内科医たけおの『心身健康ラジオ』

《1341》慢性腎臓病の早期発見・予防のためのABCDE☝️

■本日の興味シンシン論文■

ABCDE to identify and prevent chronic kidney disease: a call to action

慢性腎臓病を特定し予防するための ABCDE: 行動への呼びかけ

Nephrol Dial Transplant

. 2025 Aug 29;40(9):1786-1798.

NotebookLMの解説

https://notebooklm.google.com/notebook/075f3f76-3ff5-4e42-9159-aab668002646

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■AI要約(誤字はご勘弁ください)

内科医たけお氏が、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と予防のための新しい指針「ABCDEアプローチ」を紹介した論文について解説します。これは2023年8月に腎臓分野で権威ある学術誌「NDT」に掲載されたもので、CKDを特定し予防するための行動喚起を目的としています。ビジュアル的にも分かりやすいインフォグラフィックが用いられており、一般の方にも理解しやすい内容です。

以下に「ABCDE」の各項目を解説します。

**A:Albuminuria(アルブミン尿)**

これは「たんぱく尿」とほぼ同義です。健康診断で尿たんぱくを指摘されても、自覚症状がないため放置してしまう人が少なくありません。しかし、たんぱく尿は腎臓がダメージを受けている重要なサインであり、CKDの定義にも含まれる所見です。一度でも指摘された場合は、必ず医療機関を受診し、詳しく調べてもらうことが重要です。

**B:Blood Pressure(血圧)**

高血圧は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓は「糸球体」という細い血管の塊でできており、血圧が高い状態が続くとこの血管が傷つき、腎機能が低下します。高血圧自体がCKD(腎硬化症)の原因になることもあり、血圧のコントロールはCKDの予防と進行抑制の両面で非常に重要です。

**C:Cholesterol(コレステロール)**

コレステロール値が高いこと自体が直接CKDを引き起こすわけではありませんが、動脈硬化を進行させ、腎臓を含む全身の血管にダメージを与えます。そのため、脂質異常症の管理も腎臓を守る上で大切です。また、この論文では触れられていませんが、「肥満」も腎臓に負担をかける(肥満関連腎症)ため、体重管理も重要です。

**D:Diabetes(糖尿病)**

糖尿病は、現在日本で人工透析を導入する原因の第1位です。高血糖の状態が続くと腎臓の血管が障害され、糖尿病性腎症を発症します。糖尿病は初期段階では無症状ですが、将来的に腎臓を守るためには、早期からの厳格な血糖コントロールが不可欠です。

**E:eGFR(推算糸球体濾過量)**

腎臓がどれくらい働いているかを示す血液検査の指標で、多くの健康診断に含まれています。この数値が60を下回ると腎機能が低下している可能性が高く、CKDが疑われます。また、単回の数値だけでなく、前年からの「変化」も重要です。例えば、eGFRが1年で急激に低下している場合は、腎臓に何らかの問題が起きているサインであり、速やかに医療機関を受診する必要があります。

このABCDEアプローチは、自身の腎臓の健康状態をチェックするための分かりやすい指針です。健康診断の結果を見直し、これらの項目に当てはまる点があれば放置せず、かかりつけ医や専門医に相談することが推奨されます。