翻訳文学試食会 翻訳文学試食会実行委員会
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翻訳された海外の短編小説を毎回1編読んで、関西のおっちゃん2人がやいのやいのしゃべるポッドキャストです。話題の新作から古典的名作、怪作・珍作までいろいろ味見していきます。次に読む本選びのきっかけに、外国文学についてのトリビアの仕入れにご活用ください。毎週水曜20時に更新します。
【パーソナリティ】
大東和重(おおひがし・かずしげ) 比較文学者(日中比較文学)。兵庫県出身。好きな小説はバルガス=リョサ『都会と犬ども』、ゾラ『制作』、ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』
干場達矢(ほしば・たつや) 勤め人。大阪府出身。好きな小説はスティーヴン・キング『クージョ』、トレヴェニアン『ワイオミングの惨劇』、デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』
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#78 ホセ・マリア・アルゲダス「ダイヤモンドと火打ち石」〜これが本場のマチスモだ
【この作品が入っている本】『ダイヤモンドと火打ち石』(杉山晃訳、彩流社、2005年)
【作家のプロフィール】1911〜69年。ペルーのアンデス地域アンダワイラス生まれ。白人家庭に生まれたがインディオと交流して育ち、現地語であるケチュア語を解した。働きながら創作し、先住民文化の普及にも努めた。作品に『水』『深い川』など。
【今回のトピック】
先住民族/クリオーリョ、メスチーソ/口承文芸/聖なる愚者/遠近法/エドゥアール・マネ/因果関係/ジイド『法王庁の抜け穴』/無償の行為/中上健次/深沢七郎/近代文学
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#77 チャン・ガンミョン「データの時代の愛(サラン)」〜偶然の起きない世界で
【この作品が入っている本】『極めて私的な超能力』(吉良佳奈江訳、早川書房、2022年)
【作家のプロフィール】1975年、韓国ソウル生まれ。新聞社の社会部に勤務した後、2011年に長篇『漂白』でハンギョレ文学賞を受賞し作家デビュー。他にも多数の賞を受賞し、文芸作家として第一線で活躍している。本短篇集が初のSF作品集となる。(本書の著者略歴より)
【今回のトピック】
アマゾン/アルゴリズム/マッチングアプリ/偶然性/ロマンチックラブ・イデオロギー/J・G・バラード/ウィリアム・ギブソン/岸政彦/自己プロデュース/隠れて生きる/ガルシア=マルケス『コレラの時代の愛』/内田樹
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#76 ジーン・リース「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」〜迷惑おばさんの怒りと悲しみ
【この作品が入っている本】『あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集』(西崎憲編訳、亜紀書房、2022年)
【作家のプロフィール】1890〜1979年。カリブ海のドミニカ島に生まれる。演劇を志すが挫折し、27年に作家デビュー。『カルテット』など長編の評価は高かったが次第に忘れられた作家となる。60代で代表作『サルガッソーの広い海』を発表し作家としての評価を決定的なものとした。(本書の著者略歴を編集)
【今回のトピック】
ポストコロニアリズム/カノン/ドミニカ国とドミニカ共和国/アルイー/林芙美子/移住による精神失調/クルド人/ジャズという音楽/グローバリゼーション批判/「地元の名士」
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#75 キム・ヘジン「三区域、一区域」〜都市再開発と生存権
【この作品が入っている本】『君という生活』(古川綾子訳、筑摩書房、2022年)
【作家のプロフィール】1983年生まれ。2012年東亜日報新春文芸当選作「チキン・ラン」で文壇入りし、2013年長編小説『中央駅』で第5回中央長編文学賞を、2018年長編小説『娘について』で第36回シン・ドンヨプ文学賞を受賞した。その他の作品に、短編小説『オビー』、長編小説『九番の仕事』、中編小説『火と私の自叙伝』などがある。(本書の著者略歴より)
【今回のトピック】
チョンセ/二人称小説/龍山惨事/多田麻美『老北京の胡同』/住民の権利/ドナルド・トランプ/不動産格差/パク・ミンギュ/斎藤真理子
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#74 ゾヤ・ピールザード「復活祭前日」〜異教徒同士の恋愛について
【この作品が入っている本】『ゾヤ・ピールザード選集 復活祭前日』(藤元優子編訳、大同生命国際文化基金、2019年)
【今回のトピック】
松井真之介「フランスにおけるアルメニア人移民」:その社会的成功をめぐって」(論文)/シーヴァー・アラストゥーイー/ウィリアム・サローヤン/アゼルバイジャン/民族のアイデンティティ/イプセン『人形の家』/宗教的戒律と個人主義/リベラルへの再批判/映画「消えた声が、その名を呼ぶ」
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#73 ケジラハビ「バレンズィ」〜地域言語とリンガ・フランカ
【この作品が入っている本】『翻訳文学紀行』(「バレンズィ」は小野田風子訳、ことばのたび社、2023年)
【作家のプロフィール】1944〜2020年。現在のタンザニア、ヴィクトリア湖のウケウェレ島に生まれる。ダルエスサラーム大学で教鞭を執るかたわらスワヒリ語で小説と詩を発表。米国、ボツワナを経てタンザニアに帰国し死去。(本書の著者略歴を編集)
【今回のトピック】
小野田風子『不透明の彼方の作家ケジラハビ』/大江健三郎/小野正嗣/能登半島地震/我が子の死/ウガンダ・タンザニア戦争/アブドゥルラザック・グルナ
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カスタマーレビュー
こんな読書会がしてみたい!
単純な感想だけではなく、作品からどんどん広がるトピックが興味深いです。番組でも触れていましたが、お二人がまったく反対の意見でもギスギスすることもなく、むしろ意見が違う回の方が聞き応えがあったりします。おまけに堅苦しくなくて笑えるのがすごい。面白くて賢くなれる番組です