#65 みんまちトーク『伴宣久さんと語る、地域と行政が共に育てるまちづくり(1)』
この番組は「認定NPO法人日本都市計画家協会;通称JSURP(じぇいさーぷ)」がお届けするポッドキャスト『みんなのまちづくりトーク』です。毎回多彩なゲストと共に、いま話題のまちづくり事例、新しい制度、活動のhow-toなどを紹介していきます。
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第65回は、元台東区都市づくり部長、伴 宜久(ばん のぶひさ)さんをお迎えした全4回番組の初回です。第1回は、伴さんが区役所時代に取り組んだまちづくり活動、そのなかでのJsurp(日本都市計画家協会)との出逢いなどについてお伺いします。どうぞお楽しみ下さい。
▼話していたことのリンク
『〔実践〕自治体まちづくり学』上山肇 (著), 伴宣久 (著), 田村知洋 (著), 内藤結子 (著), 笹沼史明 (著)
https://amzn.asia/d/7zuplyi
『東京の 自治体まちづくりⅠ —東京スカイツリー・自治体連携のまちづくり 他 (自治体まちづくり学シリーズ)』
上山肇 (著), 河上俊郎 (著), 伴宣久 (著)
https://amzn.asia/d/8GDEEzd
・令和6年度まちづくりカレッジ(台東区主催)
https://www.city.taito.lg.jp/kenchiku/koumin/college/0158203820140602.html
・まちづくり検定(一般社団法人まちづくり推進機構主催)
http://machi-kentei.jp/
▼出演者
伴 宣久(ばん のぶひさ)一財日本建築設備・昇降機センター定期報告部長、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒、東京都立大学(旧首都大学東京)都市環境科学研究科博士課程後期卒。民間企業に就職後、東京特別区(台東区)営繕課長、まちづくり推進課長、都市計画課長、都市づくり部長、用地施設活用担当部長を経て現職。一級建築士、建築基準適合判定資格者、工学博士。著書:自治体まちづくり学(編著。公人の友社、2024年)
論文:「敷地整除型区画整理事業を活用した歩行者空間の創出と大街区化による商業・業務機能の強化」(アーバンインフラテクノロジー推進会議、2012年)、「東京都心4区における都市再生特別地とその他都市計画制度の外部効果の比較」(日本建築学会計画系論文集82巻72号、1211-1219頁、2017年)、「東京都心部における不動産価格に着目した都市更新と都心居住に関する都市計画制度の効果の研究」(博士論文、2018年)
▼パーソナリティ
内山 征(うちやま ただし):Jsurp理事
安藤 裕之(あんどう ひろゆき):Jsurp理事
◇フリーBGM・音楽素材MusMus https://musmus.main.jp
▼キーワード
【チャプター1】自己紹介とまちづくりとの出会い
内山:本日の「みんなのまちづくりトーク」は、JSURP理事の内山が聞き手を務めます。ゲストには、台東区役所OBであり、現在は「日本建築設備・昇降機センター」勤務、さらに法政大学地域研究センターの客員研究員など、ご本人曰く「だいたい1.8足」のわらじを履かれている伴宣久さんをお迎えしました。一緒にお話を伺うのは、同じく元行政職員のプランナー、安藤理事です。
伴:皆さんこんにちは。伴と申します。元々は台東区役所で長年勤務し、公共施設の建設などを担当していました。平成19年に初めて“まちづくり”という分野に異動となり、全くの素人からのスタートでした。今日はよろしくお願いいたします。
安藤:よろしくお願いします。
【チャプター2】JSURPとの出会い──「まち塾」の再構築
内山:JSURPとの関わりは?
伴:台東区役所採用時は建築設備系職員で、20年以上公共施設の建設を担当していました。平成19年にまちづくり推進課長になり、初めてまちづくりの仕事に就きましたが、右も左も分からない状態で…。そのときに地域の方からJSURPメンバーを紹介していただきました。当時、隣の都市計画課が区民向けに「下町塾」という講座を長年開催していましたが、ほぼ座学だけで一方通行の講義だけ。60代以上の参加者中心で反応もいまひとつだったんです。都市計画課長から「何かアイデアはないか」と相談されJSURPに声をかけました。「現場を知る実務者がいる」と聞き、野口さんや原さんに講師をお願いし、ワークショップを導入することになったんです。
内山:聞くだけの講座から体験型の学びへと。
伴:その通りです。講義の後に実際に街に出てターゲットと定めたエリアを歩き、ワークショップ形式で意見をまとめ、地域の方々にプレゼンするという流れを作りました。建築系の大学や鉄道事業者等にも声をかけたことで参加者も多様になり講座が非常に盛り上がりました。
【チャプター3】卒業生の自走──NPO法人の誕生とその後
伴:やがて下町塾の卒業生の中から自主的に団体を立ち上げる動きが生まれました。当初は交流会でしたが、次第に本格的になり、NPO法人を設立。今では区から委託を受けて市民向け講座の運営を担うまでに発展しました。
内山:都市計画課の“困りごと”を、伴さんがネットワークと発想で解決されたのですね。
伴:好奇心が旺盛なので、「自分がわからないことは、誰かと一緒に学べばいい」というスタンスでした。
内山:営繕課が長かったとのことですが根っから「まちづくり」の素養があったのでは?
伴:都市計画のトの字も知らず、当時は町の人と話すことも苦手でした。
【チャプター4】まちづくり検定という挑戦
内山:その後の展開でのJsurpとの関係は?
伴:実際に調査も請け負って頂きましたし、暫くして「まちづくり検定」のお話しを頂きました。当時、「下町塾」の卒業時には卒業式のようなものはあったのですが、何かもっと達成感のあるものを…と思っていたところにお話しを頂き、是非にと、取り入れました。ただ、予算が無かったので、一応「下町塾」のなかでまちづくり検定の紹介はして、オプションとして実施して頂きました。
内山:安藤さん、まちづくり検定、ご存じでしたか。
安藤:いえ、知りませんでした。(笑)
伴:下町塾の講座が終わったあと、まちづくり検定の講義を数回やっていただき、最後、検定試験を行い、一定の得点を超えると合格。私は最後の方で受けたのですが、周囲から「100点取って当然」と言われてプレッシャーでした(笑)。
安藤:何点が合格ラインだったんですか?
伴:70点です。合格証があることで、単なる“修了”ではない実感が得られるようになりました。受験者の中には、これを機に自分のまちへの理解や愛着が深まった人も多かったと思います。
【チャプター5】「要望型」から「自立型」へ──協議会の変化
内山:まちづくり協議会の活動も、変わってきましたか?
伴:以前は「行政に要望する場」という雰囲気でしたが、今は「自分たちで何をやるか」を考える場になってきました。なかには東京大学のまちづくり大学院に進学された方もいて、本当に色んな方がいらっしゃって、地域の活動を牽引するようになっています。
内山:時代背景もあるかもしれませんが、まちづくり協議会という名のもとの「要望型」が多かったのが、伴さんたちがいろいろ勉強されて、さらにまちづくり検定や講座の積み重ねがあって、本当の地域主体の活動へとつながったわけですね。素晴らしいですね。
安藤:下町塾が出来てから20年くらいですか?
伴:もう30年経っていますね。当初は都市づくり部の外郭団体に公社があり、そこの事業として、まちづくりを仕掛けたい地域の人材育成の観点ではじまったが、公社が
情報
- 番組
- 配信日2025年4月13日 16:05 UTC
- 長さ16分
- シーズン1
- エピソード65
- 制限指定不適切な内容を含まない