人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

NPO法人日本交渉協会,安藤雅旺,星野良太

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/人まず株式会社代表/NPO法人日本交渉協会 幹事/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

  1. 21H AGO

    #100「交渉学教科書」⑭ 交渉における第三者の介入(前編) 安藤雅旺

    『交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をテキストに、今回はシリーズ最終章「第三者の介入」を取り上げます。 不信感や疑念が高まり、当事者だけでは解決が難しい状況で、第三者がどのように機能するのか。その利点と弊害を整理し、仲裁と調停の違い、そして実際の事例を交えて考えます。メキシコの闘牛をめぐる条例改正を例に、行政が仲介者として果たした役割も紹介。 伝統と倫理の対立を乗り越える合意形成のプロセスを掘り下げます。 【TODAY’S TOPICS】 ◎第三者介入が必要となる典型的な状況 ・強い感情や誤解による意思疎通の困難 ・当事者だけでは壁を越えられない否定的な行動の繰り返し ・情報収集 ・評価をめぐる深刻な不一致 ◎仲裁と調停の違い ・仲裁:第三者が解決策を提示し、当事者が従う ・調停:当事者が自ら合意に至るための支援を行う ◎仲裁の利点とデメリット ・利点:迅速で明快な解決を導く/未解決のコスト回避 ・デメリット:交渉当事者の熱意低下、強硬姿勢の助長、依存のリスク ◎事例:メキシコ・闘牛ルール改正 ・動物愛護と文化保護の対立 ・行政が仲介し、公聴会で双方の声を可視化 ・「伝統にはイエス、暴力にはノー」という新ルールで合意形成 ---------- お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠交渉アナリスト⁠』のサイトをご覧ください。

    17 min
  2. AUG 28

    #99 親子コミュニケーションに効く「もったいないフレーミング」加藤有祐

    今回のトレードオンの交渉学は日本交渉協会理事の加藤氏をお迎えして「親子のコミュニケーション」をテーマにお届けします。 心理学的手法「フレーミング」に注目し、とくに「もったいない」という一言が子どもの行動を変える強力なきっかけになることを解説していただきました。 単なる命令や強制ではなく、子ども自身が「やらないと損をするかも」と気づき、自発的に動き出す。この仕掛けの背後には、プロスペクト理論に裏打ちされた人間心理があります。 実際のお手伝いや約束ごとの場面で使える具体例も紹介。親子だけでなく、職場や日常のあらゆる人間関係に応用できる「伝え方の技術」として学べる内容です。 ◎加藤有祐氏のご経歴 日本交渉協会理事/一部上場企業 子会社 代表取締役社長 兼 CEO 【TODAY’S TOPICS】 ◎フレーミングとは?  同じ事実でも伝え方で行動が変わる ◎「もったいない」で子どもを動かす実践例  お手伝いを促すとき/約束を守らせるとき ◎プロスペクト理論が支える「損失回避」の心理 ◎親子関係だけじゃない!ビジネスやマネジメントにも活きる応用法 お聴きいただきありがとうございました。日々の交渉やコミュニケーションをより良くしたい方は、⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」⁠⁠⁠公式サイト⁠⁠⁠もぜひご覧ください。

    11 min
  3. AUG 21

    #98 孫子で読む交渉学⑨「虚実篇」その2 窪田恭史

    日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田恭史氏をゲストに迎え、「孫子の兵法で読む交渉学」シリーズ第9回をお届けします。テーマは引き続き『虚実篇』。今回は「交渉にどう応用するか」に焦点を当て、主導権を握るための具体的な方法と、そこから学べる実際の事例を整理しました。 「交渉の舞台は、相手に任せるのではなく自ら設計するもの」。心理的バイアスを回避する工夫や、利害調整の本質を示す事例を交えながら、交渉における主導権の取り方を深掘りします。 ◎窪田恭史氏のご経歴日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事ナカノ株式会社 代表取締役日本古着リサイクル輸出組合 理事長表情分析、FACS認定コーダー日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター早稲田大学政治経済学部卒 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎虚実篇を交渉に応用する4つの方法 ① 交渉を始める前に、交渉プロセスを交渉する  出席者や議題を先に決めることで、主導権を握る準備が整う。 ② 交渉プロセスの「普通の状態」を確認する トラブルが起き得る前提を共有しておくと、信頼関係を築きやすい。 ③ 交渉環境を図式化する 相手の背後にいる関係者まで見渡すことで、交渉を戦略的に設計できる。 ④ 交渉の「枠組み」をコントロールする 立場ではなく利害に注目し、交渉の土俵そのものを設計する。例)ハーバード大学 図書館エピソード ----- お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてさらに詳しく知りたい方は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」⁠の公式サイト⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠もぜひご覧ください。

    7 min
  4. AUG 14

    #97「交渉学教科書」⑬ 交渉における意思疎通 安藤雅旺

    引き続き『交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をテキストに、今回は「交渉における意思疎通」をテーマにお届けします。 交渉の序盤・中盤・終盤それぞれのフェーズで注意すべきポイントと、合意形成の質を高めるための視点を、実践的な事例とともに掘り下げます。 バイアスを避けるための思考法から、状況を切り開く質問技術、そして交渉終盤に潜む落とし穴まで、交渉の全体像を体系的に整理した回です。 【TODAY’S TOPICS】 ◎序盤で避けたい6つの認知バイアス(誤解や固定観念) ・1.定型化 2.光背(ハロー)効果 3.選択的知覚4.投映 5.知覚防衛 6.固定観念 ◎中盤で活きる「質問」や積極的な姿勢 ・活用したい質問例:自由回答型、誘導型、感情を抑えた冷静な質問、計画的質問 ・避けたい質問例:意見を押し付ける質問、問い詰めるような誘導質問、感情的な質問 ・難しい状況を切り抜ける質問例:極論や圧迫、高め・低めの球への対応質問、袋小路を抜ける質問 ◎終盤での注意点と合意の質を高める基準 ・焦りによる不完全合意を避ける ・合意の質を判断する基準:全員の利益・実行可能性・公平性の確認…など ◎藤田忠先生による「90:10の原理」 ・交渉時間の最後の10%で一気に合意形成が進む傾向がある ・期限の有無による戦術的活用法 ・客家(ハッカ)の交渉スタイルとの比較 ------ お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠交渉アナリスト⁠』のサイトをご覧ください。

    23 min
  5. AUG 7

    #96 孫子で読む交渉学⑧「虚実篇」その1 窪田恭史

    今回も、日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田恭史氏をゲストにお迎えし、「孫子の兵法で読む交渉学」シリーズの第8回をお届けします。 テーマは『虚実篇』。戦力が互角、もしくは劣勢な状況でいかに主導権を握るか。歴史的な戦術やビジネスの事例を交えながら、「敵の実を避け、虚を打つ」という孫子の核心的な戦略を深掘りしていきます。 第二次世界大戦・ドイツ軍の電撃戦や、武田信玄と徳川家康の三方ヶ原の戦い、現代のAppleによるiPhone開発秘話まで、多彩な例をもとに「主導権を取る」とは何か、どうすれば相手を動かす状況をつくれるのかを解説。特に「無形」や「虚を打つ」といった兵法のエッセンスが、現代の交渉や戦略策定にどう活きるか?弱者だけの戦略にとどまらない普遍性を語っていただきました。 ◎窪田恭史氏のご経歴 日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事 ナカノ株式会社 代表取締役 日本古着リサイクル輸出組合 理事長 表情分析、FACS認定コーダー 日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター 早稲田大学政治経済学部卒 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。 「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎『虚実篇』に学ぶ主導権の握り方 ・「敵より先に現場に到着し、体制を整える」ことの意味 ・敵を操るための「利益で誘い、不利な状況を作る」技法 ・歴史に学ぶ戦略例(ドイツの電撃戦、三方ヶ原の家康の「空城計」) ◎「無形」と現代戦略 ・自軍の意図を悟らせず、相手の判断を惑わせる「無形」 ・AppleのiPhone開発に見る情報遮断の戦略 ◎変化し続ける状況と普遍の原則 ・唯一変わらない「敵の実を避け、虚を打つ」原則 ・「勝利の方程式」は存在しない。変化に合わせて戦略を変える重要性 お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてさらに詳しく知りたい方は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」⁠の公式サイト⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠もぜひご覧ください。

    9 min
  6. JUL 31

    #95 プレゼンと交渉の本質~「相手の立場に立つ」技術 加藤有祐

    今回のトレードオンの交渉学は、「プレゼンと交渉の共通点」がテーマ。ゲストは日本交渉協会理事・加藤有祐氏。前回の「ゴールデンサークル理論」から一歩進んで、「なぜプレゼンも交渉も難しいのか?」を徹底的に掘り下げます。 話し手の熱意や論理がどれだけ正しくても、「これって私に関係ある?」と相手に思われたら、心は動きません。交渉も同じ。自分の要求をぶつけるだけではなく、相手の背景・課題・状況にどこまで寄り添えるか——そこが成功と失敗を分ける分岐点になります。 今回は、ビジネス現場のリアルな事例から「情報収集」「共感の伝え方」「行動を生むストーリー展開」まで、交渉・プレゼンに通底する「伝え方のコツ」を解説。加藤さん流「相手視点の徹底」が、家庭やプライベートでも役立つ思考法として広がっていきます。 【TODAY’S TOPICS】 ◎プレゼンと交渉に共通する「成功の方程式」 ・「伝えたら終わり」じゃない、相手が動くのがゴール ・相手の課題 ・背景・ゴールを調べ尽くす「準備力」 ◎相手視点のストーリーで心を動かす ・「御社の課題に、こう役立ちます」から始める提案 ・共感の一言が信頼を生む ◎交渉現場の“NGパターン”と成功例 ・自分の主張ばかりはNG、「寄り添うスタイル」が統合型交渉の入り口 ◎ビジネスだけじゃない!日常生活にも効く相手視点 ・家庭やプライベートでのコミュニケーションにも応用可能 お聴きいただきありがとうございました。交渉やプレゼンで「相手の心を動かしたい」方は、⁠⁠⁠「交渉アナリスト」公式サイト⁠⁠⁠もぜひチェックしてみてください。

    8 min
  7. JUL 24

    #94「交渉学教科書」⑫ 交渉決裂への対処② 安藤雅旺

    引き続き『交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をテキストとして、前回に続き「交渉決裂への対処」をテーマにお届けします。今回は特に「立場の強い相手」や「圧力的な交渉相手」への向き合い方に焦点を当て、弱い立場にある側がとるべき戦略と心構えを詳しく掘り下げていきます。 【TODAY’S TOPICS】 ◎交渉の「最大の敵」は、実は自分自身 ・立場に固執しすぎる「見境なき立場固定」 ・ゼロサム発想から抜け出せない思い込み ・自信過剰や偏った少数データへの依存 ・相手の視点を無視する傾向 ・反感から相手の評価を切り下げてしまう心理 ◎強い相手と向き合うための基本戦略 ・交渉の本当の目的を見失わず「自分を守る」 ・BATNA(代替案)の開拓と提示で、主導権を持つ ・「警戒網」を張り、交渉の進行を自ら管理する ◎ウィリアム・ユーリーによる5つの対応ステップ 1.反応しない:感情的反応を避け、客観的視点を保つ(天井桟敷から眺める) 2.相手に武装解除を促す:直感に反して歩み寄り、緊張を逸らす 3.固定観念を解き、交渉を仕切り直す:協力的な対話で相手の認識を修正 4.承諾しやすくする:金の橋をかけ、合意に向けた共創を進める 5.拒否しづらくする:感情に訴えつつ、代替案の存在を示し説得する ◎おすすめ研修:「負けない交渉エキスパート オンデマンド講座」 ・強者との交渉に必要な理論と戦術を学ぶ動画プログラム ・修了テスト合格すると「交渉アナリスト補」資格を取得可能 ※Youtubeはコチラから→https://www.youtube.com/@nego5750 ※音声では、ダイジェスト版をお聞きいただけます。

    22 min
  8. JUL 17

    #93 交渉アワード創設のお知らせ — 価値創造型交渉を広げる新たな取り組み

    2025年7月よりNPO法人日本交渉協会が新たに「交渉アワード」を創設しました。今回の放送では、日本交渉協会代表理事の安藤より、アワードの趣旨や応募方法、そして交渉の本質についてお話します。 ◎「交渉アワード」サイトはこちらから(https://happy.nego.jp/) 【TODAY’S TOPICS】 ◎交渉アワード創設の背景 ・交渉は「奪い合い」ではなく「価値創造」であるという理念の普及が目的 例)ハーバードビジネスレビュー2025年6月号の事例紹介 →サントリーホールディングス会長新浪氏「相手を深く知ることが重要」 →マックス・ベイザーマン教授「パイの奪い合いではなく、拡大に多くの力を注ぐべき」 ◎交渉アワードの概要 ・応募期間:2025年7月1日〜9月30日(消印有効) ・応募対象:学生や主婦を含む幅広い層、ビジネス以外の日常の交渉も歓迎 ・応募要件:よい交渉事例「ハッピー交渉」を約3500字のレポートにまとめ提出 ・表彰内容:(金賞5万円+商品券、銀賞3万円+商品券など) ◎交渉のポイントと「ハッピー交渉」漫画の紹介 ・交渉は相手を深く知ることが成立の鍵 ・パイの奪い合いから拡大へ、互いに利益を生む合意を目指す考え方 ・誰もが日常で実践できる「ハッピー交渉」の普及を目指す 皆さんの身近な交渉体験を共有し、価値ある合意形成のモデルを増やしていきましょう。 応募方法の詳細は日本交渉協会のホームページをご覧ください。 ◎⁠「交渉アワード」サイトはこちら⁠から(⁠https://happy.nego.jp/⁠)

    10 min

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交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/人まず株式会社代表/NPO法人日本交渉協会 幹事/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

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