徒然なる自動車業界の将来動向

#1-141 【企業分析】BYDの25年上期決算:急成長の裏に潜む三重苦と世界戦略

 BYDの2025年上半期の業績中国のEV市場における激しい競争環境、そして全固体電池技術の動向という三つの主要なテーマを扱っています。BYDは海外事業で力強い成長を遂げているものの、国内の価格競争により第2四半期には収益性が大幅に悪化しました。この状況は、垂直統合モデルと多様な製品ポートフォリオを持つBYDが、関税障壁や地政学的リスク、そして膨らむ在庫といった多岐にわたる課題に直面していることを示しています。また、EV市場ではCATLがバッテリー分野で優位を保ちつつ、全固体電池の実用化が2026年以降に本格化すると予測されており、主要メーカーやスタートアップが開発競争を繰り広げています。中国市場全体の過剰な生産能力と激しい価格競争は、サプライチェーン全体に影響を及ぼし、多くの自動車メーカーが事業再編の危機に瀕している状況も浮き彫りになっています。