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miibo国産基盤パッケージが実現するデータ国内完結型AI|さくらインターネット連携事例

会話型AI構築プラットフォーム「miibo」を提供する株式会社miiboが、さくらインターネットの生成AIプラットフォームと連携し、データの国外流出リスクを完全に排除した「miibo 国産基盤パッケージ」を開発しました。セキュリティに敏感な企業や自治体からの強いニーズに応え、日本の商習慣や文化を理解したAI意思決定支援システムの構築が可能になったことで、すでに多くの問い合わせが寄せられています。

この画期的なソリューションは、3万アカウントが利用するmiiboの技術力と、ガバメントクラウドにも採択されているさくらインターネットのセキュアなインフラ、そしてNEC開発の国産LLM「cotomi」を組み合わせることで実現しました。データの保管から処理まですべてを国内で完結させ、個人情報保護法をはじめとする国内法規制に完全準拠した環境を提供します。京都芸術大学での実証実験も進行中で、パートナー企業50社超と共に、国産AI活用の輪を広げています。

データ国内完結型でセキュアなAI基盤の実現

「miibo 国産基盤パッケージ」の最大の特徴は、データの保管から処理まですべてを国内で完結させるセキュアな環境の実現です。動作基盤にはさくらインターネットの「さくらの生成AIプラットフォーム」を採用し、LLMにはNEC開発の生成AI「cotomi」を含む国産モデルを搭載しています。この組み合わせにより、企業の機密情報や個人情報が国外に流出するリスクを完全に排除しました。

個人情報保護法をはじめとする国内法規制への完全準拠も、このパッケージの重要な価値です。海外クラウドサービスでは対応が難しい日本固有の法規制要件に対して、国内企業同士の連携により細やかな対応が可能になりました。特に自治体や金融機関など、高度なセキュリティ要件を持つ組織からの注目を集めています。

さくらインターネットの高火力シリーズを基盤とすることで、高負荷な処理も安定かつ高速に実行できる環境を実現しています。AIの推論処理や大量データの処理においても、パフォーマンスの低下を心配することなく、安心して利用できる基盤となっています。

日本企業のニーズに最適化されたAIソリューション

株式会社miibo代表取締役CEOの功刀雅士氏は、「今後のAIドリブンを考えると、経営の意思決定にまで関与するAIがどんどん増えていく」と語ります。英語ベースの学習データが中心の外国産LLMでは、日本の文化や商習慣に即した判断が難しいという課題がありました。国産LLMを採用することで、日本企業特有のニーズに対応できるAIの構築が可能になりました。

日本語による充実したマニュアルと迅速なサポート対応も、大きな差別化要因となっています。海外クラウドサービスでは英語での問い合わせが必要な場面でも、さくらインターネットなら日本語で柔軟にサポートを受けられます。技術的な不明点もサポートチームとの密なコミュニケーションにより、迅速に解決できる体制が整っています。

料金体系の明瞭さも、日本企業にとって重要なメリットです。データ転送量による従量課金がないため、予算管理が容易になりました。海外クラウドサービスでよく見られる予期せぬ高額請求のリスクを回避し、安定した運用コストで AI システムを維持できます。

ノーコード開発がもたらすアジャイルなAI構築

miiboの強みは、非エンジニアでも簡単にAIアプリケーションを構築できるノーコード開発環境にあります。社内相談エージェント、問い合わせ対応のAIチャットボット、意思決定支援エージェントまで、プログラミング知識がなくても直感的な操作で作成できます。この特徴により、現場のニーズを熟知した担当者が直接AIを開発し、迅速な改善サイクルを回すことが可能になりました。

さまざまなサービスとのAPI連携機能により、既存システムとの統合も容易です。企業の基幹システムやコミュニケーションツールと連携させることで、業務フローに自然に溶け込むAIソリューションを構築できます。エンタープライズから行政・地方自治体まで3万アカウントが利用している実績が、その実用性を証明しています。

アジャイル開発の促進も、miiboが提供する重要な価値です。AIの応答を確認しながら、プロンプトやナレッジデータストアを調整し、継続的に精度を向上させることができます。この「作って終わり」ではない運用重視のアプローチが、実用的なAIシステムの構築を可能にしています。

実証実験と今後の展望

京都芸術大学において、学生向けAIエージェントの実証実験が進行中です。学習効率の向上を目指すこのプロジェクトでは、「miibo 国産基盤パッケージ」の教育分野での可能性を検証しています。実際の教育現場でのフィードバックを基に、さらなる機能改善と最適化を進めています。

miibo Partnersへの参画企業は50社を超え、エコシステムが急速に拡大しています。特に自治体向けにシステムを販売している企業からは、データの国外流出を避けたいニーズに完全にマッチする製品として、強い関心が寄せられています。パートナー企業との協業により、様々な業界特化型のAIソリューションが生まれています。

功刀氏は「日本のAIインフラを牽引できるのは、さくらインターネットしかない」と力を込めます。国産モデルの成長とインフラ環境の発展が両輪となって、日本独自のAIエコシステムが形成されつつあります。今後はユースケースを増やし、国産基盤パッケージを活用する企業の輪をさらに広げていく計画です。

国産AI活用の新時代へ

「miibo 国産基盤パッケージ」は、データセキュリティと日本企業のニーズを両立させる画期的なソリューションとして、多くの企業・自治体から注目を集めています。ノーコード開発による迅速なAI構築、国内完結型のセキュアな環境、日本語による充実したサポート体制という3つの強みにより、日本のAI活用を新たなステージへと導きます。さくらインターネットとmiiboの連携が生み出したこの革新的なプラットフォームは、日本企業のDXを加速させ、国産AI活用の新時代を切り拓いていくことでしょう。



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