治療、公衆衛生の手段は統計と調査(同p3)、しかし公衆衛生にはこれに加えて「制度導入」があるのでは?
産業医の医師としての役割と、顧問医としての役割は違う。いずれからの批判も、公衆衛生を盾にすれば、躱わせそう
安全配慮義務と健康配慮義務を区別するとすれば、前者は臨床医学アプローチ、後者は公衆衛生アプローチをするのが論理的ではないのか?
わかる公衆衛生学・たのしい公衆衛生学
産業医は公衆衛生学を(もっと)学ぶべきか
産業医になる=非倫理的なことをする、ではない。倫理観の硬直が、その誤解になっている
法哲学 トロッコ問題 -
第43回|COEDOH日めくりカレンダー
三人もそれぞれ言葉を寄せた、COEDOH日めくりカレンダーについてお話ししました。
COEDOHの講師陣名言・格言カレンダーをつくろう
【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会
テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます
日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50
会 場:第 11 会場
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■話した内容1. 雑談
高尾|アルファロメオのシートベルトが直りました
前園|公衆衛生がみえる2024年版が出ます
森|産業医研修会の申込みを開始しました(すでに締め切りしています)
2. 高尾先生が寄せた言葉
職場は働く場所である(14日)
シン・タカオメソッドの気づきにもつながるかも
本旨債務と付随義務の関係
医療だと病名ごとに違った対応、職場だと病名が違えど「労働者の責に期すべき事由」
病名差別とは?
大原則を満たせているかどうかが、メソッドを導入できるかどうかの踏み絵になる
職場で働く以外のことも期待していた時代と、今の時代は違う
3. ゾノ先生が寄せた言葉
わかった法律の意見を言う あなたのやろうとしていることは憲法違反だ(10日)
第38回
依頼者の主観的利益ではなく、客観的利益を追求する
ただ産業保健の分野で、一人二役がこれを行うのは難しい
弁護士と、産業保健職の立場の違いはあるかもしれない
主観的利益への寄り添いは産業保健職が、客観的利益のための厳しい言葉は人事が言う
4. 森が寄せた言葉
本音を封印し、建前で働く(5日)
戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ
職場は本音は封印し、建前で働く場所
産業保健分野では本音が出過ぎているが、職場ではそれは通用しない
「正しいこと」が、時代とともに変わってきているかもしれない
会社も建前を貫き通すために、襟を正す必要がある
5. 各自が気に入った言葉
2日:支援の最終形態は自立 最終的には自分たちの仕事がなくなること=自立を目指す
19日:「教えた」と「教えたつもり」を区別せよ
15日:人生に無駄なことなんか、ひとつもない 生きるってことは、いろいろ経験すること -
第42回|診断書の取り扱いについて
診断書の取り扱いについて議論しました。なお今回は前園綜合法律事務所で現地収録しています。長いですが、切りどころがなかったのでご了承ください。
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■話した内容1. 雑談
前園|菅野和夫「労働法」新刊が出ます
森|言いたいことを言うのと、言わなきゃいけないことを言うのは違う
高尾|茨城県ではなく茨木市です
2. 議論した内容
高尾先生の実体験からわかった、診断書や医師の診断の効力
日本の働き方が無限定極まりなかったので、”仕方なく休むために”診断書が必要だった
従業員側にとってみれば、解雇回避のための書類
診断書は休むためか、入社時や復帰時など問題なく働くことを示すためにしか、制度上は求められていない。不完全労務提供で働くことを求める診断書は、制度に定められていないはず。
仕方のない怪我・病気なのか、ある意味で自業自得な怪我・病気なのかを区別して、処遇を変えたい?
中立的な立場で医学的な意見をいう機関があれば・・・
病気欠勤などにおいて、診断書を求めない仕組みも考えうるのでは
裁判において、診断書の証拠としての信憑性はどの程度か
両立支援においては、働き方に関する診断書が必要になる可能性がある
従業員のことを信用できないのであれば、そもそも病気で休む以前のところで、その信用性を指摘すべき
診断書に、診察した範囲から合理的に導き出せる範囲を超えたことを記載するのは、やりすぎ -
第41回|シン・タカオメソッド/振り返りはさせるな
シン・タカオメソッドと、振り返りはさせるな、の真意について議論しました。
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■話した内容1. 雑談
高尾|左脚を負傷しました
前園|「確定申告は未就学児にまかせなさい」
森|サイクリング合宿に参加しました
2. 議論した内容
⚫︎シン・タカオメソッド
診断書を用いた異動拒否は、不完全労務提供の申し出?
大原則:職場は働く場所である
第一原則:通常勤務ができているかどうかで判断する
第二原則:通常勤務ができていなければ休ませる
第三原則:配慮付き通常勤務は慎重かつ限定的に行う
第三原則でうまくいかなければ、第二原則ではなく大原則に立ち返って考え直す
従来は”業務遂行ができているか”どうかで判断するとしていた。通常勤務、すなわち労働契約の債務の本旨に沿った労務提供、という認識は薄かった
異動拒否は今の業務はできていると言えるかもしれないが、正社員としての職務無限定性に立ち返って考えると、通常勤務ができているとは言えない
事例相談のところでも、弁護士や社労士からすれば、それって全然通常勤務できているとは言えませんよ?という事象が生じていた
復帰基準の説明の際にも、大原則に関する話を入れておいた方が良いかもしれない
⚫︎振り返りはさせるな
医療的な振り返りと業務的な振り返りという整理をする
医療的な振り返りは、病気の再発予防のための振り返り。きっかけと称するものの回避行動につながってしまう
業務的振り返りは、業務分析・スキルアップ・自己改善活動。復帰後の業務が滞らないように取り組むこと
「振り返り」「再発」という言葉が、医療を惹起させてしまう
医療的な振り返りは、医療の域を出ず、本人の任意によるはず。それを強制することはおかしいのでは
医療的な振り返りは、その良し悪しを判断できない。「自分で抱えすぎず、他の人を頼ることを覚えた」という振り返りは、バランスを欠くと全て丸投げにする、ということになりかねない
医療的な振り返りと業務的な振り返りは切り離せないので注意が必要
医療的な振り返りにメリットがないわけではないが、それを社内で行うとデメリットが出てくるので、社外で行うことを勧める
高尾メソッドは、個人がターゲットではなく、集団に対する対応と考える。使い手も、産業医個人ではなく、法人=会社(ある意味で集団)
産業医も予防法務の担い手になりうるのでは -
第40回|高尾メソッドのフィロソフィー
前3回に続いて、高尾メソッドのフィロソフィー・哲学・思いについて議論しました。
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■話した内容1. 雑談
高尾|次男の受験付き添いで、筑波に行ってきました
前園|腹筋と合わせて、ピアノの練習を続けています
森|山口県産業衛生学会に参加しました。太りました
2. 議論した内容
⚫︎高尾メソッドは会社の「病気」を治す
ムンテラ:理論や研修だけ
服薬:手順と様式、シナリオ
外科手術:本格的なコンサルティング
困った従業員を退職させる、というのは全然根本解決になっていない
産業保健職からアプローチすると、組織改革に繋げるのは難しそう
⚫︎公衆衛生・疫学者として、予防の方が良いなとは思っている
起きていないうちに仕組みを導入できるのが理想
実際に問題になっていないと、動けないのは仕方ないが、対岸の火事として見ることができれば、、、
あるいは、実績等をぶら下げて、破壊的創造を図る
⚫︎業務的健康管理と医療的健康管理
バケツの穴を塞ぐのが業務的健康管理。その先で水を注いでいくのが医療的健康管理
一般的な産業保健職と我々が見ている部分は異なる→棲み分けできる
医療職は頼まれたことをやる
我々は頼まれていることとは違っても、本当にやるべきことをやる
⚫︎メンタルヘルス不調者を減らすこと、再発を減らすことを、経営目標にする
より医療的な対応へと突き進む懸念もあり。メンタルヘルス不調者を減らすという目標自体、医療的な内容だと考えて、踏み込んでいけない恐れもあり。
安衛法は手段を拘束している、結果は見ていない
産業医に知れ渡れば・・・(直感的には理解しているだろうが、難しいのかもしれない)。長い目で見た施策
マクロな介入という親和性が、一般的な医者にはない
hygiene(衛生学)、population health(公衆衛生学)
労働衛生マネジメントシステム、心の健康づくり計画
⚫︎高尾メソッドの根幹には功利主義的考え方がある
最大多数の最大幸福。集団における幸福量の最大化
科学哲学と義務論(直観論)
功利主義の弱点を踏まえ、義務論を考慮した考えが、修正功利主義
標準化から多様性へ、という順序が大事
とはいえ、病者を見捨てるというわけではない。。。
⚫︎ズルはダメよ、不公平はダメよ
3人の共通点
就業規則は言ったもん勝ちになる一方で、曖昧なので「ダメでしょ」と言うと問題になる
賃金制度を考える際には、従業員がどのようの感覚が重要。成果に対して報われる仕組みにするのか、不公平感を減らすのか。
医療リソースが豊富だったことによる弊害
⚫︎本音と建前
職場は働く場所。会社は家族と思っても良いけど、仕事をする場所にいるんだよ
それぞれの場所における役割を演じなくなったのかもしれない
⚫︎仕組み・制度の趣旨や本質を理解することを大事にしている
ちょっと気になる社会保障 V3
制度の抜け道を考えるのも好き
⚫︎次回に向けて・・・
個人に対する対応ではなく、集団に対する対応と考える
メンタルフリー岡 -
第39回|高尾の来歴とフィロソフィー
3回にわたって、3人のそれぞれのキャリアとフィロソフィーを深掘りしています。第三回目は高尾です。
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■話した内容1. 雑談
高尾|メソッド第二章の幕開け
前園|名古屋での事例検討会に参加しました
森|世界一流エンジニアの思考法
2. 高尾の経歴
法苑の記事
「いまだ「小説家」の肩書はどうにか得られないものかとは思っている。」
1971(S46)年生まれ。46年併合新岡山市、はしっこ、総社市、倉敷市と境界あたり
岡山中学・岡山高校・岡山大学
成績優秀、長髪、教頭先生に髪を掴まれ振り回された
センター試験元年。記憶力勝負
フォトメモリ、映像記憶
医学部は運動音痴、大学時代:ゴルフ部、学生会、Macintosh
内科・放射線科・衛生学の中から衛生学を選んだ
産業医初期は二つ上の先輩と試行錯誤をしながら取り組む
人生の転機的出会い 安西愈弁護士・小島健一弁護士・イチロー=カワチ教授
3. 高尾のフィロソフィー
一人一人の人を救うというよりは、仕組みを作ってガサっと救いたい
ブラックジャックの影響はありそう
ズルは嫌い。真面目な人を救いたい
産業医指導側に回ると、医療的(マイウェイ)だと指導できない
産業保健に関するテーマは、いくら考えても飽き足らない