永瀬さんは、戦争体験を詩や随筆に書いています。詩「悲しいことは万歳でした」では、「私」を戦争にまつわる悲しい記憶を録音したレコードにたとえています。そして、求められたらいつでもその泣き声を聴かせることができるというのです。とはいえ、「でも話だけしてもあなたがたを泣かせません」とあるように、泣き声を聴かせることには、二つの意味が込められていると思えます。つまり、もう二度と「私」が経験したように戦争によって泣くことがない時代をつくりたいという「私」の意志と、「泣き声を聴かせたところで、「今聴いてもすぐ忘れてしまうでしょう」と、泣くほどの自分の問題としておそらく受けとめてもらえないのではないかという複雑な思いがうかがえるからです。それでも永瀬さんは、頼りなく悲しみに泣く「私」を書き続けます。「私はその時そこに居たのです。」という当事者の叫び。この詩を読むことで、「私」の「泣き声」に耳を傾けてみてください。<文・白根直子>
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- Đã xuất bảnlúc 02:30 UTC 4 tháng 8, 2025
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