11本のエピソード

アニメ、音楽、お笑い、ゲーム、アートの影響を元に、 演劇的であり音楽的である詩の朗読形態「ポスト・ポ エトリー・リーディング」を配信するポッドキャストです

現代詩朗読ポッドキャスト BOOL 現代詩朗読ポッドキャスト BOOL

    • アート
    • 5.0 • 4件の評価

アニメ、音楽、お笑い、ゲーム、アートの影響を元に、 演劇的であり音楽的である詩の朗読形態「ポスト・ポ エトリー・リーディング」を配信するポッドキャストです

    『白ブリーフ通信』

    『白ブリーフ通信』

    僕の真っ白いブリーフを買ってくれたのは
    16歳の女子高生だった
    喫茶店で僕は紙袋に包んだ、
    白ブリーフを渡した
    彼女は袋の中を覗き込み、
    僕の方を見て頷く
    そして一万円5枚の入った封筒を僕に手渡した
    世の中にはいろんな人がいることぐらい
    28年間生きていれば大体分かったつもりでいた
    しかし、 こんな物好きがいたなんて・・・
    僕の白ブリーフを買ってくれる人はいませんか
    とネットの呟きサービスに書き込んでみたところ
    すぐに興味ありますと返信があった
    それからしばらく
    やり取りをしたのちこうして
    直接合うことになり
    売買が成立したのだ
    僕のどうみても冗談でしかない
    書き込みに本気で反応
    してくる人物がいるなんてまさに
    ネットは広大だ

    僕はそんな彼女に興味を持ち、
    売買成立後も
    喫茶店でそのまま話こんだ
    まず、彼女は、大きなつけまつげに、
    濃いメーク茶髪に緩いパーマと
    いわゆるギャルのような見た目であった
    一言でいうと僕のタイプではないが、
    世間から見れば十分可愛い
    そしてそんな見た目から想像できないくらい
    彼女は頭が良かった
    都内の進学校に通い成績も優秀だと語る
    小説はもちろん、医学、心理学、物理学など
    の専門的な洋書を原文の
    まま読むことが好きらしい。
    そして彼女の親は経営者で、
    とても過保護に育てられたことを話してくれた。
    お金には全く困っていないし、
    夜遊びをしてもまったく親にしかられない
    学校も退屈らしい
    一時期はネットの生放送に
    顔を出して出演したりして
    それなりの人気を得たよう
    だが、男達のイヤラシい発言にウンザリして、
    そういった活動はやめたらしい

    彼女は大学を出た後には親の会社を継ぐことが
    決まっているらしく
    圧倒的な安定を手にした
    彼女はどこか冷めていた
    定まらない未来に対する不安は、
    同時に可能性という希望も提示する。
    そのことを奪われたことにたいする歪みは、
    確かに生じているのだ
    そして経営者の娘らしく、
    圧倒的な自尊心とプライドの高さが目についた
    僕はこのタイプのこの年頃の少女に対する免疫がないので、
    ここまで聞いてもなぜ彼女が、
    僕の白ブリーフをほしがったのか理解できなかった。
    ぼくはとうとう直接的な質問をした 即ち
    なぜ僕の白ブリーフが欲しかったのかを
    彼女は口を開く
    女子高生
    「その前に、なんであなたは白ブリーフを売ろうと思ったの」

    「いや、ほんの冗談のつもりで書き込んだんだよ、
    面白いかなと思って」
    女子高生
    「それなら、わたしの理由も同じかな 
    白ブリーフ買ったら面白いかなと思って」
    見知らぬ男の白ブリーフを5万円で
    買うということを面白いと思う心理は
    アートに片足を突っ込んだことのある
    僕は少しだけ理解は出来たが、
    彼女のそれは、
    もっとどす黒い闇が渦巻いているように思えた。

    もう一歩、もう一歩踏み出す必要がある、
    彼女の核心にふれるには
    僕「その、君は 今彼氏とかいるのかい?」
    女子高生「いるけど、4人」
    そうだ、彼女には当然彼氏もそれくらいいるだろう
    彼女はすべてを手に入れてる
    そしてこれからも自らが、
    望んだものを手にいれられる頭のよさも持っている
    僕「その白ブリーフ、彼氏に見つかったら怒られないの?」
    女子高生「怒る人もいるかもね 
    でもその人とは、それまでかな」
     
     僕は負けた 結局彼

    • 5分
    『狐大学生』

    『狐大学生』

    俺はかっこいい大学生
    人一倍意識は高い
    全裸で街を闊歩する
    今年で28歳 
    就活はしない
    俺にはコネクションがある
    アートディレクターの高本念太郎さん
    WEBのプロデューサーの指にぃ
    DJでアパレル会社やってる
    Mr.トムゴディー
    俺が大学を卒業した暁には、
    俺に仕事をまわしてくれるはずだ
    彼らとはクラブで知り合った
    俺の周りには面白れー
    大人が大勢集まってくる
    俺の才能を見過ごせないのだろう
    俺は本物だ オンリーワンだ 

    この大学生、
    一見勘違いをしているように見えて
    彼は間違いなく本物だった
    彼はどんなときも全裸で街に現れた
    ブティック、クラブ、カフェ、居酒屋 
    彼は時と場所を選ばず全裸
    それが彼のスタイル
    彼の魅力には国家権力も手を出せなかった
    彼は間違いなくカリスマだった
    だが彼には大きな悩みがあった
    女性に全く相手にされないのである
    彼に声をかけるのは男性ばかり、
    女性からの視線は常に冷たいものだった

    俺は女性にもてない
    俺の心の闇をだれは聞いておくれ
    大学生は路地裏で膝を抱える
    「はい、私が聞きましょう」
    一匹の狐が大学生の前に現れた

    大学生 
    「狐さん俺はどうしたらいいんだい」
    狐「コンコンコン 女性はね
    可愛いもの 甘いもの 
    太いもの 固いものが
    好きなの あなたも狐になりなさい」
    狐はピンクのキャミソールを足に引っ掻けって
    大学生ににじり寄る
    大学生「はひぃぃー」
    大学生は絶頂を向かえたような表情を浮かべ
    狐になることを決意した
    その日から彼は街から姿を消し 
    山へと消えた

    それから2年後 
    彼はまた再び街に帰ってきた
    かろうじてまだ大学生だった

    女性にもてないという彼の心の闇
    狐になるという目標
    それらに対しての ひとつの答えを彼は
    今、此処に示した
     
    大学生は黄金の全裸になっていた

    そう、汗ばんだ彼の全身には
    金箔がまんべんなく塗られ
    金色の光を放ってる
    そんな彼をみようと街の広場に
    続々と人が集まってきた
    物珍しげに指をさす若い男女
    ありがたいものをみるように 
    拝み続ける老婆
    人だかりに便乗し、
    利権を主張するデモを行う団体が複数
    モニャモンという漫画の着ぐるみを来た、
    黄色い集団
    とうとう機動隊も出動した
    彼を中心に、街は騒乱に包まれた

    おや、彼の前に一人の少女が現れた
    彼女の髪はピンク
    服装はパジャマ
    彼女は大学生に語りかける
    「私はあなたが憧れるような会社の代表よ
      特別にたった今から面接試験を始めるは」
    大学生
     「光栄です 始めちゃってください」
    女社長
     「弊社への志望動機をおねがいします」
    大学生
     「御社の女子社員がみな美しいからです」
    女社長
     「それには私もはいるのかしら?」
    大学生
     「はい、もちろん」
    女社長
     「うれしい
     でもあなたを弊社に採用出来できません」
    大学生
     「わかっています 
     社会はそんなに甘くことくらい」
    女社長
     「そのかわり
     私があなたの彼女になってあげるんだから」
    大学生は柔らかな微笑みを浮かべたと同時に
    その場に崩れ落ちた
    全身に塗られた金箔は彼の
    皮膚呼吸を完全に奪ったのだ
     
    山の上で煙があがってる
    きっと狸かなんかが、芋をふかしているのかな

    狐大学生

    • 6分
    『空気ブラウス』

    『空気ブラウス』

    きん玉袋を広げて 都会を見渡す
    訳けもなく 唄を
    ループする グルーブ に夜な夜な狂う
    十九と7つ
    言葉による快楽を追求
    適当な返答
    核心を避けてきた
    終わらす覚悟は無い

    飴太郎は事実として後頭部が人より大分長い
    それは心に闇を抱えているから
    この空間では BPMは意味をなさない
    歪んだエレクトリックピアノがなり響く
    飴太郎は名だたる武将と酒を飲みかわす
    宴は加速する
    飴太郎は陽気だった
    だが、それに水を差すように隅の方で現代思想書
    を読みふけっている男がいる
    飴太郎は男に近づく
    「ここは、宴の場だ、そういったものは、
    家で読んでくれないか」
    いつもは弱気な飴太郎が強く出る
    「あんた、の言うことは正論だ だがあんた
     パンツの横から きん玉出てるな」
    男が悔し紛れに指摘する

    「出ているんじゃなくて 出しているんだ
           
                  これは文学だ」




    『空気ブラウス』

    • 1分
    『どんぎまり』

    『どんぎまり』

    都心より離れた 格調高い旅館
    その対談は今始まろうとしていた。
    「童貞対談」
    100帖ほど
    畳が敷かれた大広間に
    5、6十人のブリーフ部隊
    が円を描き正座している
    その円の中央には
    飴太郎と古智教授が向かい合って
    パイプ椅子に腰掛けている
    飴太郎「何故、我々は時として、童貞でもないのに、
    童貞であるかのような言動をしてしまうのでしょうか?」

    古智教授「まず第一に言えることは、
    童貞のふりをしつつも本当は
    童貞でないという、そういう優越感をえたいんですよ」

    飴太郎「優越感・・・ 
    もしある童貞のグループがあるとして
    その偽童貞は、表面的に話を合わせつつ、
     本心ではこいつらより
    は上であると思ってる、そういうことですかね」

    古智教授「そうです、そういう理由が
    大半だと思うんですよね
     でもそれだけじゃないと思うんですよ」

    飴太郎「それだけじゃないといいますと?」

    古智教授「まだ夢を語りたいんですよ
     童貞を捨てるということは、
    生身の女性と実際に
    性行為を体験するわけですね
    毎日一人でしこっていて 
    夢にまでみていた
    その体験をする
    しかしそれと引き換えに
    夢が現実になるわけだ
    男っていうのはね、
    おかしなもので、夢と現実どっちが
    魅力的かっていったら
    やっぱり夢なんですよ」

    飴太郎 
    「なるほど、童貞ぶるという行為の裏には、
    現実よりも夢をまだみていたいという
    ポーズの現れでもあるんですね」

    古智教授「飴太郎さん、僕はね 
    この『童貞ぶる』という行為
    は決して悪いことだとは思わないんですよ。
    実際、そういうスタンスの文学や音楽では、
    すばらしい作品がいっぱいある。
    問題なのはね、
    『童貞ぶる』という行為の否定ですよ
    あいつは、童貞じゃないのに
    童貞のふりををしてる、
    童貞の敵だ!! 
    やっつけろーっていう流れが一番怖いんです。
     そこからは、文学は生まれません
     実は宝くじで1億円あたったやつが、
    一億円あたったらいいのにな〜と
    何にも知らない人たちの前で言う 
    それは悪だと僕は思う
    でも、『童貞ぶる』という行為はまた再び、
    女性という神秘
    を同士たちと語り合いたい、
    という純粋な思いからくるんですよ。
    それは、冒険者たちが、
    夢を語り合うことと変わらないんです
    そりゃあ、生粋の童貞に対して、
    若干上目線になってしまう
    ところはありますよ、
    でも
    それはほんの小さい問題じゃないですか」

    飴太郎「『童貞ぶる』という行為に
    確かに悪意はなさそうですね」

    古智教授「そう、悪意はないんですよ、
    ただ純粋に、童貞っぽい
    発想ってすごくおもしろいでしょ
    クリエイターと言われている人たちなんて
    99%「童貞力」を信じてますから、
    よく『童貞ぶる』発言をしますよ
    しかも3流、4流よりも、1流ほどね」

    飴太郎「話は変わりますが、
    古智教授は現在、自宅に常勤の無職
    でいらっしゃるのに、何故、
    「教授」と偉そうに名乗られているんですか?」

    古智教授「その話は今回の議題に全く関係ないですよね
     僕は、その質問には答えたくないな」

    飴太郎「よークズ
    さっきから偉そうに、
    下らない御託ばかりならべやがって
    てめーを今日ここに呼んだのは、
    こんな対談やるためじゃない
    ことぐらいわかってるよな」

    古智教授「わかってる 僕がここに
     呼ばれた真の目的は、魔法の試

    • 6分
    『現象A』

    『現象A』

    セカイとかいう前に、 隣のやつと、喋れるようになれよ
    嫌いだな、僕はこの言葉 飴太郎は
    ブリーフで100m走の スタートラインに立って呟いた

    寒いやつほど良く吠える
    僕の嫌いな言葉だな
    飴太郎は全裸で呟いたああああああ。

    ギンガムチェックの風俗嬢
    タイムマシンでコンニチハ
    エロ本立国 お股に乾杯
    てへぺろ政治で世も末だ

    名前は要らん キンタマが叫ぶ

    暗示を受け入れよう
    君が暗闇を食べてくれるのなら
    千の夜を超えて 包茎は今、輝く

    右キンタマ は カワイイ
    左キンタマ と 親しい
    戦争が起こらないことを心から願う

    禁断を戒めよ
    美醜のみで判断して構わない
    あかね空にキンタマ一房
    角刈りに唄ヲ

    ちゃんと飲んで 象を押してごらん
    ミミは都会に渦巻く波動をかき分ける
    悪い気は陰部に溜まる
    だからそれを 口で吸い出してもらうか
    自分で弄ってそれを取り除くの
    都会に生きる ミミに顔は無い

    人は尿意に勝てない
    オムツを着ける勇気と 東京の空

    「しこる」とは自分との会話だ
    鋼鉄の門がゆっくり開く
    俺は別に門の外に出る気はない


    『現象A』

    • 2分
    『狐様』

    『狐様』

    何処に行けば私は、救われるのですか?
    ポリ子は、細い体をくねらして狐様に問う

    狐様「僕の棒を沢山しゃぶりなさい、
       そうすればあなたの魂は救われるだろう」

    ポリ子「僕の棒!? 何だか卑猥な響き
        まさか狐様、私をを騙してスケベサロンに
        売ろうとしてたんじゃないでしょうね」

    狐様「何をいっておるか!!」

    狐様は憤慨した
    狐様は大学生だった


    それから3年・・・
    狐様は大学を卒業した
    その後、鉄の棒を安く仕入れ
    漁港で黒服たちに、売りさばく
    という仕事を3日でやめ
    実家で無職を4ヶ月続けた

    狐様は鏡をよく見る
    狐様は自分のことは、よく分かっているつもりだ
    (((つい、儲かる仕事をやろうとしたから
    失敗したんだな
    好きなことを仕事にするんだった)))
    就職活動を開始した狐様

    狐様は音楽雑誌のアートディレクターとして、
    大手企業に入社することになった
    しかし入社当日から、どういうわけか、
    地下の採掘場に連れて行かれ
    ツルハシを持ったまま、
    3週間 地上に出ていない

    狐様は元 大学生

    『狐様』

    • 2分

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