115本のエピソード

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに
独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。

扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。
20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から
今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。


【profile】
リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者
累計約600本以上の記事を監修
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/

筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと
20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。

◎注目している分野
・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤
・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性
・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育
・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用
・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線
※上記分野のお話が多くなると思います。


★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、
こちらまでDMをお寄せください。
https://twitter.com/Tomoki_Awano

アワノトモキの「読書の時間‪」‬ 粟野友樹,星野良太,Work-Teller

    • アート

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに
独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。

扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。
20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から
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・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤
・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性
・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育
・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用
・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線
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    ep37-4「ふつうの相談」(東畑開人さん)-小さなフォント、弱い文脈、藤井風-

    ep37-4「ふつうの相談」(東畑開人さん)-小さなフォント、弱い文脈、藤井風-

    今回は3つ目のキーワード「横道の意義とは」を軸にお話ししていきます。

    星野としては、リスナーの方々もこの内容には興味を持つ人が多いのではないかと思っておりますが、どうでしょうか。



    扱っている「ふつうの相談」(東畑開人さん)ですが、この本の構成、少し変わっているんです。

    地の文章とは体裁を変えた「小さなフォント」が織り交ぜられています。



    本論が展開される地の文章と、著者の東畑さんがおそらく思いついたであろう横道話が「小さなフォント」でつづられ、ページが進んでいきます。



    星野は主にこの「小さなフォント」で書かれた内容にズキュンズキュンと撃ち抜かれていきました。



    実はこの構成、中井久夫さんの「治療文化論」をオマージュして意図的につくられていたことが、本の最後に東畑さんから語られます。



    この本の中でも語られている「臨床を日常的な文脈、人間的な文脈で捉える観点」が、こういう構成を生み出している、と思いました。



    読書の時間でも扱ったTakram渡邉康太郎さんの「コンテクストデザイン」で触れられていた、「弱い文脈」も思い出されました。



    強さや正しさを備えた本論も、矛盾や曖昧さを「小さなフォント」で添えながら伝えることで、きっと届く先は広く大きくなる。そんなことも感じたわけです。





    ところで。

    粟野さんが藤井風を聞いていることを知って意外な星野でした。よく知っていると思っている人にも、まだまだ見えていない面はたくさんあるんでしょうね。



    みなさま、ともに周りの人を掘り続けましょう。


    ---

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    • 15分
    ep37-3「ふつうの相談」(東畑開人さん)-星野は預かりたい、名もなき野良相談役

    ep37-3「ふつうの相談」(東畑開人さん)-星野は預かりたい、名もなき野良相談役

    37冊目「ふつうの相談」(東畑開人さん)について語る3回目。

    今回はキーワード「星野は預かりたい」について話していきます。



    書籍「ふつうの相談」には、こんなことが書かれていました。



    ---

    (以下、趣旨まとめ)

    現在の心のケア業界では、苦悩する人たちの状況に合わせた療法が実施されているとは言い難い。

    その要因は、1人の臨床家が2つの療法のスペシャリストになる労力が大きいことと、臨床家のキャパシティを越えた相談ニーズがあることが挙げられる。

    だが、ケアに関わる人の大きな社会的役割の一つは、適した療法を提供できなかったとしても、まず自分が相談者の悩みを預かることである。

    (以上)

    ---



    心のケア業界の現状はさておき(!)、星野個人としてこの役割に関する表現に響いてしまったのでした。



    ふつうの相談として親身にお話できる方に巡り合いづらい世の中。

    たとえ付け焼刃だったとしても自分の悩みを預かってくれる人の存在のありがたさ。

    これを相談する側として切実に感じてきたからこそ、自分もそういう存在になりたいのでは、と思うのです。



    もちろん専門家が必要な状況があるのは承知の上で、とは言えそこへのエスカレーションまでできたらいいなぁと。

    一時避難所のようなイメージですね。



    東畑さんの本には、こうしたビビビポイントがそこら中にちりばめられている印象です。

    本の趣旨ドンピシャのお話ではないのですが、こんな観点からもおすすめの本でございました。



    社会の流れには逆行するのかもしれませんが、個人ができることをもっと復活させて相互扶助コミュニティをもう一度復権させたいな、と考えております。



    ふつうの相談も承っていく名もなき野良相談役として、熟練度を上げていきたいと思う所存です。


    ---

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    • 23分
    ep37-2「ふつうの相談」(東畑開人さん)-相対化してお互いを理解し合う、球体の臨床学、ふつうの相談

    ep37-2「ふつうの相談」(東畑開人さん)-相対化してお互いを理解し合う、球体の臨床学、ふつうの相談

    37冊目「ふつうの相談」、著者は東畑開人さん。

    ⁠https://amzn.asia/d/5Aqtjix⁠



    粟野さんではなく星野による読書の時間2回目です。



    今回から3回にわたり、下記キーワードに沿って読書の感想をお伝えします。



    【37冊目「普通の相談」のキーワード】

    1.相対化してお互いを理解し合うこと

    2.星野は預かりたい

    3.横道の意義とは?





    今回は「1.相対化してお互いを理解し合うこと」についてです。

    まずは星野なりに、本の概要をまとめていこうと試みました。

    シンプルに説明できてはおりませんが、皆さまの読書の助けになりましたら…!!





    世の中には、専門家ではなく名もなき方々による心のケアがたくさんあります。

    研究などで扱われることはなくとも、実際に人を助けている。

    そのケア活動を「ふつうの相談」と名付け、あらゆるケア活動の中心に置いています。

    東畑さん自身も、カウンセリングルームへの来訪者に対して精神分析的アプローチではなく、「ふつうの相談」で対応することもあるようです。



    「ふつうの相談」では、各人がその日常から得た「世間知」と相談者に対する周辺情報に対する「熟知性」を活用します。



    他にも、無数の「ふつうの相談」から抽出された理論をまとめた「学派知」、ケアが行われている現場ならではのノウハウ「現場知」があります。



    いわば、それぞれの立場による偏りが存在し、それにより「心のケア」界隈が協働しづらくなっているのでは?という東畑さんの課題感がありました。



    そこで東畑さんはこの本の中で「球体の臨床学」という捉え方を提示したのです。

    球体の中心に「ふつうの相談」を置き、「学派知」・「専門知」・「世間知」・「現場知」などをそれぞれ球体上に配置できる捉え方です。

    これにより、各自が相互を相対的に認識できるので、お互いの理解が進み、協働に進めるのではないか、というアイデアです。



    この捉え方は、心のケア界隈だけでなく、他の世界すべてに対して活かせそうだと感じました。

    普段、意識していないと自分の視点を中心に考えてしまいがちですが、ある種メタ視点で捉えることの重要性を再認識できました。





    …と、まずはある程度本の趣旨に沿ったお話からさせていただきました。

    次回からはもう少し星野の興味をベースにお話していきたいと思います。




    ---

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    • 25分
    ep37-1 「ふつうの相談」(東畑開人さん)-星野良太の読書の時間、心のケア世界のナウシカ、大仏次郎賞誤読事件

    ep37-1 「ふつうの相談」(東畑開人さん)-星野良太の読書の時間、心のケア世界のナウシカ、大仏次郎賞誤読事件

    37冊目は、粟野さんではなく星野による読書の時間です。

    扱う本は「ふつうの相談」、著者は東畑開人さん。

    https://amzn.asia/d/5Aqtjix



    白金高輪カウンセリングルームを主催されている方です。



    2024年の紀伊国屋人文大賞で16位になっていたのを見て、興味を持ち読んだのでした。

    大学時代にカウンセリングを学ぼうとしていた身としては、再度今の業界動向を知ってみたいという気持ちがあり、この機会に手に取った次第です。



    読後のファーストインプレッションは「読者へのケアがある本だな」という印象。

    また、本自体の構成に意図があり、そこに惹かれました。



    実際本がかかれた背景としては、心のケアに関わる方々をつなぐための新しい相対的な見方を提示しよう、というもの。

    いわば心のケア世界のナウシカです。

    失われた人と大地の絆を結びなおそうとされています。



    本を読みながら感じたことを、次回以降、下記3つのキーワードに沿ってお話していこうと思います。



    1.相対化してお互いを理解し合うこと

    2.星野は預かりたい

    3.横道の意義とは?



    ------

    ※ちなみに途中、「大佛次郎賞」を「だいぶつじろう」と呼んでいる個所がありますが、正しくは「おさらぎじろう」ですね。無知をぶっこきまして大変失礼いたしました!皆さまお気を付けを!


    ---

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    • 20分
    ep36-5 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-小さな表現者たち・誤配と連帯・おぼっちゃまくん-

    ep36-5 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-小さな表現者たち・誤配と連帯・おぼっちゃまくん-

    読書の時間36冊目、慶應義塾大学准教授の岩尾俊兵さんの著書、

    「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか 増強改訂版『日本”式”経営の逆襲』」

    を扱う5話目、こぼれ話の回。



    www.amazon.co.jp/dp/4334100910



    「日本企業が逆襲」するにあたって重要となる、コンセプト化・文脈依存度の話から、

    本・ZINEを作る個人が増えている今いま、文芸フリマの盛況ぶり(東京は2024年5月で38回目)、

    星野さんが感銘を受けた「陶器市@栃木県・益子」でのストーリーを感じる陶器との出会い、

    などなど・・・



    より小さな範囲の自分・自分たちを「表現する」流れが来ているのではないか?



    小さな、もしかしたら取るに足らないかもしれない表現と、

    それに偶然出会った受け手との間にこそ、

    何か大切なものがあるのかも知れません。



    益子の陶器市での陶器との出会いを熱く語る星野さんの話を聴きながら、

    小さな表現者である作陶者やそれを代弁するお店の方、

    受け手の星野さんの間に小さいけれど、確かなつながり「連帯」が生じている。



    ふとそこから連想するのは、

    読書の時間31冊目で扱った、東浩紀さん「「観光客の哲学 増強版」の、

    「誤配・観光・憐れみ」。

    「分断ではなく連帯」を社会に作っていく上で重要なキーワードでした。

    www.amazon.co.jp/dp/4907188498



    ep31-1「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)-訂正可能性・偶然性/無責任性/曖昧性・人間っぽさ-

    https://spotifyanchor-web.app.link/e/fz7Z1B9t5Ib



    それはつまり、偉い誰かに「皆、連帯しましょう」と掛け声をかけられても、内心は白けてしまう。

    けれども、たまたま偶然の出会いによって生じてしまった愛着や思い出からは、

    簡単には消えない連帯が生まれるのではないだろうか、というような話でした。



    そんな話もしながら、

    終盤はドラゴンボールの作者、鳥山明さんの訃報に触れた世界中からの

    リスペクト溢れる様々な反応からまざまざと感じる、漫画の持つ影響力の話へ。



    作者の超個人的な想いやイメージからスタートした作品が、勝手に、そして何ら反発をされずに世界中へ広がっていく。

    (逆襲とか、売り込むとか、他国の文化に自国が乗っ取られるとか、そういった発想が生まれることもなく)



    最後はこぼれ話らしく、コロコロコミックで1990年前後に連載されていた、昭和の名作漫画「おぼっちゃまくん(小林よしのりさん作)」へ着地。



    経営・グローバル競争から、陶器、おぼっちゃまくんまで。



    書籍の内容をそのまま扱うのではなく、

    ある程度は実直に読み解きながらも、

    同時に受け手の我々が誤読をしつつ、発想を展開していく。

    その中にこそ、その書籍との忘れがたいつながり・連帯が生じたり、

    聴いていただいている皆さんと「アワノトモキの読書の時間」との何らかのつながりになるのかもしれません。



    ***********************************

    さて、次回37冊目は星野さん選書「ホシノリョウタの読書の時間」です。



    どんな本になるのかも含め、楽しみにお待ちいただければと思っています。


    ---

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    • 19分
    ep36-4 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-幼馴染とアイドル・強い文脈と弱い文脈・開かれる儚さ-

    ep36-4 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-幼馴染とアイドル・強い文脈と弱い文脈・開かれる儚さ-

    読書の時間36冊目、慶應義塾大学准教授の岩尾俊兵さんの著書、「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか 増強改訂版『日本”式”経営の逆襲』」を扱う4話目。

    www.amazon.co.jp/dp/4334100910



    キーワード3つ目は、

    「文脈依存度を下げるべきなのか」



    『日本”式”経営の逆襲』を企図する著者としては、

    日本の優れた経営技術(ノウハウ)をグローバルに輸出していきたい。



    それはつまり、

    日本企業の現場で日々行われるノウハウの抽象度を上げて=文脈依存度を下げ、コンセプト化し、

    「サムライ・スピリット」

    「wabi-sabi(侘び寂び)」

    のような日本風のプロダクト名をつけ、

    世界に広め、日本企業・日本式の実力を知らしめる、ということだと解釈しました。



    「確かに!元々いい経営技術を持っている日本企業が同じものを逆輸入させられて、良さを失う状態は変えたいよね」とまさに正しい方向性だと思う一方で、

    私(粟野)としては、強いプロダクトをぶつけ合ってシェア競争・輸出と逆輸入をやり合う、

    永遠に続く戦いの円環の中に入っていくだけのような、

    そんな印象も受けたというのが正直な感想です。



    同時に、星野さん曰くの「世に開かれる故の儚さ」という必然性にも思いが至ります。



    文脈依存度を下げてコンセプト化した経営技術プロダクトを世界に出す、ということは、

    つまり同時に他国(他者)にそのコンセプトなりを書き換えられる・再解釈される可能性に開かれるということ。



    「仲の良かった幼馴染が、人気アイドルになり、遠い存在になってしまった。

    もう俺の知ってる幼馴染じゃない・・・。嬉しいけれど、寂しい。」



    その寂しさに似た儚さを感じて違和感を持った私がいたのかもしれませんが、最近流行りのアメリカの哲学者・リチャード・ローティ的にみると、「再解釈され続けることに開かれる」という態度が必要なのかもしれません。

    一度出したプロダクトがずっと勝ち続けるという不可能な期待はしない。

    幼馴染もステージや環境によって、変化していくことが自然である。



    ※この文脈(コンテクスト)やコンセプトの話にご興味ある方は、ぜひTAKRAM・渡邉康太郎さんの「コンテクスト デザイン」の”強い文脈・弱い文脈”の話もご覧いただけると面白いかと思います。

    https://aoyamabc.jp/products/context-design



    読書の時間 ep01-1/「コンテクストデザイン」(Takram渡邉康太郎さん)

    https://podcasts.apple.com/jp/podcast/ep01-1-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3-takram%E6%B8%A1%E9%82%89%E5%BA%B7%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%81%95%E3%82%93/id1574537184?i=1000527397958



    さて、次回は36冊目の5話目、こぼれ話の回になります。

    ざっくばらんな展開になると思いますが、次回もお聴きいただければと思っています。


    ---

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    • 14分

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