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【特許判例解説#025】特許性判断における裁判所と特許庁の役割分担。キルビー事件【声で聞く知財:コエチザラジオ】

・『特許判例百選(第5版)』掲載判例(事件:017)

・侵害訴訟における無効主張と権利濫用

【概要】

キルビー事件に関する最高裁判所平成12年4月11日第三小法廷判決は、日本の知的財産法、特に特許訴訟実務において画期的な転換点となった重要な判例です。この判決は、特許権の侵害訴訟における特許の有効性判断のあり方を根本的に見直し、従来の運用に大きな変革をもたらしました。

キルビー判決は、特許侵害訴訟において、特許に無効理由が「明らか」に存在する場合に、裁判所がその特許権に基づく請求を権利濫用として排斥できるという新たな法理を確立しました 。