高千穂さんのご縁です。

RKKラジオ

仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。 お悩み相談もメールで受け付け中!goen@rkk.jp ▼メール goen@rkk.jp ★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4    AM1197で、毎週水曜日 午後6時10分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

  1. -3 J

    【平和を願う心】 ノーマン・ヨシオ・ミネタ氏の話 2001年にアメリカで起こった同時多発テロが発生した9月11日を前に

    🔶平和を願う心は尊い 9月11日は、2001年にアメリカで起こった同時多発テロが発生した日です。旅客機4機がハイジャックされ、結果的に3,000人以上の命が失われました。 この事件は、世界中に大きな衝撃を与えました。事件後は、アラブ系やイスラム教徒への差別や偏見が広まり、空港での人種差別的な扱いや、職場でのいじめ、ヘイトクライムなども発生しました。 🔶ノーマン・ヨシオ・ミネタ氏の尊い行動 6,438機の飛行機を短時間で安全に着陸させたのは、当時の運輸大臣、ノーマン・ヨシオ・ミネタ氏でした。 事件発生からわずか2時間22分の間に、これほどの機数を無事故で着陸させるという前例のない判断と指導力が発揮されたのです。 ミネタ氏は、アラブ系やムスリム系であることを理由にした航空機の搭乗拒否や、人種による選別的な取り扱いを厳しく禁止しました。その背景には、彼自身が太平洋戦争中、日系人であることを理由に強制収容された過去がありました。 🔶ミネタ氏の遺したもの 2022年、90歳で死去したミネタ氏の功績は、アメリカでも日本でも高く評価されています。 アメリカでは、運輸省の入る建物に「ノーマン・Y・ミネタ連邦ビルディング」という名称が冠されました。 さらに、駐日米国大使の公邸の一室には「ノーマン・ミネタ・ルーム」という名が与えられ、彼の功績が称えられています。 また、出身地であるカリフォルニア州サンノゼの国際空港は、彼の名にちなんで「ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港」と名付けられています。 🔶平和を願う心を忘れずに 今でも中東では戦争やテロが続いています。平和を願う心、そして差別を許さない心。それを言葉だけでなく行動で示したのがミネタ氏でした。 現在の日本はグローバル社会の一員であり、外国人と接する機会も増えています。そうした時代に生きる私たちは、ミネタ氏の姿勢から学び、多様な人々を排除することなく、平和を願い続ける心を大切にしていくべきでしょう。 🔶今週のまとめ 今週は「平和を願う心」というテーマで、ノーマン・ヨシオ・ミネタ氏の話をご紹介しました。 日系人として強制収容された経験を持ちながら、差別に立ち向かい、平等と安全を守る行動を貫いたミネタ氏の生き方から、今を生きる私たちも学ぶべきことは多くあります。 来週は「お彼岸のお話」です。どうぞお楽しみに。 お話は熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん、お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)さんでした。

    9 min
  2. 3 SEPT.

    【物の見方】 “それってあなたの感想ですよね?” の意味を考える

    🔶今週のテーマは「物の見方」 この番組では、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんに、仏教にまつわるさまざまなお話をうかがってまいります。 🔶和歌が伝える物の見方の違い 「手を打てば鳥は飛び立つ 鯉は寄る 女中茶を持つ 猿沢の池」という和歌をご紹介します。猿沢の池(さるさわのいけ)は奈良公園にある池です。ある人が手を叩いたところ、鳥は驚いて飛び立ち、鯉は餌をもらえると思って寄ってきた、という情景が詠まれています。 同じ行為でも、受け取る側によって反応は異なることを示しています。これは、見るものによって物の見方が異なるという、仏教的な視点に通じています。 🔶仏教の教え「唯識(ゆいしき)」とは 仏教では「唯識(ゆいしき)」という教えがあります。これは「すべてのものは心の働きによって生じている」という考え方です。 たとえば、「一水四見(いっすいしけん)」という例えがあります。水という同じ存在も、見る者によって異なるものに見えるとされます。 ・人間にとっては、命を支える飲み物 ・天人(てんにん)にとっては、水晶のような床 ・魚にとっては住処 ・餓鬼にとっては燃え盛る炎 このように、物の見え方は存在する側の心によって決まるとされているのです。 🔶人間の価値観は経験で変わる 人間の場合も同じです。生まれ育った環境、教育、経験などによって価値観が形成されます。 たとえば、コップに水が半分入っていたとき、「もう半分しかない」と見る人もいれば、「まだ半分もある」と見る人もいます。 人は五感を通して物事を認識し、そこに好き嫌いや善し悪しといった価値判断を加えて、自分だけの世界をつくり上げているとも言えます。 🔶「それってあなたの感想ですよね?」の意味を考える 「それってあなたの感想ですよね?」という言葉が、最近では子どもでも使うようになりました。しかし、それを言っている本人もまた、自分自身の感想の世界を生きているということを忘れてはいけません。 つまり、私たちは誰もが自分の感想というフィルターを通して世界を見ており、その見方に絶対の正解はないということなのです。 🔶仏さまは事実をありのままに見通す 仏教における「仏になる」とは、自分の都合や感情、価値観から離れて、物事の本質や事実をそのままに見通すことができる存在になるということです。 水が半分入ったコップを見て、「半分も」「半分しか」と感じるのではなく、「水が半分入っている」という事実そのものをありのままに見る。これが仏の視点であり、私たちが目指すべき心のあり方でもあります。 🔶違いを認めることで穏やかに生きる 私たちは完全に仏のような視点を持つことはできませんが、せめて「人によって物の見方は違うのだ」という前提を持つことで、怒りやトラブルを減らすことができるかもしれません。 身近な人とであっても、見ている世界が違うことを認め合いながら暮らしていく。その心が、穏やかで平和な毎日を築く第一歩となるのではないでしょうか。 🔶今週のまとめ 今週は「物の見方」というテーマでお話ししました。 「手を打てば鳥は飛び立つ 鯉は寄る 女中茶を持つ 猿沢の池」という和歌を通して、物の見方は人それぞれであり、それは自分の心の働きによって生じていることを学びました。 仏さまはその心の働きから離れ、ありのままの姿を見通す存在です。 私たちには難しいことですが、「人によって見方は違う」という前提を持つだけで、心穏やかに生きていく助けになることでしょう。 🔵来週のテーマは「平和を願う心」です。どうぞお楽しみに。 お話は仏嚴寺の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんでした。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  3. 27 AOÛT

    【蓮如上人と大阪のご縁】 "大阪の名付け親"とも言われる蓮如上人について

    🔶 蓮如上人とは 浄土真宗本願寺派の第8代門主で、「浄土真宗中興の祖」と称されます。 室町時代(1415年~)に生まれ、不遇の幼少期を経て、43歳で本願寺の門主となりました。 荒廃していた本願寺を復興し、門信徒を増やしながら教えを広めました。 🔶 教えの普及と工夫 当時、本願寺は天台宗の傘下で、仏具やご本尊も天台宗の様式でした。 蓮如上人はこれを改め、本願寺を浄土真宗の寺として確立されました。 民衆にも理解できるよう、教えを簡潔に綴った「御文章」や「名号(阿弥陀仏と書いた紙)」を多数配布しました。 読み書きができない人も多い時代に、視覚や口伝を通じて信仰が広まりました。 *本願寺派(西本願寺)では「御文章(ごぶんしょう)」、大谷派(東本願寺)では「御文(おふみ)」と呼ぶことが一般的です。 🔶 教団の広がりと対立 教えは近江(滋賀)を中心に、近畿・東海・北陸などへ急速に広がりました。 その影響力の大きさから、天台宗から敵視され、本願寺が焼き討ちに遭うという事件も起きました。 その後、越前・吉崎御坊へ移り、そこを拠点としてさらに信仰を拡大しました。 ただし、武力と結びついたことで「一向一揆」などの争いも起こり、蓮如上人は吉崎を去り、山科(京都)へ移られました。 🔶 大阪との関わり 山科本願寺の建立後、蓮如上人は晩年に現在の大阪にも拠点を移し、それが後の「石山本願寺」の基礎となりました。 石山本願寺は、のちに織田信長との戦いの舞台となり、退去後は豊臣秀吉によって大阪城が築かれたため、その場所は「大阪城の元になった」とされています。 当時「小坂」や「尾坂」などと呼ばれていたこの地に「大坂(のちの大阪)」という名を用いたのが蓮如上人だという説もあります。 そのため、蓮如上人は「大阪の名付け親」と称されることもあり、大阪と浄土真宗は今も深い縁で結ばれているのです。 🔶 熊本との関係 蓮如上人の布教活動により、熊本にも浄土真宗のお寺が多く建立されました。 熊本市中央区京町の仏嚴寺も、そうした歴史をもつお寺の一つです。 🔶 まとめ 蓮如上人は、荒廃した本願寺を再興し、民衆に向けた布教活動を展開された中興の祖です。 京都から北陸、そして大阪と、各地を巡って教えを広め、今の浄土真宗の礎を築かれました。 「大阪の名付け親」として、都市の成り立ちとも深く関わっています。 🔵来週のテーマは「物の見方」です。どうぞお楽しみに。 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。 出演 お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう) 司会:丸井純子(まるい じゅんこ)

    9 min
  4. 20 AOÛT

    【仏教とご法事】 三回忌は2年後 ご法事は自らの生き方を見つめ直す機会

    今週も、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さんに、「ご法事」についてお話いただきました。 🔶 ご法事とは何か ご法事(仏事)とは、仏様の教えに出会う大切な場であり、亡き人のご縁によって縁ある人々が集い、仏様の教えを聞き、お念仏を称える場です。 🔶 法事の種類 主なご法事には、以下のものがあります: 年忌法要(祥月命日):一周忌、三回忌など。 月命日法要:毎月の命日のお参り。 入仏法要:新たに仏壇を迎えた際の法要。 お葬式や初七日、四十九日(中陰)なども法事の一部です。 🔶 年忌法要のタイミング 一周忌は亡くなった翌年、三回忌は2年後、七回忌は6年後に行います。 その後は13回忌、17回忌、25回忌、33回忌、50回忌、さらには100回忌まで続きます。 数字から1を引いた年数が、亡くなった年から数えた法要の年になります。 🔶 ご法事の意味 浄土真宗では、ご法事は供養のためではなく、亡き人をご縁として、私たちが仏様の教えに出会い、お念仏に生きることを再確認する機会です。 ご法事を通して、自分自身もやがて命を終える存在であることを知らされ、阿弥陀様のお救いに出会うことができます。 🔶 ご法事の三つの出会い 参列者との出会い:同じように大切な人を亡くされた人々との共感。 亡き人との新たな出会い:仏となった故人が寄り添ってくださる存在となります。 阿弥陀様との出会い:仏様の教えとお救いにあう大切な機会です。 🔶 ご法事は「誕生日」でもある 浄土真宗では、亡くなった日は「浄土に生まれた日」と捉えられます。悲しみだけでなく、仏として生まれる誕生の日としての意味も込められています。 🔶 ご法事の継続と意義 ご法事は数年に一度、親戚や家族が集まり、亡き人を偲び、子どもたちの成長も感じることができる貴重な機会です。 「いつまでやらなければならないのか」と感じることもありますが、それだけ大切な出会いの場であり、成長とご縁を感じる機会です。 🔶 まとめ ご法事は、亡き人を偲び、仏様と出会い、自らの生き方を見つめ直す機会です。 ご縁を大切にしながら、仏様のお救いに出会う大切な場であると改めて感じさせてくれます。 来週のテーマは「大阪の名付け親 蓮如上人」です。 どうぞお楽しみに。 ―――――――――――――――――――――――― 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。 出演お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)司会:丸井純子(まるい じゅんこ)

    9 min
  5. 13 AOÛT

    【戦争と平和】 戦後80年という節目の年 「怨親平等」の心を

    戦後80年という節目の年にあたる今年、番組では戦争の記憶と仏教の教えから平和について考えます。 🔶 サンフランシスコ講和会議と仏教精神 1951年、サンフランシスコ講和会議でスリランカ代表のジャヤワルダナ氏は、お釈迦さまの言葉を引用してスピーチを行いました。 「怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。 怨みを捨ててこそ息む。」 スリランカは日本に対する戦後賠償請求を放棄しました。 この精神は「怨親平等(おんしんびょうどう)」と呼ばれ、仏教の慈悲の心に基づいた行動でした。 🔶 日本と仏教の戦争協力の歴史 浄土真宗を含む仏教各宗派は、戦時中に教えを曲げて国家に協力しました。 仏教の本来の教えとは異なる方向に進んでしまった過去を、今こそ見つめ直す必要があります。 🔶 浄土真宗の平和に向けた声明 戦争は命を奪い、命の尊厳を踏みにじる行為。 「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」という親鸞聖人の言葉の通り、私たちは状況次第で争いの加害者にもなり得る存在。 だからこそ、同じ過ちを繰り返さないために、状況を作らない努力が必要であると説かれています。 🔶 詩「死んだ男の残したものは」から学ぶこと 谷川俊太郎さんの詩「死んだ男の残したものは」を紹介。 死者が遺したものは、物質ではなく、生き残った私たち自身であること。 歴史の犠牲の上にある現在を認識し、二度と戦争を繰り返さないという意志を持つことが重要。 🔶 まとめ スリランカの怨親平等の実践や、谷川俊太郎さんの詩から、私たちは戦争と平和について深く学ぶことができます。 日本が歴史の中で犯した過ちを正しく理解し、語り継ぎ、未来に活かす努力が求められています。 平和を守り続けるためには、仏教の教えや宗教心を日常生活の中で大切にしていく姿勢が欠かせません。 来週のテーマは「ご法事」。 「三回忌はいつ?」という疑問にもお応えしながら、法事についてわかりやすくお話していきます。 ―――――――――――――――――――――――― 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。 出演: お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう) 司会:丸井純子(まるい じゅんこ)

    9 min
  6. 6 AOÛT

    【戦争と平和】 当時 仏嚴寺も空襲に遭い、ご遺体が運び込まれていた悲しい事実が…

    🔶 お寺と戦争の関わり ・昭和17年、戦争のために「金属回収令」が施行され、寺院の梵鐘や仏具も供出を余儀なくされました。 ・浄土真宗本願寺派の調査によると、当時の約9割の寺院が梵鐘を供出し、戦後に戻ってきたのはわずか5%ほどでした。 ・梵鐘は溶かされ、戦闘機や爆弾などに使われたとされています。 🔶 熊本の空襲とお寺の記憶 ・熊本市京町にある仏嚴寺も空襲に遭い、近くの気象台に焼夷弾が落ちて犠牲者が出たそうです。 ・ご遺体が仏嚴寺に運び込まれたこと、機銃掃射による被害の痕跡が額縁に残っていることなど、戦争の記憶が今も語り継がれています。 🔶 戦時中の宗教と国家 ・戦時中、国家による統制のもと、仏教も本来の教えを曲げて国家に奉仕するよう求められました。 ・浄土真宗もその例外ではなく、信仰と国家政策のはざまで悲しい歴史が刻まれました。 ・その過ちを繰り返さぬよう、今後も平和の大切さを語り継いでいく必要があります。 🔶 戦争の記憶を次世代へ ・お寺には戦時中の遺物が多く残されており、当時の生活や悲劇を知る手がかりとなっています。 ・戦争を経験した世代が少なくなる中、語り継ぎの重要性が高まっています。 ・戦争の悲惨さを後世に伝え、平和を大切にする社会を築くことが、今を生きる私たちの役割です。 🔶 世界の戦争と日本の平和 ・現在もウクライナや中東など、世界各地で戦争が続いています。 ・日本は戦争をしない国として、平和を守り育てていくことが大切です。 ・宗教の視点から、戦争と平和を見つめ直す機会を持つことが求められています。 🔶 まとめ ・今年は戦後80年を迎えます。 ・戦争を経験した方の話を直接聞く機会が減っている中で、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぐことが重要です。 ・身近な人々が経験した戦争の話から学び、平和な社会の実現に努めていきたいと感じました。 *来週も引き続き、「戦争と平和」をテーマにお届けいたします。 ―――――――――――――――――――――――― この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談を受け付けています。 メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。 出演 お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう) 司会:丸井純子(まるい じゅんこ)

    9 min
  7. 30 JUIL.

    【若者と仏教】 意外と若者は仏教に興味がある

    🔶 テーマ:「若者と仏教」 今週も、福岡県の私立校・筑紫女学園で宗教科教諭を務める小杭浄海(おぐい じょうかい)さんをゲストに迎え、若者と仏教の関わりについて語っていただきました。 🔶 現代の若者と宗教の距離 NHKや統計数理研究所の調査によると、日本の若者の宗教離れは近年顕著。 仏教やお寺に対し、「高齢者のためのもの」という印象を抱く若者も多い。 一方で、筑紫女学園では仏教の授業中に寝ている生徒はほとんどおらず、意外に関心があることが分かる。 🔶 若者が仏教に興味を示す背景 多くの高校生が、身近な人の死などを通して「命」と向き合う経験をしている。 自分自身の死についても意識し始める時期であり、仏教で語られる命の話に惹かれる側面がある。 「仏教=難しそう・堅苦しい」というイメージはあるが、授業を通じて興味を持ち直す生徒も多い。 🔶 授業で使用される教材とアプローチ 高校では「見真(けんしん)」という教科書を使用。 親鸞聖人が朝廷より賜った「見真大師」の名に由来。 難解な文言も多いため、教師が現代の話題や具体例を交えて丁寧に解説。 身近な話題と仏教を結びつけることで、生徒の理解を深めている。 🔶 宗教教育の意義 SNSや科学技術が中心となる現代においても、「命には限りがある」という普遍的事実は変わらない。 仏教は「縁起」や「気づき」を大切にし、他者とのつながりや感謝の心を育む。 宗教的価値観は、すぐに理解できなくても、大人になってから心に残る教えとなることも多い。 若いうちに宗教に触れることは、人間形成の大きな礎となる。 🔶 まとめ 宗教が若者から遠ざかっている現状がある一方で、仏教的な命の教えには多くの若者が興味を示している。 教育現場での宗教授業は、彼らに新たな視点を与え、自らの生き方を見つめる機会となっている。 *来週のテーマは「戦争と平和」。引き続き小杭浄海さんとともにお送りします。 この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談を受け付けています。 メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。 出演 お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう) 司会:丸井純子(まるい じゅんこ) ゲスト:筑紫女学園中学高校 宗教科教諭・専念寺 小杭浄海(おぐい じょうかい)

    9 min
  8. 23 JUIL.

    【仏教と教育】 教育は知識だけでなく、人間としての在り方を学ぶ場

    🔶 テーマ:「仏教と教育」 熊本市中央区京町にある仏嚴寺の住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんと、今週もゲストに福岡県・筑紫女学園中学校・高等学校で宗教の先生をされている、佐賀県の専念寺ご所属の小杭浄海(おぐい じょうかい)さんをお迎えし仏教と教育の関係について紹介。 🔶 仏教と教育の歴史的背景 江戸時代の「寺子屋」は、庶民が読み書きそろばんを学ぶ場として、お寺が担っていた。 明治13年、博多の萬行寺で七里恒順和上による日本初の仏教系「日曜学校」が始まり、全国に広まった。 子どもたちに親鸞聖人の教えや阿弥陀如来の救いを伝える目的があった。 🔶 仏教教育の特徴 命の尊さやつながり(縁起)を重視。 「迷惑をかけないように」という道徳的視点に加え、「迷惑をかけながらも支え合って生きている」という仏教的視点を教える。 他者に支えられていることへの気づきを通じて、「自分も支える側になる」意識を育む。 🔶 まとめ 仏教の教えは人との関係性や感謝の心を育む教育の基盤として有効。 教育は知識だけでなく、人間としての在り方を学ぶ場でもある。 来週のテーマは「若者と仏教」。小杭浄海さんとともに引き続きお送りします。 出演: お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう) 司会:丸井純子(まるい じゅんこ) ゲスト:筑紫女学園中学高校 宗教科教諭・専念寺 小杭浄海(おぐい じょうかい) ―――――――――――――――――――――――― 今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。 あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。 では、また来週お会いしましょう。

    9 min

À propos

仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。 お悩み相談もメールで受け付け中!goen@rkk.jp ▼メール goen@rkk.jp ★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4    AM1197で、毎週水曜日 午後6時10分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

Vous aimeriez peut‑être aussi