・『特許判例百選(第5版)』掲載判例(事件:033)
・用途発明の効力
【概要】
本稿では、知的財産高等裁判所平成28年7月28日判決(平成28年(ネ)第10023号)、通称「メニエール病治療薬事件」について、その事案の概要、判決理由、そして知的財産法実務における意義を詳細に分析する。本判決は、医薬品分野における「用途発明」の特許権侵害判断、特に特許法第2条第3項に定める「実施」の解釈に関して重要な指針を示したものであり、その後の判例実務に大きな影響を与えている。
本件の争点は、数値限定を伴う医薬用途発明において、被告製品の用法用量が特許発明の技術的範囲に属するか、また被告の行為が特許法上の「実施」に該当するかという点にあった。控訴審判決が第一審とは異なる法的枠組みで判断を示した点に、本判決の最大の意義がある。
Informações
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- FrequênciaDiário
- Publicado15 de agosto de 2025 às 22:00 UTC
- Duração8min
- ClassificaçãoLivre