復職名人が読む三手先

Centro Salute
復職名人が読む三手先

この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod%E2%81%A0 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210%E2%81%A0

  1. 5 DAYS AGO

    第62回|来年度の導入研究会/質問への回答

    今回は来年度の導入研究会の開催方法の検討と、二つの質問への回答をしました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:南の島で思わぬ方と出会いました 前園:「こころの健康が見える」を買いましたが、まだ見えません 森:良い音質とは何か、模索中です ■岡山さんぽの導入研究会のあり方について 元々は大学のセミナー室を活用して対面で行っていたが、オンラインに移行して参加しやすくなった反面、参加者のコミットが少なくなった 導入研究会と事例検討会の違い 事例をストックする場として活用? これまで後回しにしてきた、「産業医」をターゲットにした研究会として再構築する レクチャーとの組み合わせ。講師側の練習の場にもなる レクチャーは参加者のニーズに合わせて、少しカスタマイズを加えることも検討できる 動画の事前視聴、もしくは書籍の事前閲覧を課題とする 参加者に1年の取り組みの成果を発表してもらう場を設ける ■質問1 会社の人事で新入社員採用を担当しております。今年度の新入社員で困っており相談させてください。入社初日から研修の半分以上居眠りをしており、1週間ほどしても全く改善されないため、私から「新入社員研修は業務であり、業務中の居眠りは勤怠不良と見なされる」と注意しました。すると本人から「自分には数年前から精神科通院歴がある(入社時に申告なし)」、「夜寝付けずに睡眠時間が足りない」、「抗不安薬を飲んでいるので眠くなる」、「主治医からは入社後の緊張・不安が強いことも影響しているだろうからそのうち良くなるでしょうと言われている」と回答され驚いた次第です。しかも、「これまで不安や緊張が強い場面で何度も意識を失って倒れたことがある(年5-6回)」ということも聴取しました。循環器科・脳神経内科で検査を受けて異常はなく、心因性のものと診断されているそうです。明らかにメンタル不調が背景にある社員ということが判明したのですが、このような場合、病気だからという理由で業務中の居眠りや突然のヒステリー的な失神を許容しなければいけないのでしょうか?弊社では入社後1年経過した時点で見習いから正社員に登用することになりますが、このまま居眠り(+失神)が改善しなければ正社員登用しないという対応をしても問題ないでしょうか?困っておりご教示いただければ幸いです。 病気だからといって、居眠りが許容されるわけではない。正面から指摘・注意指導を繰り返すこと 学生時代と社会人のマインドの切り替えが必要 「注意した」と記載があるが、実際には理由を聞いたのではないか 症状が改善されなければ、一旦は休職させる方向で対応する 世で言われている解雇回避努力とは、解雇するための努力になっていないか 意識消失の捉え方 ■質問2 復職して3ヶ月目、本来の職務要件の8割の質と量の仕事を与えたところ、体調が不安定となり、上司が復職1ヶ月目の質、量まで勝手にさげてしまいました。下げればもちろん体調は上向き。ただ会社としては、働ける基準を満たしていないので、再療養の判断を検討しなければならないのですが、そもそも休職前の状態が、職務要件以下のパフォーマンスの場合は、休職前のパフォーマンスまで戻ればよしとしてもよいものでしょうか?人事としては、また休んだところで職位相当まで引き上げることは非常に難しいです。 復帰基準に対するよくある誤解。復帰基準は職位相当10割。復帰後2ヶ月間は8割までであれば、直ちに再療養とはしない 3ヶ月目に通常勤務ができていない時点で、そもそもストップ要件に該当するので、再療養に向けて対応する できるかできないかが問題なのではなく、やるつもりがあるかやるつもりもないのかが問題 他の社員との公平性はどのように考えるのか

    1h 8m
  2. NOV 29

    第61回|オンラインスクール・地方会の感想/質問への回答

    今回は先日行われた対面研修と地方会の感想とそれを踏まえた議論、二つの質問への回答をしました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:ボジョレーヌーボー 前園:産業保健だいすきと書かれた赤いハッピをもらいました 森:子どもが産まれました。オーディオインターフェースを新しくしました ■川島先生を交えた研修会 川島先生のプロフィール 合理的配慮とアファーマティブアクション 障害の医学モデル・社会モデル・人権モデル 保護の対象から、権利主体としての尊重という大きな流れ 「権利がある」という話と「権利を濫用しても良い」という話は別 ■第68回 中国四国合同産業衛生学会(地方会) プログラム 隙間のないスケジュールにしてしまい、みなさまにご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした “間隙”が読めるか問題 森からのレク→ゾノ先生からの質問→ゾノ先生のレク→森からの質問→全体からの質問という流れが良かった 産業保健職として、人事といかにコミュニケーションをとっていくのか 人事・上司をいつの間にか引き込む研修プログラム 動画を用いた療養開始時説明 ■質問1 製造業で産業保健師をしております。先日、上司の方から部下への対応について相談したいと申し込みがあり、近々その上司と面談予定です。この上司への対応について悩んでおり、先生のご意見をお聞かせいただきたく質問いたします。対象者は入社数年の若手社員で、構成人数少数の職場で働いています。その対象者の生産性は期待するレベルに対して2〜3割で業務を指示してもできない、プライドが高く、指摘するとあからさまに態度に出るため周囲が疲弊している、といった状況です。まずは、その対象者の本来実施するレベルの業務を上司から与えて遂行できなければ適切に指摘する、を繰り返し、それにより体調を崩すことがあれば療養となるのかなと思っております。もし療養しないということであれば、先生の著者から言葉を引用しますと、「『メンタル不調者ではない』として働かせるならば、『職務怠慢として処分されるべき』」ということになるでしょうか。ただ、その場合「このままだと処分されます。」と本人へ伝えるように上司に話すのはあまりにも直接的かなと思い、もしそのように話を持っていくとするとどのように上司に伝えるのがよいでしょうか。そもそもこの考え方に誤解がある、ズレがある、方向性が違う、といったことがあればご指摘いただけますとありがたく存じます。以上、よろしくお願いいたします。 保健師と上司だけで対応するのではなく、人事を交えて、面接シナリオも準備して、計画的に対応していくことが必要 個人モデル→上司モデル→病気モデル・・・ あくまで私たちの説明は法人としてどのように対応するか、というメッセージ 今後の展開を見越すと、早い段階で家族の関与を得ておく方が良い 発達障害疑い 人事の役割と責任。人事の成果(失敗)がハッキリするまでのタイムギャップ コーチングの弊害 少しずつ解決していくたらい回しはアリでは ■質問2 復職判定を中途採用の面接で例えるのは、とても分かりやすかったです。療養後の復職希望時に働ける状態であることを説明するのは労働者本人ですが、サポート役としての保健職から、「採用面接を受けるつもりで復職準備する必要がある」ことを本人に伝えても問題ないですか? その説明の解釈が受け手次第でどちらにも転びうるので、かなり慎重な立場です この面接1回だけで何かしようとするのか、療養開始時からの長い流れの中で何かしようとするのかで、大きく異なる 復帰準備がなかなか整わないケースで、予備予備面接を実施して、自分の状態を客観的に理解してもらう方策を取ることはある 説得と説明の違い 柔軟性の確保の勘所は、労務管理的な観点での理解が必要かもしれない

    1h 10m
  3. OCT 29

    第60回|専門家を交えたチーム対応

    今回は、地方会のテーマでもある「専門家を交えたチーム対応」について議論しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:最近、山陰地方によく出かけています 前園:鼻炎のような不調が続いています 森:孫が生まれた時にお世話できるか心配です ■専門家を交えたチーム対応 我々3人の取り組みを言語化できたら・・・ 専門家:法務・労務の専門家 社内チームでの対応と、専門家チームによる後方支援は整理できる チームとグループの違いについて チーム医療の実態 定常的な対応なのか、問題解決的な対応なのか 専門家チームによる後方支援は、事例の軌道修正のデモンストレーション。自分たちでできるようになって、社内チームで対応を完結してもらって構わない 専門家が交わることによって、社内のチーム対応が促進される? 社内チームが自立していくには、フィロソフィーを理解し腹落ちしてもらうことが不可欠 フィロソフィーを理解するためには、哲学的な思考が必要→事例検討会を哲学カフェ化する? お聞きのリスナーの中で、哲学者がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください! リーガルチェックでは何をするの? 権利を全て行使されてしまうと立ち行かなくなる日本の企業の問題

    1h 12m
  4. OCT 7

    第59回|月経困難症と生理休暇

    今回は、産婦人科医で産業医もされている上松先生をゲストに招き、月経困難症と生理休暇について議論しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:研修医同期の先生に会って、健康が大事だということを再認識しました 前園:こころの健康がみえる(病気がみえるvol.16)発刊するそうです 森:七五三の撮影をしてきました ■上松先生のプロフィール 2003年医師免許取得。以降産婦人科で勤務 2019年岡山大学産業医研修会受講 現在は神戸近辺で10社くらい産業医活動を実施 ■月経困難症と生理休暇 ある女性社員の問題です。毎月数日の生理休暇及び体調不良により有給休暇の取得があり、月に4、5日休んでいる状態です。本人に確認するとメンタルヘルス不調ではないようです。女性特有の症状で指摘しにくいのですが、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。 生理休暇を適切に取得していないと思われるケース、具体的には翌月の予約をする、毎回土日などにつなげて取るなどの女性社員が一定数いて、どのように対応したらいいか、頭が悩ませているという事例があります。 裁判上は、「生理休暇の不正取得」というキーワードが上がってくるが、これは裁判というかなり限られた話でもある (昭和60年の労基法改正における議論を踏まえて)「国家公務員についても、生理日の就業が著しく困難な場合をどのように取り扱うか検討されたが、生理日における下腹痛、腰痛、頭痛等の強度の苦痛により、就業困難な場合は医学的にも月経困難症の範ちゅうに属し、疾患の一つと考えられるところから(中略)病気休暇として取り扱うものとしている」ー公務員の勤務時間・休暇法詳解(第5次改訂版) 前提として、「本当に必要な人が生理休暇を適切に利用できて、一方で不正取得はできるだけ防ぐ」という方向で議論をする。後者だけにとらわれない ママブロック。親世代の価値観が、適切な治療の妨げになっている。全社員向け教育は最初の一歩 月経困難症が重い場合、生理を年に3〜4回にまで抑えるような治療(低用量ピルの処方)も可能 生理休暇とは別に、治療費補助をする方向性は考えられるか 低用量ピルの副作用、産婦人科産業医として治療をどこまで強く勧めるか 職場の健康管理施策と、職域という場を活用した健康管理施策 生理休暇制定当時と今の状況は大きく異なる。「労基法制定当時も、生理休暇を法制化するにあたって労務法制審議会の委員の間でも激しい応酬があったように聞いているが、一説には、GHQがアメリカになかった生理休暇の法制化に理解を示した原因は、終戦後の日本の便所を含めた衛生設備と衛生用品の劣悪さにあったとするものがある(ジュリスト増刊『労働法の争点』「120生理休暇」林弘子、二八二頁)」ー地方公務員の<新>勤務時間・休日・休暇(第3次改訂版) 生理休暇を取得した時点で、産業保健職から適切な治療(少なくともスクリーニング目的の受診)を勧めるようにしてはどうか。その際に、生理休暇の制度の趣旨について、説明するのはどうか 「生理の周期はほぼ一定ではあるけれども、その取得方法において、必ず週休日に接続して請求されている場合や著しく周期が不規則である場合等で、そこに作為が感ぜられる場合は、本人に生理休暇の意義・趣旨を徹底させる措置をとるなり、本人の健康管理の意味も含めて医師の診断を受ける措置をとるよう指導することは差支えない」ー地方公務員の<新>勤務時間・休日・休暇(第3次改訂版) 生理で就労は著しく困難だが、在宅勤務なら可能、という状況はあり得るか 生理に対するタブー意識とセクハラ問題 「生理痛を我慢するメリットって何にもないんで、多少痛かったら、痛み止めで治まらないようであれば、ピルとか使った方がいいと僕らは思ってるんです」 皆勤制度は今後も維持すべきか。健康である状態を頑張って維持したことに対する褒賞について 就労困難や生産性低下という事象に対して、上司から休業を命じる対応を取れるようにする

    1h 36m
  5. SEP 29

    第58回|産業保健法学会感想戦

    今回は、先日行われた産業保健法学会の特別講演に関する感想を共有しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:人工知能によるメンタルヘルス休職者の復職判定支援 前園:福岡空港門限問題 森:出張の時の朝ラン始めました cf.第53回 ■産業保健法学会の感想 プログラム 前園:応援団が来てくれて嬉しかった。時間配分が反省 森:色々な人から、少しずつ観点の違う話が聞けて面白かった。神田橋先生の疑問は解消したのだろうか? 高尾:柔らかく包み込まれていくようないい雰囲気だった。徐々に高尾メソッドが高尾から離れつつあり嬉しい 2025年日本産業衛生学会@仙台では、金曜日の夕方に大きな会場で自由集会を実施する予定です! 様式の使い方がメソッドなのではなく、考え方がメソッド。「メソッドを知るのではなく理解すること」が重要 哲学としての高尾メソッド 哲学というよりは集団に対する倫理学的な内容 成り立ちは問題解決。そこから帰納的にまとめてきたという点では哲学的 戸谷洋志「NHK出版学びのきほんー哲学のはじまり」 「当たり前」を問い直す学問こそ、哲学に他なりません。 哲学的に自分で考えているかどうかのポイント:第一に、自分の言葉で説明し直すことができる、第二に、自分自身で考えついた、適切な具体例で説明することができる、第三に、どんな質問に対しても首尾一貫した回答ができる メソッド導入初期の、過渡期的な事例への対応と、導入完了後の標準的な対応は、やや異なる 職場は働く場所である?労働契約が原則のはずが、修正されまくっている労働法の世界 法学の問題点とリーガルマインド 医学の問題点とブラックボックス 哲学する医師 会場からの質問の意義とは 次回は、女性特有の健康課題について議論する予定です!

    54 min
  6. SEP 9

    第57回|ゲストからの質問!健診事後措置における産業医の責任

    今回はゲストに参加いただき、質問への回答を行いました。ゾノ事務所での現地収録です。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:アルファロメオのエアコンが効くようになりました 前園:職場復帰支援のパンフレットを置くようになりました 森:台風の最中、東京からなんとか帰ってきました ゲストからの質問ー健康診断の立ち位置とは?健康診断事後措置として、要受診とか要休業といった就業判定を産業医としてしているのですが、「こういう根拠があるからこういう数値の人には休ませなさい」っていうものが存在していないかと思います。一応コンセンサスという形で「こういうところでそういう就業制限かけてますよ」というラインはなんとなくあるんですが、どういう判定をしたらいいのかっていうのが正直まだ手探りなので、皆様のご意見を教えてください。 健康診断の歴史的経緯について 検診結果における「医師の診断」と「医師の意見」の違いとは 親代わりの健康管理を求める安衛法 第三者に危害を及ぼすかどうかという判断基準 安全配慮義務の履行と、賃金請求権のリスクのバランス 基本的には、義務の履行は使用者にあるので、産業医にまで責任が及ぶことは考えにくい 社外取締就任時の保険加入と産業医の委託 プロとして、ドキドキしながら仕事をすること、正しかったのか振り返ることは、いつまでも続ける必要がある 健康維持のために気をつけるべきこと 中の人募集中です!

    1 hr
  7. SEP 1

    第56回|【質問】定時後の衛生委員会/導入過渡期の対応について/禁煙施策の進め方

    今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。中の人を募集しています! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:ボストンに行ってきました 前園:安全配慮義務にいにのアカウントを発見しました 森:映画のエキストラに参加してきました ■質問1来年度から新規で始まる嘱託産業医先の衛生委員会が、その会社の定時外の17時30分(おそらく定時は17時)からの開始でとの通達がありました。業務終了後の方が参加率が良いとのことらしいです。。。産業保健に関わるものなら、直感的に良ろしくないのは誰しもわかると思います。「業務時間内に行うべき衛生委員会を就業時間外に行うというのは時間外業務を助長し、いかがなものかと思う」のとように今後衛生委員会の中で、指摘し改善していこうと考えているのですが、論理に客観的根拠を持たせたく、先生のこれまでのご経験でこのような事例への対応や労基署からの是正勧告などの例はありますでしょうか。うまく説明しないと産業医VS社員(労使一体)の構図になってしまう可能性も高いかと考えております。御回答よろしくお願いいたします。 確かに理屈上、定常的な会議である衛生委員会を時間外に行うことは問題かもしれないが、委員に対して時間外手当が支払われている限りは、是正勧告の対象にはならないのでは? 衛生委員会以外にも時間外労働が多いのであれば、質問者が懸念されている通り、時間外に対する意識がルーズになっているという点で問題。 一方で、時間外労働が多くない可能性もあるかもしれない。所定時間は労働密度を上げて仕事をこなし、こうした会議のみを時間外に行うということであれば、必ずしも悪いわけではないのでは。 ちなみに組合活動は、時間内にできないので、時間外にこんな感じでやってました。 ■質問2製造業の産業医です。就業上の措置として、例えばうつ病からの職場復帰時の夜勤制限や、糖尿病のコントロール不良に対し目標値に改善安定するまで長時間残業や夜勤制限の意見書を出したり、就業制限解除まで定期的な面談や指導などの個別対応を数年来行ってきました(人事は長期化や難渋事例以外は産業保健スタッフにほぼお任せの状態です)。しかし実際難渋事例が発生したことがあり、そんな時にメソッドに出会い、これまでのやり方のまずさを実感しています。全体最適化のためにはいずれ社内でメソッド導入したい・すべきと考えていますが、自分自身もより理解を深める必要があり、社内制度としても確立させるまでの、その過渡期に、同様の事例(これまで一時的な軽減業務を要すと判断していたもの)が発生した時の対応にジレンマがあります。また、民事裁判で配置転換や軽減業務等を検討すべきだった、などという判例を見るとちょっと揺らぎます。過渡期の対応にアドバイスをいただけますと幸いです。 過渡期は、問題意識を持っている人と持っていない人が混在している状態。問題意識や解決策の共有を図ることが重要 賛同者が少ない場合には、伏線だけ張っておいて、「ほら見たか」作戦をとることは有効かもしれない 賛同者が一定数いるのであれば、導入初期から全従業員に一律同じ対応をすることは諦め、一部事例から試験的に導入を進めていくと良い。制度導入から手をつけている組織は、あまりうまく行っていないように思う フィジカルの問題とメンタルヘルス不調を比較すると、フィジカルの問題から関与する方がやりやすい 健診事後措置と休職者対応だと、健診事後措置から関与する方がやりやすい ■質問3喫煙割合が3割以上と高い職場で、健康管理を担当しています。社内で数年かけて屋内禁煙→就業時間内禁煙→敷地内禁煙へ(決定事項)と、段階的に喫煙対策を進め、同時に禁煙を希望する喫煙者へ禁煙支援(禁煙外来の費用補助)を行っています。しかし、禁煙する気のない喫煙者からは、喫煙対策は人権侵害だとかタバコ離席中も携帯がつながるし仕事のことを考えているとか、禁煙したらイライラして仕事にならない(つまり、タバコが吸える環境でなければ通常勤務できない?)とか、言いたい放題の人もいます。先生なら喫煙者にどう指導されますか? 喫煙者の意見も、既得権としてはある程度保護すべき。それを踏まえて禁煙施策としては、将来的な方針を決めた上で、段階的に進めていくことができていて、良いと思う。あとは法定の休憩時間内の禁煙までできれば完璧 医療的なアプローチから、喫煙者を無理やり禁煙させることはできない。そのため、1〜2割程度の喫煙者が残ることは仕方ない それよりも、会社が決めた方針に対して、決める過程での意見ではなく、決めた後に色々と文句を言う姿勢は、適切とは言えない おそらく、喫煙者の文句に対して、いちいち反論をしているから、このような言い争いのようになっているのではないか。会社の考え方として、FAQなどを作成して、まとめて回答するようにしてはどうか 喫煙者を0にしようとするあまり、追い込みすぎるのも良くない

    57 min
  8. JUL 30

    第55回|【質問】母健連絡カードの取り扱い/人材不足でも原職復帰か/産業保健職の役割

    今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。中の人を募集しています! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:健診結果に対してお怒りです 前園:安全配慮義務おじさん 森:対話を重ねることは大事だと思いました ■質問1母性保護規定・母性健康管理制度との関連について。妊娠中の女性の健康診査等の結果、主治医が休業や通勤緩和、勤務時間短縮等の措置が必要であると判断した場合「母性健康管理指導事項連絡カード」を記載、女性が事業主に提出・措置を申し出た場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる義務がある、とされています。メソッドでは、通常勤務に支障がある場合は療養が前提と思いますが、母健連絡カードの内容は、(休業または)軽減業務が前提となっています。妊婦で申し出があった場合は、主治医の指示の通りの軽減措置を行うことになりますか?(業務遂行が十分可能な状態に回復するまで休養してもらうのが良いと思いますが、主治医の指示で軽減業務で働く意思を示されている状態)社内では、このような場合は母性保護のため休養を勧めることを、予め周知しておくのが良いでしょうか。妊娠は期間限定なこと、出産に向け産前産後休暇を取る見込みがある状態で就業する点は、他の疾病とは異なるため、質問させていただきました。 主治医の指示通りに軽減措置を取るのではなく、母健連絡カードの提出とともに本人からの申し出を受けて、必要な措置を会社が判断して行う(実質的に、母健連絡カードの内容通りの措置を取ることにはなるが、こうしたステップを省略しないことが大事) 正直、ちょっと苦手な分野です。。。 妊娠は期間限定であり、また妊娠という事情が解消すれば、通常勤務ができることが前提なので、こうした軽減勤務も許容して良いのでは 休業は制度化して行うというよりは、状況に応じて説得して行うことが想定されるので、周知もお勧めはできない ■質問2人材不足で、これまで様々な分野で勤勉に働いていた社員が病気になり、たまたまその時に従事していた原職の業務に支障があっても、他の業務なら十分な遂行能力で実施できるのであれば、他の業務を与えることで本人は活躍できますし、会社としても人財を守りたいです。人材不足の中で、原職にこだわる必要性から本人の休養期間が長期化すれば、他の社員が疲弊することも考えなければなりませんが、やはり原職にはこだわる必要がありますか? 全従業員に同じ対応ができるのか。対労働者集団、という観点を持つと良い 勤勉な方だが、原職のみ不適合で、かつそれが原因でメンタルになり、他の業務なら全く問題ないという状況は、想定しずらい 人材不足だからと言って、不十分な状態で復帰させて働かせるというのは、たまたま本人の希望と合致しているからそれに便乗しているだけで、結果的には労働力を搾り取ろうとしていることに他ならない 人材を守るために原職復帰の例外とするというのは、原職復帰を維持すると辞めるかもしれないということ?その前提はおかしいのでは 復職時の異動ではなく、復帰後に通常勤務へ移行してから異動させることは差し支えない ■質問3これまで、社内で心身の不調を早めに相談し、早期の適切な治療や就業上の措置につなげたり、復職支援を行うために、常勤の産業保健職を配置し体制づくりをしてきました。一方メソッドでは、産業保健職の相談や面談を勧めていないと思います。産業保健職にはどういうスタンスでいさせればよいでしょうか。 医療的健康管理をやるな、という話はしていない。整理した上で取り組むことは問題ない 業務的アプローチだけでも良いが、医療的アプローチがあれば機動的になる 障害の医療モデルと社会モデル 安易な受診勧奨は勧めない、療養勧奨はあり 復帰基準が明確化すると、人事・上司の役割、産業保健職の役割がはっきりする。すると本人の役割がはっきりする 復職か退職か、という考えに陥らないために、退職がない休職という思考実験をしてみる ゾノと森は、医療的には素人だけど、復職に関しては名人です

    58 min

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この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod%E2%81%A0 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210%E2%81%A0

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