格闘技界の異端児が、ついにグローブを置く。イリエマンが格闘技に携ったのは、大相撲から。同期には大関魁皇や、のちに格闘家に転身した戦闘竜がいた。若貴や、曙とは一期違いで同じ相撲教習所に通った仲だと言う。大相撲時代のエピソードとしては、勝利した相手にダメ押しで土俵上からドロップキックをかまして、三大新聞の誌面を飾ったこともあった。その後、佐山聡氏が興した総合格闘技修斗に没頭。入門僅か7ヶ月で出場した同競技のアマチュア全日本選手権では見事優勝。その後無敗のまま、UWFの直系団体のキングダムに身を寄せた。入団発表会見では、まだ団体にかろうじて所属していた安生洋二や、山本喧一ら同席の元だった。キングダムに入団直訴した経緯も、1997年10月1ついたち東京ドーム『PRIDE1』での当時キングダム所属だった高田延彦対ヒクソン・グレーシーを見ての行動というのだから、修斗で優勝した時にも公言し苦笑を買った「最強の男ヒクソンと闘いたくて、格闘技を初めた!」という言葉には間違いないのだろう。しかし入団したはいいが、その肝心のキングダムは僅か数ヶ月で倒産の憂き目にあってしまう。行き場のなくなった入江に、前社長でUWFインターナショナルの取締役だった鈴木健氏は団体の運営を一任する。本当に一番選手として脂がのっていた20代~30代の前半をありとあらゆる雑用をして過ごしたのだ。たった一人からのスタートだった。6月26日に新宿FACEの格闘技のおもちゃ箱ACFで行われる、半世紀ぶりの猪木対アリ戦のリバイバルマッチは、そのルールの厳しさや相手との体格差を含めてイリエマン不利の声も強く上がっている。しかし、当の本人は「これが、ヒクソン戦への最終列車。今回勝って、噂される総合格闘技DEEPタイトル戦にこぎつけ勝利したとしても、ヒクソン戦の実現の可能性は1%ない。だけど、MMA戦でなくても、グラップリングでも柔術マッチでも、エキシビジョンでもなんでもいい。対角コーナーにヒクソンが立っていたら、俺の勝ちだ!」と、言い切る。入江のヒクソン戦への思いは、格闘技を初めた30年前から全くブレてない。今回闘いを決意したのは、もう一つ理由がある。今年2月に死去された元新日本プロレス取締役で、アントニオ猪木の右腕だった永島勝司さんとの別れだ。付き合いは25年以上前に遡る。
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- Émission
- FréquenceTous les jours
- Publiée23 juin 2025 à 23:23 UTC
- Durée3 min
- ClassificationTous publics